園田涼と江國香織、日本初公開のミケランジェロ《ダヴィデ=アポロ》と対面
▲(写真左から)江國香織、ミケランジェロ作《ダヴィデ=アポロ》、園田涼
ソノダオーケストラのリーダーでピアニストの園田涼と作家の江國香織が、6月19日、東京・国立西洋美術館で開幕した<ミケランジェロと理想の身体>展を訪れた。
◆<ミケランジェロと理想の身体>関連画像
同展で初来日を果たした彫刻作品《ダヴィデ=アポロ》のイメージソングとなっているソノダオーケストラの「MICHELANGELO」は、園田が作曲、江國が作詞を手がけたコラボレーション楽曲だ。展覧会初日となったこの日の訪問で、ふたりは同作品と初対面を果たした。
未完の作品とされ、その主題となったのは聖書の英雄・ダヴィデなのかギリシャの神・アポロなのか等、未だ多くの謎に包まれているというミケランジェロ壮年期の傑作《ダヴィデ=アポロ》。園田は「未完のものが時を超えて来るってすごいですね。エネルギーを感じる」と作品を食い入るように眺め、江國は「滑らかさの奥の荒々しさが大好きです。ずっと眺めていたい」と感嘆した。
▲《ダヴィデ=アポロ》(部分) ミケランジェロ・ブオナローティ 1530年頃 フィレンツェ、バルジェッロ国立美術館蔵
Firenze, Museo Nazionale del Bargello / On concession of the Ministry of cultural heritage and tourism activities.
そして鑑賞後、話題は自然とふたりの共作曲「MICHELANGELO」へ。江國は「作詞をすると約束したのが酒場だったせいもあり、話の内容の半分くらいしか覚えていなかったのですが(笑)。園田さんと一緒に音楽を作れるということだけは覚えていて、送っていただいたデモテープを聴いたときは壮大な曲だったので、怯えたというか、びっくりしました。私の作詞で大丈夫かなと……」と振り返りながら、「でも、何度も聴いていたら、今回“ミケランジェロ”というテーマがあったので、曲の壮大さ、雄大さが時間の流れというように感じられてきたんですね。そう思ったら物語を雄大にする必要はなくて、ささやかな者達の長い時間の歌にしたいなと思い、そこから先は不安がなくなりました」と明かした。
今回、インストバージョンと中川晃教をゲストボーカリストに迎えたボーカルバージョンの2つのバージョンが制作された「MICHELANGELO」だが、園田は作曲当時を振り返って「楽器で映えるメロディーと歌って映えるメロディーって、実は全然違うので、両方とも音楽として良いものにするということがなかなか難しいなということがありましたね」とコメント。「でも、今回は誰が聴いてもヨーロッパ的な曲が書けたんじゃないかなと思っています。ヨーロッパって連綿と続く成長して破壊してっていう歴史があって、そういう繋がりみたいなものが描けたんじゃないかなと思います」との言葉を受け、江國も「“カエル”という歌詞から始まる曲なのですが、あらゆる生き物にある、命の連なりの歌にしたかったんです。時間と空間を超えて届いてくるものを小さいところから紐解きたかった。でも未完のものが時を超えて見られるってちょっと嫌かな(笑)」と語った。
最後に<ミケランジェロと理想の身体>展を振り返って、江國は「今回彫刻をじっくりと見てびっくりしました。ルネサンス期の作品を見ると個性をあまり出さない職人の作品なんだなと。後世になればなるほど既存のルールを破って自分の印を残したいと思ったりするけれど、黙々と仕事をしていたんだろうなって」と語り、「今回ミケランジェロ以外の作品もゆっくり見て回れて、そのストイックさというか、とても面白かったですね。様式美に則って人間的な個性を抑えているのに、ミケランジェロはミケランジェロとわかる。職人として際立ったものを持っている凄さですね」と絶賛。
