【ライブレポート】DAIGO、森友や大黒、倉木を迎えたソロ15周年公演で8変化

BREAKERZのDAIGOがソロデビュー日にあたる7月21日、中野サンプラザで15周年記念ライブ＜DAIGO VS DAIGO☆STARDUST＞を開催した。DAIGOとDAIGO☆STARDUSTによる対バンという史上初の公演は、衣装8変化や、Being Legend応援ゲストとして森友嵐士、大黒摩季、倉木麻衣らが駆けつけるなど、15周年を華々しく彩る一日となった。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆DAIGO VS DAIGO☆STARDUST 画像11点

DAIGO☆STARDUSTとは、BREAKERZ結成前の2003年から2007年にDAIGOが行なっていたソロユニットだ。“星から舞い降りてきたロック王子”というコンセプトのもと、活動していたDAIGO☆STARDUSTはソロデビュー10周年の際、2夜限定で復活したが、その後再び活動を封印。以降、ソロ活動はDAIGO名義で行ってきた。

しかし、今夜5年ぶりに突如甦ったDAIGO☆STARDUSTは、音楽以外の俳優業やタレント業などマルチに活躍するDAIGOに向け、“どちらが歌を真剣に思っているか戦わない？”と宣戦布告。“DAIGO☆STARDUST”と“DAIGO”によるライブバトルが勃発した。1人2役!?とも言えるエンタメ感満載のステージに多くのファンが熱狂した。


まず先手はDAIGO☆STARDUSTだ。シンボルの巨大な羽を付け、氷室京介に提供してもらった記念すべきデビュー曲「MARIA」から戦いの火蓋が切られた。

Tレックスを感じさせるポップなロックテイストや、デヴィッド・ボウイに代表される艶かしい中性的な衣装を纏うなど、退廃的なグラムロックを基調としたDAIGO☆STARDUSTの楽曲は、センス溢れるサウンドとDAIGOのハイトーンヴォイスがマッチした秀作揃い。耽美ながら耳触りの良いキャッチーな楽曲を次々と披露していく。



全身ミラーボールのようなシルバーが輝く電光衣装に着替えて披露した「The space toy」の後はゲストコーナーだ。この日は、同じレコード会社の先輩にあたる3人のBeing Legend応援ゲストが、DAIGOの15周年を祝い駆けつけてくれたのだ。まず一人目に登場したのは大黒摩季。ドンペリを片手に「15周年おめでとう！」とロックに、カッコよく登場した大黒は、「Beingも私が離れてる間にDAIGO君が入って華やかになったね。長くやってると色々な帰路があるけど、“M M S N S G”＝“まだ まだ 先は 長い。しぶとく 頑張れ！”」と温かなメッセージを送った。そして、DAIGOがリクエストしたという国民的人気ソング「ら・ら・ら」をコラボレーション。サビでは大黒のイニシアチブにより大合唱が沸き起こり、ホール全体にハッピーバイブが広がった。

大黒退場後は、ライブに欠かせないアンセム曲「SUMMER ROSE」「I wanna be your star」を歌い上げ、観る者を魅了して止まないスペイシーなDAIGO☆STARDUSTのステージはエンディングを迎えた。


後手はDAIGOのステージだ。1曲目の「無限∞REBIRTH」からパワー全開。続いて、ハードなデジタルロック「REVOLUTION EVOLUTION」で攻めたかと思えば、MCでは自身が出演する『太田胃散』『セイバン』CMソングのバンドアレンジVer.で笑いを取ったり、はたまたレギュラー出演するTV番組の企画で生まれたバラード曲「I Wish」で聴く者の心を揺さぶる。さらには客席と共に振り付けを重ねる「ジェラルミン」「POP☆CORN」でコミカル＆ポップな魅力も。実にバラエティー豊かなセットリストをみせてくれた。

