【インタビュー】OLDCODEX、2人の創作性が“噛み合う”デジタルシングル「One Side」
劇場版「SERVAMP-サーヴァンプ-」-Alice in the Garden-の主題歌に起用されたOLDCODEX初のデジタルシングル「One Side」が4月7日より配信される。今回のインタビューではOLDCODEXの2人が初のアリーナツアーや様々なライブを通していっそう絆を強めたという昨年を振り返りつつ、現在2018年の状況についてたっぷり語ってもらった。
◆OLDCODEX 画像
ヴォーカリストとペインターという形態からして異色の彼らは、アニソンやラウドロックというジャンルの枠すらも飛び超えて今やフェスにひっぱりだこの存在となった。道なき道を切り開いてきた2人の、変わることのない佇まいとアティテュードをインタビューから感じてほしい。
■人間に例えるなら骨が強くなった。そういう1年を集約したアリーナツアーだった(Ta_2)
■毎回結成して解散してるっていうか、すごく刹那的に戦ってる。それっていちばん美しい。(YORKE.)
——まず、2017年のツアーを振り返ってOLDCODEXが感じたことについて聞かせてください。初のアリーナツアーでは「ここが1つの区切りだと思ってる」とMCで言っていましたよね。
Ta_2:2017年はライブをたくさんやらせてもらった1年で、OLDCODEXのワンマンのツアー以外にもフェスだったり、世界中を廻っているバンド、Hoobastankと3マンで東名阪ライブをしたこともすごく刺激になって、OLDCODEXを人間に例えるなら骨が強くなったなって。そういう1年を集約したのがアリーナツアーだったと思います。「俺たちってこういうバンドだよな」っていう共通概念がバンドのメンバーを含む5人の中に生まれたし、それがいい意味での区切りかなって。
——OLDCODEXの中で共有した概念とは?
Ta_2:プレイしている最中、YORKE.と目配せするだけでお互いにやりたいことがわかったり、ステージに5人で立っていると自然と笑顔になっちゃうことだったり。そういう空気にならないと俺が望むOLDCODEXじゃないなって。言葉にするとチープかもしれないけど、実はすごく大事なことで、去年のツアーはいちばんメンバーと話したんじゃないかな。ライブが終わって2次会まで行くと最終的に俺の部屋で5人で飲んだりとか。
——部屋飲みに突入するっていう?
Ta_2:そう。5人だけで「こんなことしたいね」、「あんなことやってみたいね」、「俺はこうしたい」ってずーっと音楽の話してて。いろんなところで言ってることだけど、YORKE.のいちばんのファンは俺だと思ってて。でも、バンドのメンバーに対しても同じように思ってるんだなって。
YORKE.:部屋飲みするとTa_2は最初にぶっ倒れるんだけどね(笑)。
Ta_2:そう、そう。先につぶれちゃって。
YORKE.:「俺の部屋、行こうぜ」って言ったのにいちばん先に寝ちゃうみたいな(笑)。上海にも行ったけど、海外のホテルの部屋って日本より広いんですよ。なのにTa_2はベッドで寝てなくて。
Ta_2:そう、そう。床で寝ちゃって(笑)。
——せっかく広い部屋なのに?
YORKE.:もったいないねっていう。
Ta_2:結局、去年イベントで上海に行ったときは1回もベッドで寝てなかった(笑)。
——ははは。よりコミュニケーションがぎゅっととれた1年だったんですね。
Ta_2:だから、自分1人で取材受けたり、外に出ていった時に音楽ユニットって言われると「バンドです」って即座に訂正するようになったし、そういうプライドを持てるようになったのも2017年のツアーのおかげかなって。
YORKE.:俺はユニットでもグループでも第3者からの呼ばれ方は何でもよくて、やっていることが全てだと思ってるんだけど、立ち位置を含めて今の5人が揃った時のバランスがすごくいいし、全体の責任をとるところに俺たち2人が立っている感じが居心地がいい。Ta_2がいいムードを作ってくれてるから、みんなが一緒にやってくれてるんだなって思うしね。2017年に感じたことはOLDCODEXって毎回、結成して解散してるっていうか、すごく刹那的に戦ってるなって。それっていちばん美しいなって。
——ワンパッケージのツアーが、ということですか?