また、園田からは2017年に始動したばかりのソノダオーケストラの活動について、「僕はずっとポップスフィールドでやってきたのですが、最近クラシックの演奏家さんたちとよく話すようになり、彼らがこだわってるものが僕たちとは根本的に違ってることに気付かされました。彼らは楽器の音色にとてもこだわっている。同じピアノを弾いているのに僕では出せない音色がある。アコースティック楽器が電子楽器とは全く違うんだなということに改めて驚かされました。そんな出会いを活かしたくてクラシックの演奏家の方達とソノダオーケストラを作りました。これからがとても楽しみです。また今回“MICHELANGELO”という曲では、江國香織さん、中川晃教さんとの素晴らしい出会いがあり、とても魅力的な作品になったと思います」と思いが語られた。
<ミケランジェロと理想の身体>展は国立西洋美術館にて9月24日まで開催。「MICHELANGELO」も収録されたソノダオーケストラのメジャー・デビュー・アルバム『MICHELANGELO』は、本日6月20日にリリースされる。
HUCD-10256 ¥2,000(税込)
1. MICHELANGELO 園田涼(※《ダヴィデ=アポロ》イメージソング)
2. 幻想即興曲 フレデリック・ショパン
3. だったん人の踊り アレクサンドル・ボロディン
4. ゴリウォーグのケークウォーク クロード・ドビュッシー
5. いつか、だれかに 園田涼(※「ONODERA GROUP」CMソング )
6. nationalism 園田涼
7. 行かなくちゃ 園田涼
8. MICHELANGELO (Vocal ver.) 作曲:園田涼/作詞:江國香織/歌:中川晃教(※《ダヴィデ=アポロ》イメージソング )
ソノダオーケストラ メンバー:
Pf/Syn 園田涼, Fl 石井希衣, Ob 副田真之介, Sax Juny-a, Hr 稲田枝里子, Tp 山崎千裕, Vn 島田光理, 大槻桃斗, Va 三田悠, Vc 大浦萌, G 赤股賢二郎, B 小林修己, Dr 山内陽一朗
Additional musicians:
Vo 中川晃教(「MICHELANGELO」), fl 上田章代(M2,6,7), Va 大辻ひろの(M2,6,7), Cb 橋爪裕貴(M1,8)
会場:東京・国立西洋美術館
詳細:http://michelangelo2018.jp/
ソノダオーケストラのリーダーでピアニストの園田涼と作家の江國香織が、6月19日、東京・国立西洋美術館で開幕した<ミケランジェロと理想の身体>展を訪れた。
◆<ミケランジェロと理想の身体>関連画像
同展で初来日を果たした彫刻作品《ダヴィデ=アポロ》のイメージソングとなっているソノダオーケストラの「MICHELANGELO」は、園田が作曲、江國が作詞を手がけたコラボレーション楽曲だ。展覧会初日となったこの日の訪問で、ふたりは同作品と初対面を果たした。
未完の作品とされ、その主題となったのは聖書の英雄・ダヴィデなのかギリシャの神・アポロなのか等、未だ多くの謎に包まれているというミケランジェロ壮年期の傑作《ダヴィデ=アポロ》。園田は「未完のものが時を超えて来るってすごいですね。エネルギーを感じる」と作品を食い入るように眺め、江國は「滑らかさの奥の荒々しさが大好きです。ずっと眺めていたい」と感嘆した。
▲《ダヴィデ=アポロ》(部分) ミケランジェロ・ブオナローティ 1530年頃 フィレンツェ、バルジェッロ国立美術館蔵
Firenze, Museo Nazionale del Bargello / On concession of the Ministry of cultural heritage and tourism activities.
