【ライブレポート】赤西仁、生バンドと融合した<“JINDEPENDENCE” TOUR>

ポスト

赤西仁が、東名阪ライブハウスツアー<JIN AKANISHI “JINDEPENDENCE” TOUR 2018>を締めくくる東京・Zepp Tokyo公演を5月23日、24日に開催した。

◆赤西仁 ライブ画像(全6枚)

2月から3月にかけて行なった全国ツアー<JIN AKANISHI LIVE TOUR 2018 “Blessèd”>を終えた直後であるにもかかわらず、早くも2018年2度目のツアーに臨んだ赤西。今回は約4年ぶりのライブハウスツアーとして7公演が予定されていたが、ライブハウスとして日本最大級のキャパシティを誇る各会場は即ソールドアウト。「チケットが取れない」というファンの声に応えた追加公演ももちろんソールドアウトし、まさにプレミアムチケット争奪戦のツアーとなった。

ここでは、23日公演の模様をお届けする。

  ◆  ◆  ◆

ライブハウスツアーと聞いたとき、まず気になったのはどんな演出を取り入れるのか、だった。ホールやアリーナ公演とは違い、大掛かりな舞台装置は恐らく使われないだろうと思ったからだ。会場に入るとステージの前面には白い紗幕が張られていて、その後ろに何が隠されているかを確認することはできない。紗幕に投影されたゆらゆらと揺れるツアーロゴをながめながら開演を待った。

ふと気づくと、先ほどまで動いていたロゴが紗幕の中心で止まっている。会場に流れるBGMが大きくなり、ロゴが画面いっぱいに広がってパッと消えると、手拍子を煽るようにドラムのキック音が鳴り出した。ストロボが点滅し、マイクを持った赤西のシルエットが浮かび、幕が落ちる。生バンドを背にして立つ彼の姿がそこにあった。


白のビッグTシャツにダメージデニム、前髪をサイドに流し、オーバル型のサングラスをかけたラフなファッションの赤西は、4人のバンドメンバー(G、B、Key&G、Dr)とともに「We The Party」でライブをスタート。バンドアレンジされた楽曲が次々と繰り広げられるなか、イントロが鳴っただけで悲鳴にも近い声が上がったのは、独立前に発表された「Care」と「ムラサキ」だった。今回のセットリストは日本語の歌詞をメインにした楽曲も多かったこともポイントのひとつで、この2曲も日本語詞だ。「ムラサキ」について赤西は「僕が1番嫌いな曲です」なんて紹介をしていたが、ひねくれた言葉からは愛を感じたし、生演奏の力も加わったことで曲に込められた想いがより強く心に響いてきた。

後半に設けられたバラードコーナーの1曲目「Mrs. Right」は、赤西が弾くアコースティックギターとバンドメンバーによるギター2本で演奏が行なわれた。緊張から、自分の音を小さめに出してほしいとスタッフに冗談っぽく指示していたが演奏に入れば真剣そのもの。バンド形態でのライブについて、「やってみたかった」と理由を語っていたが、さらなる進化を目の当たりにできたことが嬉しかった。

照明についても触れておきたい。前回のツアーは照明演出がメインだったが、今回は楽曲に寄り添っているという印象が強かった。「今日雨だけど」という一言を挟んだ「Summer Kinda Love」では、黄色やオレンジ色のレーザーが場内に飛び交いまるでひまわりが咲いたようで、サビの振り付けがかわいらしい「Lucky」では虹のようにカラフルな光を放つなど、細やかな演出で楽しませてくれた。重点を置いたセクションがライブを観るたびに変わっていること。彼のライブをいつ観ても新鮮な理由はきっとこれなのだろう。

毎度和やかなムードで繰り広げられるMCコーナーでは、スタンディング形式であることから「協力し合いながら楽しんで」とアナウンス。「今日暑いね。これちょっとやばいわ」と、舞台袖にいるスタッフに空調の温度を下げてほしいと伝えるやりとりも、ステージの中央から舞台袖までの距離が近いからできることで、これもライブハウスならではといったほほえましい光景だった。また、この日のライブが7月21日にスカパー!で放送されること、「明日(5月24日)情報を解禁します」という新情報解禁予告の解禁、新曲を7曲作り終えたことなど、様々な発表のあとには、その7曲の新曲のなかから2曲が披露される場面もあった。


終盤「Mi Amor」を歌い終えると赤西は走ってステージ袖に消え、ここからドラムソロへ。ベースとギターも加わりバンド全体のセッションを経たタイミングで、ツアーTシャツの上にざっくりとしたメッシュのカットソーを重ね、ヘアクリップで髪を無造作にまとめた赤西が再登場した。アップテンポのナンバー「Fill Me Up」からラストの曲「Summer Loving」へと繋ぎライブはフィナーレ。赤西は繰り返し耳に手を当てて歓声を欲しがり、満足した表情で深くお辞儀をして軽く手を振りステージを去っていった。

“物足りない”と感じた状態で帰ってもらうために構成したというこのライブでは全20曲が披露された。決して少ないわけではない曲数だが「もっと聴きたかった」と声を上げていた人が多く、たしかにもっと聴きたかったなと振り返りながらこのレポートを書き上げた。これはきっと先ほど記したとおりで、彼が常に新鮮なステージを私たちに提供してくれるからなのだと思う。次のライブは、ツアーはいつになるだろうか。その日を楽しみに待ちたい。


取材・文◎高橋ひとみ(BARKS)
撮影◎田中聖太郎

※原稿:5月23日公演
※写真:5月24日公演

セットリスト(5月23日)

1.We The Party
2.Miss California
3.Eat Ya Heart Out
4.Good or Bad
5.Feel
6.Let Me Talk U
7.Care
8.アイナルホウエ
9.Summer Kinda Love
10.Lucky
11.新曲1「Candy Flaver Girl」(仮タイトル)
12.新曲2「Feelin’」(仮タイトル)
13.Mrs. Right
14.Baby
15.Thoughts
16.ムラサキ
17.Mi Amor
18.Dayum
19.Fill Me Up
20.Summer Loving

この記事をポスト

この記事の関連情報