YORKE.:1本1本のライブが。Zeppのライブで結成して、終わったらそれぞれが自分のフィールドに戻っていくっていう。だけど、俺はOLDCODEXとしてTa_2と結びついていてバンドだと思ってやっているし、ずっとそうやってやってきたから。で、アリーナツアーが終わった後でTa_2と話したのは「もう1回戻ってこよう」って。
——またアリーナクラスの会場でやろうと?
YORKE.:そう。そういうことを話したりすると「バンドだな」って思うよね。口に出さなくても共有している感情があるから「もう1回やろう」って言うだけで完結なんですよ。初めて日本武道館に立った時(2015年)もそうだったな。「もう1回やろう」って。
Ta_2:そうだね。
YORKE.:2回目で「ようやく楽しめたね」って感じだったから。
——横浜アリーナの後も初武道館と似た感情になったんですか?
YORKE.:似ているような似てないような。切り取り方次第では「ハッピーだったね」で終われるけど、違う側面から見たらもっとやれることがあったし、もっと席を埋められるって。俺たちがいちばん悔しかったのはそこですよね。「まだ行けるだろ?」っていう。Ta_2と話した時に気合入った顔しているのが嬉しかったし、俺も同じ気持ちだったし、表現の仕方は違うけど腹に抱えているものは一緒で「もう1回手を繋ごうぜ」っていうね。
——それも<OLDCODEX Tour 2017 "they go, Where?">と題してハテナを掲げて廻ったツアーで見つけたものだった?
YORKE.:ハテナは掲げてはみたけど、まだまだわからないことはいっぱいある。ただ気合が入ったよね。
▲「One Side」ジャケット |
Ta_2:原作の中の一部のストーリーを独立させて映画にしているから、そこも加味した上で曲が作れたらいいなとは思っていましたね。と同時に「Deal with」(TVアニメ『SERVAMP-サーヴァンプ-』オープニング主題歌)で出し切れなかったものをこの曲に埋めこみたいなというのもあって、ダークな雰囲気だったり、吸血鬼が日常の中に入り込んできて、主人公たちの生活が変わるとか、侵食されるとか、感染するっていうのをイメージして。
YORKE.:Ta_2、昔から感染とか好きだよね(笑)。
Ta_2:大好き(笑)。そういう感じをうまく表現できたらいいなっていうのとスクリーモバンドとしての荒々しさだけを表現するのではなく、スクリーモにはメロディの心地よさもあるんだよって考えて作った曲ですね。
——前半はソリッドでエモーショナルなメロディなんだけど、中盤は叫び倒しててキテますよね。
YORKE.:確かにキテるよね。
——熱が渦巻いているというか、もがいている感じが強烈に伝わってきます。
Ta_2:そう、そう。衝動を昇華できなかったというか、まだ叫び足りない、吐き出しきれてないというのがあるから、その熱を維持した状態でもっともっと先に行きたいっていう。本来、スクリームするってそういうことなのかなって。わめいて叫んでスッキリして終わりじゃなくて、自分のエネルギーは尽きないから、例えて言ったら慰めようとしたその手をいつでも振り払えるみたいな。言葉にすると情緒不安定な感じになるけど。
YORKE.:間違いない。アブないヤツだよね。
Ta_2:そう。でも、そういう側面があるのが本来のスクリーモロックだと思う。だって、メロディが綺麗な曲で途中でいきなりシャウトするって正気の沙汰じゃないと思うし。だから、そこに着目して曲は作っていった。しかも、それは『SERVAMP-サーヴァンプ-』が持っている2面性にも通じるんだよね。内面の吐露だったり、主人公たちが力にのまれやすいことも含めて。
——なるほど。ギター、ベース、ドラムについても細かくリクエストしたんですか?
Ta_2:そこはアレンジャーの小山くんとレコーディングに入る前に綿密に話をしましたね。3人に共通して伝えたのは綺麗にまとまった大人の音楽じゃなくて、振り切れて暴れ倒す曲にしたいっていうことかな。
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