【ライブレポート】uijin×我儘ラキア、互いに自らの葛藤と決意を語ったエモーショナルな夜

我儘ラキアが作り上げた熱狂が残るステージに、オープニングSEとともにuijinの4人が登場すると、大きな歓声が上がった。uijinのオープニングを飾ったのは「overdrive」。りんが「盛り上がっていきましょう。みんなで飛ぶよ！」と煽ると、フロアにはオーディエンスによる大きなうねりが発生。序盤からuijinと観客の一体感は抜群だ。「meltdown」のアッパーなビートに会場のテンションはさらに上がっていき、サークルモッシュが起きる。メンバーも生き生きとしたパフォーマンスで魅せていく。サビで不思議なワードをくり返すことで中毒性を醸し出す「ten-age」では、観客のジャンプが会場を揺らし、最後のメンバー紹介セクションでは、4人の名前が力強くコールされていた。

MCでりんがマイクを握ると「平日のど真ん中、水曜日に会いに来てくれて本当にありがとうございます。eggmanは、1年前uijinが2度目のワンマンライブをさせていただいた会場であり、我儘ラキアのれいにゃん（相谷麗菜）が東京でのお披露目をした、お互いにとって大切な場所です。（ワンマンライブ）から1年経った今日、この大切な場所で、もっと最高を更新したいです！　みんな、ついてこれますか！」と語った。

4曲目の「bluesky」は、タイトルコールだけで大歓声が起こるuijinの人気曲。4人は指の先端にまで気持ちを込めたような鮮やかなダンスを披露。疾走感溢れるギターロックナンバー「daylight」では、ライブ前日にひとちびがツイッターでうながしていたとおり、ファンがタオルを振り回す一幕も。「コトノハエモーション」は4人の表情豊かな歌声が響き、その名のとおりステージ上にエモーショナルな情景が描かれていた。

「君たちが一緒に歌ってくれることは、僕たちにとって奇跡です。君たちと作っているこの時間は、僕たちにとって宝物です。もっともっと一緒に楽しい時間を作りましょう！」という、ありぃの呼び掛けから歌唱されたのは「セツナメモリアル」。メンバーは、激しいビートに合わせてキレのあるダンスを披露。「001」はイントロから合唱が起こり、やよいも「叫べ！」とアジテートする。ストロボ照明を受けながらくり広げられたパフォーマンスは圧巻だった。

「1年前、僕たちuijinは2回目のワンマンライブを渋谷eggmanでやらせていただきました。この1年間、ライブのやり方とか少しずつ変わっていったところもあります。でも、僕たちは、君の心に届くライブがしたいっていう気持ちはずっとずっと変わっていません。僕たちは、すごくすごく不完全です。だから、怖がる暇もないし、止まることなんてできないんです。どんなに迷っても、泣いても……この4人で、いろんなしがらみをぶっ壊して、これからも進んで行きます。どうか、これからもよろしくお願いします！」と涙を見せながら、自分の気持ちを真っ直ぐな言葉で伝えるありぃ。そのひたむきな姿に会場から温かい拍手が起こった。「今日は、僕たちの特別な日に、ここeggmanでuijin、我儘ラキアの2マンライブをやらせていただくことができて、君たちと一緒に過ごすことができて、本当に嬉しいです。本当にありがとうございました！　最後、心を込めて歌わせていただきます」

この特別な夜の最後を飾ったのは「future」。4人は余力を残すつもりなど微塵もないと言わんばかりの全力のパフォーマンスを見せ、オーディエンスはそれに大合唱と拳を力強く突き上げて呼応する。この曲の後半には、我儘ラキアの「Sing with you」の時と同じように肩を組みながらジャンプをする観客の円陣が生まれ、会場は多幸感に包まれていた。終演した瞬間、キラキラとした笑顔を見せたメンバー。その満足感に満ちた表情が、この日のライブが成功に終わったことを証明していた。

奇しくも、この日、ステージ上で自分たちの葛藤と決意を赤裸々に語った我儘ラキアとuijin。彼女たちは、日々もがきながらも、目の前に立ちはだかる壁を自分たちの力で1つひとつ乗り越えている。この2グループが歩んでいく旅路は、まだまだ序盤。彼女たちがこれから描いていくストーリーを見ていきたいと思わせてくれた夜だった。






取材・文：鈴木健也（BARKS編集部）
撮影：真島洸