【インタビュー】ましのみの頭の中はどうなっている…?新作「どうせ夏ならバテてみない?」大分析

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──MVも面白かったですね。相手役の男性がいたり、お布団入ったり、と思ったらいきなりプールサイドで踊り出したり(笑)。

ましのみ:これは、室内のお布団敷いた部屋が水の上にあるという組み合わせがめちゃくちゃシュールで面白いなというイメージしか私にはなかったんですけど。そうしたら監督さんがいろいろアイデアを出して下さって。私的にはめちゃくちゃ面白くて。笑えるし、飽きないし、聴いてほしい歌詞も届くし。たくさん観てほしいなと思いましたね。

──C/Wの「海水掛け合いっこ」はタイトルにキュンとしました。

ましのみ:ありがとうございます。この曲は女の子が全編意地をはってるんですよ。浮ついてる相手方がいらっしゃって。その人の浮ついてるところを簡単に許しちゃったら治らないからっていう意地の張り方をしてるんだけど。でも海行ってるし、海水掛け合いっこしてるし、最終的には許してるし。幸せなんですよね。だから、結果的にそれこそ“青春”っていっていいような映像が浮かぶんだけど。でも、精神的なところまで掘り下げてみてみると、楽しいだけじゃない。好きだからこそ意地を張ってたり。あとは、落ちサビのところで、ただ意地を張ってるだけなんじゃなくて、見えてないところでも信じていたいから治して欲しいんだよとせつない気持ちになったり。そういうのがキュンキュンくるなと思って書きました。1曲目は夏の夜から朝にかけて、2曲目は昼から夕方にかけての曲ですね。

──3曲目の「コレクション of コネクション」はガラッと雰囲気が変わって。しっぽりとひとりで夏の夜に想いを馳せる曲でしたね。

ましのみ:これは、私が思い浮かべているのは、花火大会の日の夜、家に帰ってきてひとりのときの場面。この曲は恋愛の曲であると同時に人間関係全部に通じる考え方だと思ってて。人と人の価値観って絶対に同じように共有はできないと思うんですよね。そのなかで、この歌に関しては、好きとか一番好き、大好きという感覚が同じように共有できる訳がなくて。そのなかで「一番好きだよ」っていった側と、それを受け取った側の「好き」の強さ、種類、とらえかたが違ったとき。どっちも嘘もついてないし悪いこともしてないのに、「なんか裏切られた」と思って傷ついたりモヤモヤが生じるじゃないですか? 

──好きの度合いが違ったりすると。

ましのみ:ええ。例えば、こっちは一番好きでも、受け取った側は一番好きではなかった場合とか。っていうのが、私的には人間関係の面倒臭い、疎ましいところで。しかも、誰も悪くないから相手を責められない。これは、好きな人に悲しい思いを抱いてる子だから、そこに寄り添える曲にしたいと思って。ピアノも素朴な音にして、ミックスする段階でもホールで弾いてるような音ではなく、部屋で弾いてて、情景が思い浮かぶような音に仕上げました。1、2曲目で夏の高揚したウキウキ、わくわくみたいなところを書いた分、孤独の部分にもスポットをあてたのがこの曲です。

▲「どうせ夏ならバテてみない?」通常盤ジャケット

■自分は“才能”でいけるタイプじゃないんだって思いました。だから、才能も『努力』で引き出す。

──ましのみさんって、ちょっと変わった人なのかなと思ってたんですけど、全然違いました。

ましのみ:最初の頃は、変なキャラを作ってると思われるのがコンプレックスでした。だけど、作ってないから、困ってたんですよ。いまはそう思うんなら思ってくれてOK、自然体でそれができてるならラッキーじゃん! ぐらいの考え方になりました。

──音楽を表現するにあたって、ましのみさんが一番大切にしていることは?

ましのみ:自分が表現することでリスナーの感情が動く、そのなかでも、感情がゆらゆらした結果「なんかワクワクした」とか「楽しい」というのが残る。楽しませたいというのが私は一番なんですよ。だから、ライブとか曲を作る上でも「面白いな」、「楽しいな」というものが残って欲しいなというのが一番おっきなところにあった上で、いろんな曲を書きたいんですよ。

──ライブで紙芝居や寸劇をやったりしているのは、それを残すため?

