【インタビュー】TETSUYA (L’Arc-en-Ciel)、1st EPを語る「自然と僕の王道チューンを集めたものになった」

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TETSUYA (L’Arc-en-Ciel)が7月18日、前シングル「愛されんだぁ I Surrender」から約1年ぶりの新譜となる1st EP『I WANNA BE WITH YOU』をリリースする。同EPのオフィシャルインタビューをお届けしたい。

◆『I WANNA BE WITH YOU』トレーラー 動画

■無理そうな事も“やる”と決めた上で
■アイデアさえあればなんとかできるんですよ

──今作を作るにあたって、テーマはなにかあったんですか?

TETSUYA:今回は、“夏”をテーマにした楽曲を集めようというのが最初にありました。夏といえば疾走感があってキラキラした曲が合うだろうと僕的には思ってたんで、そういう曲を中心に集めていったんですけど。そうしたら、結果、自然と僕の王道チューンを集めたものになった、という感じですね。

──それをシングルではなく、5曲入りのEP作品でリリースしたいと思った理由は?

TETSUYA:シングルを連続して出していってアルバムにいくよりも、なにか変化をつけたほうがいいんじゃないかという意見がレーベルのほうからあったので、それを尊重したんです。あと、なるべく値段を上げずに1曲でも多く楽曲を入れたいなというのはありましたね。

──収録曲はテーマを決めたあとに書き下ろしたものですか?

TETSUYA:ではないです。僕はストック曲がかなりあるので、今回入っている曲はそこから選んでいます。

──今作は、TETSUYAさんのキラーチュンのど真ん中をいくような、キラキラのアップチューン「I WANNA BE WITH YOU」で幕開け。あの、爽快感弾けるようなギターのイントロは最初からあったんですか?

TETSUYA:わりと初期に出てきましたね。あそこは、アメリカのパンクバンドのギターリフのイメージです。ちなみに、この曲の仮タイトルは「SUMMER」だったんですよ。

──歌詞の“前から知っていたみたいさ”が、現実になってるじゃないですか!

TETSUYA:そう。だから、一番最初にこの曲を入れようと思いました。

──それで、歌詞にも“夏”を入れ込んで。

TETSUYA:夏テーマのEP作品なんで、夏は入れたいなと考えてました。最初は全曲に入れようかなと思ってたんですけど、結果的に他は入りませんでした。

──歌詞にある“奇跡は空から降ってくる”というファンタジックな一節、TETSUYAさんらしい表現だなと思ったんですが。

TETSUYA:そうですか? ああー。いま思ったけど「砂時計」(L’Arc-en-CielのAl『KISS』収録曲)でも“空から降ってきた”っていってましたね。忘れてたけど(笑)。ここの歌詞は、僕、昨年UFOを目撃して、その撮影に成功したじゃないですか? あれから、なんか人生観が変わったんですよね。あの経験がなかったら“奇跡は空から〜”という歌詞は生まれていないと思います。

──この曲がTVアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン』のエンディング主題歌に抜擢されたことについてはどう思われましたか?

TETSUYA:久しぶりのアニメのタイアップなので嬉しいですよ。このアニメの素晴らしところは、子供と親、2世代同時にアピールできるじゃないですか? 僕の楽曲って、老若男女問わず楽しめると思っているので、アニメのタイアップはすごくいいなと思いました。

──2曲目に収録された「READY FOR WARP」もTETSUYAさんの王道をいく軽快なポップチューンでした。

TETSUYA:夏、夏、夏!という感じにしたくて、あえて1曲目と同じタイプの曲をもってきて、曲間もほとんどなく始まる感じで畳み掛けました。

──歌詞も「I WANNA BE WITH YOU」とリンクする部分があるように感じましたが。そこは意識的に?

TETSUYA:「READY FOR WARP」の歌詞を書いていってたら、途中からいいたいことが「I WANNA BE WITH YOU 」と似てきて。兄弟曲のような関係になっていきましたね。この2曲は。

──こちらはサビの追っかけのコーラス、ハーモニーまでTETSUYAさんらしさがどこまでも満載でした。

TETSUYA:僕といえば、こんな感じです。

──ハモりの声が重なれば重なるほど、TETSUYAさんの曲はキラキラ度が強まる気がするですよね。

TETSUYA:僕は子供の頃からハモるのが好きだったんですよ。だって、綺麗じゃないですか? 僕は綺麗なものが好きなんです。音楽に限らず。

──歌詞の“未来では光るスピードで/想いは伝わる?”と書いてた部分なんですが。TETSUYAさんはこういう空想、自然とひらめいちゃうんですか?

TETSUYA:僕もそこは“なんでこんなこと思ったんやろう?”って思いました(微笑)。けど、歌詞書いてるときって、自分の想像を超えたものが出てくるんですよ。普段こんなこと、考えたこともなかったですから。あとで“へー、想いが光のスピードで伝わったら楽しそうやな〜”って思ったぐらいなので。僕はほら、SF好きの子供がそのまま大きくなったようなものだから(微笑)。SFもののアニメや映画やTVドラマを観て育ってるんで、頭のなかにそういうものしかないんですよ。最近つくづくそう思うな〜。UFO見て、さらにその思いが強くなりました。

──そうして、この異なる2曲をパラレルワールドというコンセプトで撮影した2本のMusic Clipは、まずそのアイデアがすごいなと思いましたね。

TETSUYA:最初からアイデアがあった訳では全然ないんですよ。レコーディングを進めるなか、「READY FOR WARP」も表題曲に並ぶぐらい強い曲になりつつあるという手応えがあったので、Music Clipを2曲撮りたいという思いがどんどん強くなっていったんですね。なんだけど、スタッフ的にはいろいろな制限がある中で2曲撮るにはどうするんだとなってたんです。でも、僕は仕事をやる上でのポリシーとして、先に「やる」って決めちゃえば、どうやるかは後から考えればいいというのがあるんですね。だけど、そこがなかなかスタッフと折り合いがつかなくて進まなかったんですよ。そのなかで監督がやっと決まり、監督と打ち合わせをする初めてのタイミングでもまだ2曲撮るかどうか曖昧な感じだったんですが、僕は2曲撮ることを前提にその場で「こんなのはどう」「あんなのは?」とポンポンアイデアを出していったなかで、最後のほうにでたのがこのパラレルワールドだったんです。パラレルワールドという設定なら同じシチュエーションで、ちょっとした変化。服装とか、その場のちょっとした変化で2つの世界を表現して2曲ぶん撮れば、1曲+αの制作費で2曲ぶんを短時間で作れるんじゃないの?って。

──素晴らしいアイデアじゃないですか!

TETSUYA:ねっ。無理そうな事も“やる”と決めた上で、アイデアさえあればなんとかできるんですよ。

──こちらの2本のMusic Clipの見どころをあげるとしたら?

TETSUYA:今回登場人物はほぼ僕しか出てこないので、ひとりで何をやればいいのかって考えたとき、じゃあ自分の好きな映画の世界観をいっぱい入れちゃえというのが、僕のなかのテーマでした。

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