Hiroのもいもいフィンランドvol.56「オープニングアクトから丸々楽しめたHollywood Vampiresヘルシンキ公演最後に素敵なサプライズが!」
先日ヘルシンキのカイサニエミ公園でアリス・クーパー、ジョニー・デップ、ジョー・ペリー(エアロスミス)という超豪華メンバーで結成されたHollywood Vampiresのヘルシンキ公演が行われました。豪華だったのはこのバンドメンバーだけでなくオープニングアクトがなんともフィンランドらしく、マイケル・モンロー、The Local BandにLost Societyという豪華な顔ぶれ。
会場となったカイサニエミ公園はヘルシンキ中央駅のすぐ横に位置する公園でヘルシンキ市内のど真ん中!毎年夏になると大物バンドやアーティストのライブが行われています。開場になる10分ぐらい前に到着してみるともうすでにたくさんの人が入場を待っていました。ステージ前はジョニー・デップの定位置左側にお値段の高いピリオリティチケットエリアと、右側に一般チケットのノードリンクエリアに分かれてました。今回ノードリンクエリアは狭かったですが、お酒が飲めないエリアでフェンスで区切られてて未成年の18歳未満も入れます。フィンランドで未成年者も入れるライブではお酒が飲めるエリアがきっちり区切られています。一般チケットのお酒が飲めるエリアはその後ろにあったので、一般チケットで前で観たかったならお酒はあきらめなきゃなりませんが、ノードリンクエリアどんどん詰まっていきました。
オープニングアクト1番バッターは最近ぐんぐん人気上昇中のフィンランドのスラッシュメタルバンドLost Society!2013年のLOUD PARKで初来日、2015年LOUD&METAL ATTACKと続き、2016年には単独での来日もしています。彼らのライブ、ほぼ時間通りに始まったのですが、1曲目で突然音が落ちるというハプニングが!ボーカル&ギターのサミ・エルバンナが即興で「オーーーレオレオ!」などと観客と歌ったりしてその場をつなぎ、音が戻りライブ再開と思いきや、あららら、また音が落ちてしまい、一度ステージから去るメンバー。どうなることかと思ったものの、音が無事戻り、再度再開!曲自体はあまり知らなかったのですが、とにかく息つく暇もなくギターがかっこいい!サミは飛び跳ねたり、とにかく元気いっぱい!観客を盛り上げるのがとてもうまくショーマンシップにあふれてました。たとえ曲をよく知らなくても充分楽しめました。
お次に登場したのが今月初めに来日したばかりのThe Localバンド。来日公演はギターのアレキシ・ライホ(Children Of Bodom)、ドラムのユッシ69 (The 69 Eyes)、ヴォーカルのオッリ・ヘルマン(Reckless Love)と先ほどのLost Societyのサミがベースでしたが、このヘルシンキ公演ではオリジナルメンバーのSanta Cruzのアーチィ・クルーズがベースで登場!彼らは80年代のヒット曲を仲間たちで楽しくやろうぜって結成されたフィンランド版オールスターカヴァーバンド。ヴォーカルのオッリはステージを走り回り、飛び跳ね、お決まりのシャツ脱ぎも!メンバー達も楽しんでいるのが伝わってきますが、特に80年代好きにはこれがもう観ててほんとに楽しい!本来ライブはこうあるべきだと思わせてくれるほど楽しかった!
