【連載】山岸賢介(ウラニーノ)[vol.11]「伝説の名MC」

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お久しぶりですBARKS。あまりの更新頻度の遅さに、さすがに打ち切られたろうとの憶測が飛び交い、気を使われてもはや私の周りでは「BARKS」が禁句になりつつありました。久しぶりすぎて書いている今もこれが本当に更新されるのかわかりません。もう気分はユーチューバーです。「BARKSに原稿送ってみた」

さて、もう当初の設定忘れましたが、なんとなく「バンドマンが書かなそうなバンドマン事情」くらいのざっくりなコラムだったと思います(テキトー…)今回はバンドマンのライブMCについて書こうと思いますよ。MCって大事ですよね。世には「語り継がれる伝説の名MC」みたいのがありますよね。ヒムロックの「ライブハウス武道館へようこそ」とか、NUMBER GIRLのラストライブの向井さんのMCとか。そういうのはよそでもたくさん記事あるでしょうから、ここでは私が実際に過去に現地で採取した、ちょっと変わった視点の名MCをご紹介しましょう。

ケース1 「煽り上手?なTOSHI」
まず大学のサークルで見た、X Japanのコピーバンド。大学の会議室にビールケースで無理やり作ったステージという、もうシチュエーションだけでX Japanにはアウェイ間違いなしの過酷な環境で、彼らはストイックに高い演奏技術を披露しておりました。客席はステージ最前2列くらいに同じサークルの同輩たちがギュッと集まり、その後方はサッカーで言えばオフサイド間違いなしの広大なスペースが空き、壁沿いに他サークルの連中が腕組みをしてライブを見守るという、前方と後方でかなりの温度差があるライブでございました。私もご多分に漏れず、壁際でライブハウスのギョーカイ人ばりに腕を組んで見ておりました。やってまいりましたMCタイム。TOSHIというよりは往年の東海林のり子をコピーしてしまったようなボーカルが客を煽ります。「お前ら!飛べ!!」。大いに盛り上がるステージ前。若干気まずそうに視線をそらす後列。その時、この東海林のり子が果敢にも後方の我々に呼びかけてきたのです。

「後ろのお前たち!!…よかったら飛べ」

強烈な一言でございました。攻撃的なキャラをなんとかキープしつつも隠しきれない「いい人」感!!「よかったら」って。私が飛んだのは言うまでもありません。


ケース2 「若手バンドのオープニング」
続いてです。ライブハウスに行かれる方ならよくご存知と思いますが、ちょっとイメージしてみてください。ロックバンドの始まり方の王道中の王道です。SEをぶった切ってドラムの「タカドン!」を合図に楽器隊が一斉にジャーン!そしてボーカルが「どうもこんばんは◯◯(バンド名)です!!最後までよろしく!」で、1曲目に入る。もう、「あるある」と言ってもいいド定番でございます。どこにでもあるこのオープニングでまさかの意表をつき、私のハートを持って行ったバンドがかつておりました。確か地方で対バンした若い地元バンド。ライブ2回目とか言ってました。緊張していたんでしょうね。SEに乗ってメンバー登場。楽器を持ちスタンバイOK。タカドン!ジャーン!!

「お疲れ様です〇〇です!最後までよろしく!」

客への第一声、まさかの「お疲れ様です」。バイトか!私は思わず客席で拳を上げましたね。非常に微笑ましく、心があったまりました。がんばれ!

まだまだありますが、今回はここらへんにしておきます。次回をどうぞお楽しみに。

ところで、このコラムを読んでくださったあなた。実は私、SNS全盛のこの時代に逆行するがごとく、毎日ブログを書いています。昨年10月に「毎日更新」を宣言して以来、なんと1日も欠かさず更新をしています。バンドマンのブログにまれにありがちなマニアックな音源紹介や決死のライブ告知、自己陶酔系の病んでるアピールなどは一切ございません!このコラムと同じテイストですので、よかったらのぞいてみてくださいね。

http://uranino.com/archives/category/yamagishiblog

だったらBARKS書く時間もあったろうにと思いますよね?私も思います!ではまた近いうちに!

◆【連載】山岸賢介(ウラニーノ)「ツアーメン~バイトのシフトに入れない~」まとめページ
◆ウラニーノ・オフィシャルサイト
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