【舞台裏トーク】<SATANIC CARNIVAL>DJ SABO、「ラジオとしてキーチェンできてるなって思います」
実は、サタニック随一の出演時間を誇るDJ SABO。彼の名前は知らなくても、ブースエリアでひたすら喋って踊っている変質者まがいの人物は見覚えがあるだろう。今回、そんな彼をサタニック2日目のバックヤードで捕獲。運営本部の片隅で話を聞いてみた。DJ SABOとは、キーチェンメンとは。正直、読んでも読まなくてもいいです。
◆DJ SABO 画像
■歯ブラシと歯磨き粉がキーチェンして
■初めて歯を磨ける
──昨日は<SATANIC CARNIVAL>初日、お疲れ様でした。
DJ SABO:ありがとうございます。お疲れ様でした。
──30分4セットという長丁場でしたが、まずは感想をお願いします。
DJ SABO:えーとですね、そうですね、4セットやらせていただいて、僕の記憶の中では6セットやったような気持ちもあるし、よく考えてみると1セットしかやってないような気持ちもあるし、昨日のことは本当に一瞬の出来事だったなと思ってます。
──昨日のSABOちゃん的なハイライトは?
DJ SABO:昨日、自分が何をやったのかほぼほぼ覚えていないっていうのが正直なところで。だから多分、ハイライトっていうのは僕が決めることではなくて、昨日あの場で聴いてくれた人が決めてくれたハイライトが僕のハイライトにもなるのかなと。
──なるほどね。基本的な話として、みんな「これって一体なんなんだろう?」って思いながら毎年眺めてると思うんだけど。
DJ SABO:その疑問に対しては明確に答えがありまして。観る側が「なんだこれ?」っていう気持ちでいる感じはこっちにも伝わってくるんですけど、自信を持って言えるのは、君たちよりも僕のほうが「なんだこれ?」だと。「俺は誰だ?」「ここはどこだ?」「本当に地球か?」「夢か? 現実か?」と毎年思いながら4年間生きています。
──回を重ねていくにつれて、反応って変わってきたりするの?
DJ SABO:正直な話、年々反応してくれてるなっていうのは目と耳で感じますね。目には、目の前のリスナーの方々が徐々に増えてるように映っているし、耳には「SABOさん、面白かったです!」っていう声が何人もの人から届けられるので、「あ、これがアーティストさんがいつも味わってる気持ちいいヤツだ」って感じてますね。
──でも、人は集まってるけど、盛り上がってるというよりは、ただただステージを見つめてるって感じで、あの光景が異様だなと。
DJ SABO:そこがラジオなのかな、と。ラジオを聞いてるときに盛り上がるってあまりないことじゃないですか。
──たしかに。
DJ SABO:一人で聞いてても、複数人で聞いてても、ラジオは耳だけで情報を得るものだから、お互いに喋ったり、騒いだりすると、聞こえてくるものも聞こえなくなる。なので、そこはじーっと聞いてもらうっていうスタイルは、ラジオとしてキーチェンできてるなって思いますね。
──そのわりにはSABOちゃん、めちゃ暴れるよね。
DJ SABO:あ……そうですよね。あれは……そうですねぇ……あのぉ……体が勝手に動いてしまうというか……動いてるつもりは一切ないんですけど。
──そうなんだ。
DJ SABO:みんな、「ラジオなのになんで踊るの?」とか言うんですけど、じゃあみなさん、普段ラジオを聞いてるときに、ラジオのパーソナリティが全く動いてないってなんで言い切れるんですか?と。音楽が流れていて、マイクがオフになってるときに、パーソナリティがノリノリで踊ってるっていうことを想像できないあなたは、まだまだラジオをわかってない。
──なかなか小賢しいことを言うね。
DJ SABO:そうですよねえ。僕も今ちょっと言い過ぎたなと思いました。いや、でも、「グッドモーニング・ベトナム」っていう映画がありまして、僕はそこからの影響も大きいんですよ。ロビン・ウィリアムズさんの演じたパーソナリティの「グーッモーニン、ベトナーム!」って言葉にインスパイアされて、僕も毎年「グーッモーニン、サタニックー!」って毎年冒頭に必ず言うようにしてるんです。ただ、そのシャウトをした瞬間に声が枯れるっていう。
──ノド弱いんだね。
DJ SABO:声帯の細さはちんこの細さ。これも間違いなくキーチェンしてることだと、我が身をもって実感してます。
──今さらな質問だけど、“キーチェン”って何?
DJ SABO:キーチェンとは……これはあまりに幅広すぎて、パッと説明するのは難しいんですけど、簡単に言うと「つながり」です。チェーンとチェーンがつながってる形を指で表して「キーチェン」ってやってますけど、人と人とのつながりはもちろん、それ以外の全てがつながってるというか。歯ブラシと歯磨き粉がキーチェンして初めて歯を磨けるし、靴紐を結んで初めて足と靴がキーチェンするし、歩くときも地面とキーチェンして、外に出たら空とキーチェンして、太陽とキーチェンして、人とキーチェンして……っていう、全てをひっくるめてキーチェンっていう解釈です。
──妙に説得力あるから腹立つね。
DJ SABO:ですよね。なぜかというと、このくだりはある程度練習してます。
──なるほど(笑)。
DJ SABO:ちなみに、この“キーチェンメン”っていうキャッチフレーズの生みの親はカメラマンの中河原理英です。
──ああ、そうなんだ。
DJ SABO:彼と一緒にC-BOYZっていうスケートチームの一員としてやってるなかで、最初は挨拶として「ドッグス、メーン」っていうのをやってたんですけど、ある日アイツが急に「キーチェン、メン」って言い始めて。
──語源は?
DJ SABO:PCか銀行のATMか、そのへんはうろ覚えなんですけど、何かの操作の途中で、「OKでいいですか?」って言葉が出るべきところを、「これでキーチェンしますか?」って出たらしいんです。それを理英が「キーチェンってなんやねん!」って思って、そのワードがずっと頭に残ってたらしくて。で、「キーチェンメン」って。
──わかりました。では、これまでサタニックでラジオブースを遠巻きに通り過ぎていった人たちに誘いの言葉を。
DJ SABO:そうですね……DJ SABOを左側にして通り過ぎるときは、左の耳だけキーチェンしてくれたら幸いだし、右側にして通り過ぎるときは右耳だけキーチェンしてくれたらいいと思うし、それから徐々に両耳でキーチェンしてもらえたら、何か新しい世界が広がるとか、広がらないとか、それは皆さんの心のキーチェンで判断していただければこれ幸いかと思うメン。
──急に?(笑)
DJ SABO:あの……僕の最大の弱点なんですけど、キャラ設定がいまだにできてないです。
──わかりました。では、最後に熱心なリスナーの皆さんにメッセージを。
DJ SABO:「飛ばない電波は電源の入らない電マだ」っていう言葉を、自分のなかで問うてもらって、音楽も言葉も自由だと思うんで、みんな、心とキーチェンして、目とキーチェンして、耳とキーチェンして、口とキーチェンして、パンストとキーチェンして、風船とキーチェンして、とにかく、キーチェンメン。
──はい。ありがとうございました。
取材・文◎阿刀“DA”大志
撮影◎岸田哲平
■<SATANIC CARNIVAL'18>
6月17日(日) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール
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