【ライヴレポート】Like-an-Angel、謎のラルクコピバン<1st LIVE>に驚きと感動「みんなの想像の上、行ってた?」

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4月1日、L'Arc-en-CielのtetsuyaがSNSで告知した謎のバンドが、Like-an-Angelだ。エイプリルフールかと思われた矢先に、L'Arc-en-Cielのコピーバンドであること、5月30日に初ライヴが開催されることが発表された。

◆Like-an-Angel (ライク アン エンジェル) 画像

5月30日はL'Arc-en-Cielの初ライヴ記念日。この記念すべき日に、tetsuyaは何を仕掛けようとしているのか? 場所は代官山UNITというキャパシティ500〜600人程度のライヴハウス、メンバーは当日まで非公開…という期待を煽る状況の下、チケットを手にした約500名のファンが集結した。

予定時刻を少し過ぎてから場内が暗転し、会場に大音量で流れたのはMinistryの「I Prefer」。L'Arc-en-Ciel初期の SEとしても使われていた曲だ(ちなみに開演前の場内SEはタイトルに“Angel”を冠するが使用されていた)。に合わせ、「Ladies and Gentlemen!」とプロレスのリングコールさながらにメンバーが紹介されていく。


まず、ドラムは摩天楼オペラのhibiki、ギターはex.ViViDでソロやサポートで活躍するreno。謎のヴェールに包まれたヴォーカルはjekyll。そして、もちろんベースはtetsuyaだ。それぞれメンバーのオマージュを盛り込んだスタイリングの3人の登場に続き、いつもどおりヘッドセットマイクを装備して大きく手を振りながら現れたtetsuyaを大歓声が迎え入れた。

1曲目は撮影OKということで、多くのオーディエンスがスマホを構える中、4人が並び立つ。「It's Show Time! Please Welcome! Like-an-Angel!!」というアナウンスを合図に、響のドラムからキラーチューン「READY STEADY GO」で<Like-an-Angel「1st LIVE」>がスタートした。


メタルドラマーとして知られる響らしい骨太なビートに、renoの鋭いカッティングが重なり、tetsuyaのしなやかなベースラインが絡み合う。近年はドームクラスで聴くことが多いtetsuyaのベースが、こんなに近くで体感できる機会はあまりにも貴重だ。バンドの音はライヴハウス仕様にしっかり作り上げられており、生々しさとともに個々のフレーズの華やかさが改めて際立っている。

ヴォーカルを担うjekyllも、L’Arc-en-Cielへのリスペクト溢れるパフォーマンスを見せていた。歌はもちろん日本語のアクセントも違和感なく、終盤に英語でMCをするまで、外国人だと気づいていない人も多かったのではないだろうか。


tetsuyaのコーラスが映える「EXISTENCE」「Pretty girl」などアップテンポな楽曲で熱気を高めたあと、切ないギターのイントロが誘う「DAYBREAK’S BELL」からは、グッとエモーショナルなゾーンへ。シングル「flower」のカップリング曲「さようなら」、1995年リリースのアルバム『heavenly』から「Still I’m With You」、シングル「風にきえないで」のカップリング曲「I’m so happy」など意表を突くレアな楽曲が並び、フロアからはイントロが鳴るたびに声が上がっていた。

特定の時代に偏ることもなく、いわゆるヒットシングルを連投するわけでもない。きっと、ただtetsuyaが今演奏したいL'Arc-en-Cielの楽曲を真剣にセレクトしたのではないだろうか。その真偽のほどは定かでないが、この記念日に聴くことのできる名曲の連発は、ファンにとってあまりにも嬉しすぎるというもの。


メロディアスなベースラインが牽引する「Blame」や、ベースとギターの絡み合いが美しい「Sell my Soul」といったtetsuyaサウンドを堪能できる楽曲もありつつ、無二の世界観を持ち、切ないノスタルジーを掻き立てるディープな楽曲たち。すべて、ポップな大ヒット曲と同様に、L'Arc-en-Cielを語る上で欠かせないものだ。これだけ練り込まれた大胆なセットリストを組めるのは、コピーバンドだからこそのものか。