そして鑑賞後、話題は自然とふたりの共作曲「MICHELANGELO」へ。江國は「作詞をすると約束したのが酒場だったせいもあり、話の内容の半分くらいしか覚えていなかったのですが(笑)。園田さんと一緒に音楽を作れるということだけは覚えていて、送っていただいたデモテープを聴いたときは壮大な曲だったので、怯えたというか、びっくりしました。私の作詞で大丈夫かなと……」と振り返りながら、「でも、何度も聴いていたら、今回“ミケランジェロ”というテーマがあったので、曲の壮大さ、雄大さが時間の流れというように感じられてきたんですね。そう思ったら物語を雄大にする必要はなくて、ささやかな者達の長い時間の歌にしたいなと思い、そこから先は不安がなくなりました」と明かした。
今回、インストバージョンと中川晃教をゲストボーカリストに迎えたボーカルバージョンの2つのバージョンが制作された「MICHELANGELO」だが、園田は作曲当時を振り返って「楽器で映えるメロディーと歌って映えるメロディーって、実は全然違うので、両方とも音楽として良いものにするということがなかなか難しいなということがありましたね」とコメント。「でも、今回は誰が聴いてもヨーロッパ的な曲が書けたんじゃないかなと思っています。ヨーロッパって連綿と続く成長して破壊してっていう歴史があって、そういう繋がりみたいなものが描けたんじゃないかなと思います」との言葉を受け、江國も「“カエル”という歌詞から始まる曲なのですが、あらゆる生き物にある、命の連なりの歌にしたかったんです。時間と空間を超えて届いてくるものを小さいところから紐解きたかった。でも未完のものが時を超えて見られるってちょっと嫌かな(笑)」と語った。
最後に<ミケランジェロと理想の身体>展を振り返って、江國は「今回彫刻をじっくりと見てびっくりしました。ルネサンス期の作品を見ると個性をあまり出さない職人の作品なんだなと。後世になればなるほど既存のルールを破って自分の印を残したいと思ったりするけれど、黙々と仕事をしていたんだろうなって」と語り、「今回ミケランジェロ以外の作品もゆっくり見て回れて、そのストイックさというか、とても面白かったですね。様式美に則って人間的な個性を抑えているのに、ミケランジェロはミケランジェロとわかる。職人として際立ったものを持っている凄さですね」と絶賛。
また、園田からは2017年に始動したばかりのソノダオーケストラの活動について、「僕はずっとポップスフィールドでやってきたのですが、最近クラシックの演奏家さんたちとよく話すようになり、彼らがこだわってるものが僕たちとは根本的に違ってることに気付かされました。彼らは楽器の音色にとてもこだわっている。同じピアノを弾いているのに僕では出せない音色がある。アコースティック楽器が電子楽器とは全く違うんだなということに改めて驚かされました。そんな出会いを活かしたくてクラシックの演奏家の方達とソノダオーケストラを作りました。これからがとても楽しみです。また今回“MICHELANGELO”という曲では、江國香織さん、中川晃教さんとの素晴らしい出会いがあり、とても魅力的な作品になったと思います」と思いが語られた。
<ミケランジェロと理想の身体>展は国立西洋美術館にて9月24日まで開催。「MICHELANGELO」も収録されたソノダオーケストラのメジャー・デビュー・アルバム『MICHELANGELO』は、本日6月20日にリリースされる。
ソノダオーケストラ メジャーデビューアルバム『MICHELANGELO』(ミケランジェロ)
HUCD-10256 ¥2,000(税込)
1. MICHELANGELO 園田涼(※《ダヴィデ=アポロ》イメージソング)
2. 幻想即興曲 フレデリック・ショパン
3. だったん人の踊り アレクサンドル・ボロディン
4. ゴリウォーグのケークウォーク クロード・ドビュッシー
5. いつか、だれかに 園田涼(※「ONODERA GROUP」CMソング )
6. nationalism 園田涼
7. 行かなくちゃ 園田涼
8. MICHELANGELO (Vocal ver.) 作曲:園田涼/作詞:江國香織/歌:中川晃教(※《ダヴィデ=アポロ》イメージソング )
ソノダオーケストラ メンバー:
Pf/Syn 園田涼, Fl 石井希衣, Ob 副田真之介, Sax Juny-a, Hr 稲田枝里子, Tp 山崎千裕, Vn 島田光理, 大槻桃斗, Va 三田悠, Vc 大浦萌, G 赤股賢二郎, B 小林修己, Dr 山内陽一朗
Additional musicians:
Vo 中川晃教(「MICHELANGELO」), fl 上田章代(M2,6,7), Va 大辻ひろの(M2,6,7), Cb 橋爪裕貴(M1,8)
<ミケランジェロと理想の身体>
会場:東京・国立西洋美術館
詳細:http://michelangelo2018.jp/
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