ここで2人目の応援ゲスト、倉木麻衣の登場だ。2017年、BREAKERZの企画イベントライブ＜10番勝負＞で対バンの一角を果たし、その時DAIGOが倉木をフィーチャーして制作した「ひらり舞い散る花のように」のレコーディング(※BREAKERZ10周年スペシャルアルバム『X（クロス）』収録)にも倉木が参加。親交を深めてきた2人がこの日コラボしたのは、倉木のヒットナンバー「Secret of my heart」だった。美しく澄んだ倉木のヴォーカルに、DAIGOが絶妙なコーラスでハモって客席を釘付けに。またMCで倉木は、「“C K M”＝“超 かっこいい MUSICを発信し続けてください”」とエールを送ったほか、“ドキドキする”＝“D K D K”とDAI語で表現するなどアットホームなシーンとなった。


倉木がステージを去った次に届けられたのはリリースされたばかりの新曲「今夜、ノスタルジアで」。同曲はGLAYのTAKUROがDAIGOのために書き下ろしたミディアムチューンで、これまでとひと味違う男の哀愁が感じられるブルージーなナンバーだ。「生きていると辛いことや、自分に限界を感じることもあります。そういう時、TAKUROさんに頂いたこの曲で元気をもらいます。そんな大切な曲を皆さんに届けたいと思います」。そう語り、ミュージックビデオ同様、アコギを弾きながら伸びやかに歌い上げた。

ラストは、亡き恩人への感謝の思いを込めた特別な一曲「YELL」。渾身の歌声を響かせ、壮大に本編を締め括った。


大きな声援に迎えたアンコールでは3人目の応援ゲスト、T-BOLANの森友嵐士が登場。ステージに姿を現しただけで圧倒的な存在感を放つ森友を「尊敬する先輩」と紹介したDAIGO。そしてT-BOLANの名バラード「離したくはない」をセッションした。唯一無二の森友のヴォーカル、時を超えても色褪せることのない名曲にリスペクトを捧げ、一語一語に思いを込めたDAIGOのヴォーカルがエモーショナルに響き渡る。客席からは「最高～！」の歓喜の雄叫びが上がった。そして、「“O O H”＝“オンリー ワンの 星になれ！”」という激励のメッセージを残した森友に惜しみない拍手が送られた。

森友を送り出した後は、ファッションショーのごとく衣裳を早替えしながらの“スペイシーショー”。カウボーイハットにブルーのキラキラ衣裳の「永遠のスペースカウボーイ」、巨大な蝶の羽を背中にはばたかせた「BUTTERFLY」、内側にカラフルな星が描かれた全幅4メートルにもおよぶマントを翻す「ROCK THE PLANET」と、オーディエンスを大いに喜ばせた。



充足感に満たされる中、戦いを終えた両者が再びスクリーンの映像に登場。DAIGO☆STARDUSTは敗北を認め、「僕は修行の旅へ。色々な星を回ってくる」と告げて宇宙へと旅立ち、バトルは結末を迎えた。

衣裳を着替え、ステージに戻ったDAIGOは、改めて15周年の感謝の思いを真摯に語り、TAKUROが書き下ろした両A面シングルのもう1曲「真夏の残響」をこの日のラストナンバーとして披露。大人のほろ苦いセンチメンタリズムを漂わせたメロディアスな旋律を情感たっぷりに歌い上げて、およそ4時間にわたるスペシャルなライブがフィナーレを迎えた。なお、全ての演奏を終えた後、スクリーン映像では、前代未聞のスペシャルアルバムのリリースやソロデビュー15周年を記念したツアーの開催も発表された。


ミュージシャン以外の活動の場も広げ、今では誰もが知るお茶の間の顔となったDAIGOの15年。その多彩な経験と愛されキャラクターを生かしたステージは、彼にしか生み出せない極上のエンターティナーショーだった。どんな衣裳を着ようとも、どんな芸能的手法を用いようとも、その根底にはティーンエイジャーから憧れ、築き上げてきたロックスピリットが宿っている。40代となった彼は培ってきた人間力を発揮し、今後も彼ならではの新しいロックを提示してくれるはずだ。