そのぶん演奏の難易度も高いわけだが、各メンバーのプレイからは、やるからには完璧を求めるという気概が伝わってきた。この妥協のなさがtetsuyaらしく、同時に、renoが速弾きで魅せたギターソロコーナーやhibikiによる怒濤のドラムソロコーナーなど、各個性を発揮する時間を設けるのも彼らしい。ステージ上で目を合わせて笑い合ったり、コピーバンドとはいえ、“今日、初ライブを迎えた新バンド”として独自のグルーヴを作り出していた。


ラストは、tetsuya自ら「ブゥーン、ブゥーン」とエンジン音を口ずさんで「Driver’s High」に突入。さらに「GOOD LUCK MY WAY」を畳みかけ、会場全体にジャンプとシンガロングを巻き起こして本編を終了した。

全員お揃いのバンドTシャツで登場したアンコール。大きな拍手が湧くフロアを見渡し、tetsuyaが「みんなの想像の上行ってた? みんないろいろ想像してたでしょ?」と悪戯めいた笑顔を見せる。そして、「途中で考えたのよ、俺がヴォーカルやろかなって(笑)」と意外なアイデアもほのめかしながら、「久しぶりに聴いた曲とか、みんな大丈夫だった? 俺もウルッときちゃって…」と感慨深げに語っていたのが印象的だった。


さらに、「もう1曲、懐かしい曲いこうかな。みんなハンカチの用意、大丈夫?」と期待を煽って贈られたのは、シングル「Lies and Truth」のカップリング曲「賽は投げられた」だ。驚嘆の声を上げるオーディエンスを爽やかな疾走感で包み込んだあと、tetsuya作曲による珠玉のバラード「Pieces」の温かなムードでフィナーレを迎えた。

1日2回公演にも拘わらず、全16曲のフルボリュームをほぼノンストップで演奏し切ったLike-an-Angel。3人の若きL'Arc-en-Cielフォロワーのリスペクトと、何よりtetsuyaのL'Arc-en-Ciel愛が結実した32周年のアニバーサリーとなった。

取材・文◎後藤寛子
撮影◎緒車寿一

■Like-an-Angel<1st LIVE>2023.5.30@代官山UNIT SETLIST

▼1st
01. READY STEADY GO
02. EXISTENCE
03. Pretty girl
-Guitar solo-
04. DAYBREAK'S BELL
05. 夏の憂鬱 [time to say good-bye]
06. さようなら
07. Still I'm With You
-Drum solo-
08. I'm so happy
09. Ophelia
10. Blame
11. Sell my Soul
12. いばらの涙
13. Driver's High
14. GOOD LUCK MY WAY

15. 賽は投げられた
16. Pieces

▼2nd
01. HONEY
02. EXISTENCE
03. Pretty girl
-Guitar solo-
04. DAYBREAK'S BELL
05. 夏の憂鬱 [time to say good-bye]
06. さようなら
07. Still I'm With You
-Drum solo-
08. I'm so happy
09. Ophelia
10. Blame
11. Sell my Soul
12. いばらの涙
13. Driver's High
14. GOOD LUCK MY WAY

15. 賽は投げられた
16. Pieces

▼Like-an-Angel<1st LIVE>MEMBER
Vo. jekyll
G. reno
B. tetsuya
Dr. hibiki

■Like-an-Angel <PARALLEL WORLD 2023>

2023年10月7日(土) 東京・日比谷野外大音楽堂


■<TETSUYA Billboard Live 2023>

7月1日(土) Billboard Live TOKYO
・1stステージ:open15:30 / start16:30
・2ndステージ:open18:30 / start19:30
7月2日(日) Billboard Live TOKYO
・1stステージ:open15:30 / start16:30
・2ndステージ:open18:30 / start19:30
※1日2回公演
▼チケット
・サービスエリア¥10,000- (tax in)
・カジュアルエリア¥10,000-(1ドリンク付)(tax in)
※ご飲食代は別途ご精算となります。
一般予約受付開始:2023/5/1(月)正午12:00より

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