【連載】山岸賢介(ウラニーノ)[vol.13]「バズってしまったバンドマンのリアルすぎる本音」
あけましておめでとうございます!BARKS様本年もよろしくお願いします。不定期にもほどがある不定期のコラムを毎度掲載していただきありがとうございます!
さて、2018年。ゆるく活動しているように見えるウラニーノも、結成16年とか17年とかになるんでしょうか?このへんがはっきりしてないあたりがそもそもゆるいのですが、こう見えて毎年「今年の目標」をちゃんと立てているんです。たとえばこれまでの「今年の目標」を振り返りますと、20代半ばのガツガツしたインディーズ時代になぜか「現状維持」という目標を宣言し、所属事務所の社長が「現状維持じゃ会社的に困るのよ!」とご最もな悲鳴を上げたことがありました。ちなみにその年ウラニーノはセールス的にも動員的にも見事な平行線を見せ、ほぼその目標を達成いたしました。誰も幸せにならない有言実行。また30歳になった年には、「社交的になる」という目標を宣言しました。もはやバンドどうとかではなく完全にパーソナルな問題ですね。結果は、急なキャラ変に自分も周りも戸惑い、ただブレただけという印象を残し1年間かけて失敗しました。
さぁ、そして今年の目標です。実はですね。昨年、ウラニーノの影のプロデューサーと言っても過言ではない実の姉と飲んだ際に、すごいことを言われたんです。「君は自己アピールの下手なただのいい人だ」と。枕を濡らしましたね。確かに「おれがおれが」なキャラではありませんし、誰かに噛み付いて炎上させるお騒がせキャラでもありません。けど、けど、そこまで言わなくても…!!そこで私は今年の目標を決めました。目指すところはただ一つ。ズバリ「自己アピールのうまいただの嫌なやつ」になります!そもそも最近のバンドマンはMCでもSNSでもいいこと言いすぎなんじゃ!ちょっといいことやエモいこと言って「いいね」の数を稼いで満足しているようなバンドマンには、おれはならない!おれは自己アピールのうまいただの嫌なやつになるのだ!…ラジオのレギュラー番組で電波を使ってそう宣言してから1週間後のことでした。ちょっと「いいこと」をつぶやいた私のツイートがバズってしまったのは。24,000の「いいね」。なんでしょう、このやってしまった感。非常に気まずいです。秒単位で増え続ける「いいね」の数が、まさに自分の発言のブーメランとなってグサグサとささります。とりあえずSNSマーケティングに強い姉に連絡をして、「あの…バズっちゃったんですけどどうしたらいいですか?」と指示を仰いだ私は、紛れもなく自己アピールの下手なただのいい人でした。
24,000かぁ。100人に1人でいいからライブに来てくれたら。下北のあのライブハウスでソールド出して、チケット代3,000円として○%のチャージバックでギャランティーが…。思わず電卓を片手に「捕らぬ動員の皮算用」をする、バズってしまったバンドマンのリアルすぎる本音でした。
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