ましのみ:そうですね。そこに軸を置いている訳じゃなくて、それも全部私はMCととらえてるんです。私はずっと常になにかにワクワクしてたいんですね。ディズニーランドが好きなので例えると、入ったときからあの空気自体が楽しくて、次から次へのいろんなものがあって、ずっと頭も心もワクワクできて楽しいじゃないですか? そういうものを自分のライブでも提供したい、そういう空間を一緒に共有したいと思ってるので、ただしゃべって歌ってしゃべって歌ってというライブはやりたくないんです。例えば、寸劇とかやると、次の曲により深く入れたりする。そう考えると寸劇もMCと同じ立ち位置なんですね。だから、そういうところにも気を配っていたいんです。さっきのタイトルとかイントロと同じように、MCとかSNSもそうですけど、私が気を使えるところは全部こだわっていたいんですよ。こうやって音楽を生業にしているからには、最低限それはやらないといけないなと思ってます。

──楽しませるためにそこまでやれてしまう自分は器用な方だと思いますか?

ましのみ:えぇー! 簡単にできる訳じゃないです。めちゃめちゃどうしようかなっていろいろ考えるし。紙芝居を取り入れるのもすっごい考えて、めちゃくちゃ時間かかったし。でも、裏でそういうことをやるのは当然のことなので、別にそこを大っぴらにする必要はないのでいわないですけど。

──この先、楽しませるアイデアが枯渇してしまったらと考えることはないですか?

ましのみ:枯渇なんてしないと思いますよ。毎回苦しむから。ポンポン出てくる人は枯渇しそうだけど、毎回苦しんで、身の回りにあるものとか、いろんなところから引き出しを持ってきて考えるから。枯渇することはないんじゃないかな。

──と考えると、ましのみさんは天才肌ではなくて。

ましのみ:違います。“コツコツ派”ですね。天才じゃないって理解したのは、初めは私も歌が上手いと思ってたんですけど。録音した歌を聴いたとき「ヘッタクソだなー」って思ったところで、自分は“才能”でいけるタイプじゃないんだって思いました。だから、才能も『努力』で引き出す。アイデアとか考え方って、結局は努力だと思うんで。だから、私は自分のなかで自分をストイックに突き詰めるんです。そうやって引き出さないといけない。自然に出てくるタイプじゃないから。

──分かりました。では最後に、9月8日に東京・代官山ユニットで開催されるワンマンライブへの抱負も含め、BARKSの読者の方々にメッセージをお願いします。

ましのみ:夏っていうことで、夏の作品を出して。ライブは、前回のワンマンライブよりもさらにアゲアゲで、いい意味で期待を裏切るような刺激的なものにしたいと思ってるし。初めての人でも、いままで応援してくれた人でも、同じようにワクワクできるものにしたいと思ってるので。このCDを聴いて、ワンマンライブにきて、今年の夏をましのみで一緒に楽しんでバテきって欲しいなと思います!

取材・文◎東條祥恵

▲「どうせ夏ならバテてみない?」初回限定盤ジャケット

メジャー1stシングル「どうせ夏ならバテてみない?」

2018年8月1日(水)発売
2018年7月16日(月・祝)よりiTunesほかにて先行配信開始
【初回限定盤】CD+DVD PCCA-04686 2,000 円+ 税
【通常盤】CD Only PCCA-04687 1,200 円+ 税
【CD】
M-1 どうせ夏ならバテてみない?
M-2 海水掛け合いっこ
M-3 コレクション of コネクション
M-4 どうせ夏ならバテてみない? (Inst.)
M-5 海水掛け合いっこ(Inst.)
【DVD】
V-1 どうせ夏ならバテてみない? Music Clip
V-2 どうせ夏ならバテてみない? Making
V-3 Digest of「 ぺっとぼとリテラシー~別途ほとばしるショータイムへようこそ~Vol.1@Shibuya WWW X」

<ぺっとぼとリテラシー ほとばしるバテで夏を締めくくりまショータイム Vol.2>

【日程】2018年9月8日(土)
【会場】東京 代官山UNIT
【開場/開演】 16:00/17:00
【チケット料金】前売り¥3,500(税込:D別) *学生は500円キャッシュバック  (当日、学生証をご提示ください)
8月1日より一般発売開始

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