オープニングアクト最後は、フィンランドの永遠のロッケンローラー、マイケル・モンロー!そうです。あのHanoi Rocksでおなじみのマイケル・モンロー!もしその後を知らない方がいたら、今はソロでマイケル・モンローバンドとして元気に活動を続けています。6月17日に56歳の誕生日を迎えたばかりですが、年齢を全く感じさせないエネルギーに満ちあふれたパフォーマンス!時々姿が見えなくなったと思うと、ステージを飛び降り観客前のフェンスに登ってたり、それを飛び越え観客の中を走り回ったり、ステージ横の鉄の柱を登ってたり、と思ってたらステージで180度開脚してたり。普段からかなり鍛えてるんでしょうね。とにかくあのエネルギーはすごい!彼は歌うだけでなく、サックスを吹いたり、ハーモニカ吹いたりもします。メンバーがステージを去ったとき、オープニングアクトだったので、皆アンコールはなく終わったと思ったんだと思います。アンコールを求める声が飛ばなかったら、しばらくしてマイケルがひょこっとステージに現れ、「まだ聴きたい?」と問いかけると歓声が。そこでやめててもわからなかったと思いますが、ちゃんと出てきてアンコールまでやってくれたのが嬉しい。とにかく見てる側が息つく暇もないほど楽しいライブでした。
そしてこの日のメインアクトのHollywood Vampiresの番がやってきた!実はこのバンド3人の豪華メンバーで主にカヴァー曲を演奏する以外のことはよく知りませんでした。予習しようと思ってたのに時間がなくていきなりライブ参戦!ジョニー・デップが有名な俳優であることはもちろん知ってましたが、最近映画から遠ざかっていたのもあり、彼の映画を一度も観たことがありませんでした。私の周りにいた女性軍のお目当てはこのジョニー・デップだったようで、彼がこちら側に来て笑顔で手を振ると、皆手を振り返しあちこちから黄色い歓声が!彼はギターのピック大放出で、それをゲットできた私の前にいた女性は嬉しくて泣いてました。彼女がピックを拾うのに一歩下がったときに私の隣にいた女性の足元においてた布バックの上に乗っけていた帽子を踏んだみたいで、靴跡がついたと怒った彼女は後ろからドン!っとその女性をついてましたが、全く気になる様子もなくただただ泣いてました。後半になってジョニー・デップの投げたピックが私の足元に落ちた!と思ったら、今度は横のその帽子を踏まれた女性にいきなりドン!とつき押され、私の横にいた何人かはドミノ倒しのように傾き、彼女は足元に置いておいた私の布袋をしっかり踏みつけピックゲットして大喜び!日が陰ったので布袋の上にのっけてた帽子にくっきり靴跡が!ちょっとちょっとあなた自分がされたのと同じことやってるじゃないとこれはもうあきれて笑うしかありませんでした(笑)。
アリス・クーパーを見るのも初めてでしたが、いやー、すごいですね。あの堂々たる貫禄!彼も持っていたスティックを投げたり、小道具で手に持っていたトランプのカードを投げたり大放出!最後の方で赤と白のバンド名が書かれた大きな風船が観客側に投げ込まれたのですが、風に乗ってステージにたどり着くと彼が容赦なくバン!とわり裂いてました。そのわり裂かれた風船はライブ後セキュリティーが拾いもちろんファンの取り合いになってました。そのアリス・クーパーの隣に並ぶとジョー・ペリーは小柄に見えましたが、キャリアがなんだか顔に刻まれてるようでとっても渋かった!彼とジョニー・デップが並んでプレイする姿はゴージャスでもありました。Aerosmithのカヴァー曲「Combination」はもちろんジョー・ペリーがヴォーカル!ジョニー・デップも2曲歌ったのですが、デヴィッド・ボウイのカヴァー「Heroes」はとてもよかったです。その横で、血の滴る白いシャツを着たアリス・クーパーがチャカチャカチャカとマラカスを振る姿になんだかほっこり!
そしてアンコールでヘルシンキならではの素敵なサプライズが!実は彼らのライブをステージ横でマイケル・モンローがずっと観ていたのです。最後の「School's Out」で、メンバー紹介を始めたクーパーですが、ジョー・ペリーを紹介した後ジョニー・デップを紹介しようと思ったら彼がいない。よーく見たら、ステージ横にいたマイケルと話をしている様子。そこへクーパーが2人を呼びに行き、クーパーに肩を組まれ、ジョニー・デップに手をつながれマイケルもステージに!ほんとに飛び入りで「School's Out」を歌うという素敵なサプライズがありました。予習する時間もなくいきなり参戦した彼らのライブですが、とっても楽しめました。総合するとオープニングアクトから丸々楽しめとっても得した感じのHollywood Vampiresヘルシンキ公演でした。
このヘルシンキ公演の前日に誕生日を迎えたジョニー・デップですが、彼の年齢を知りませんでした。なんと55歳になったのですね。髭を剃ってヘアースタイル変えたせいか、ステージの彼は20歳ぐらい若く見えました。そのうち彼の映画も観てみようかな。
写真・文:Hiromi Usenius
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