【インタビュー】rem time rem time、Jun Gray Records第四弾の深遠な味わい「『エピソード』って名のとおり」
■エモや激情ハードコアの影響が濃いから
■そもそも普通の曲にはならないんです
──その後、大房さん、田中さん、福田さんはどんなタイミング、どういうつながりでバンドに加わったんですか?
大房:3人の中では僕が最初で、結成年の10月に入りました。その2ヵ月前に『八王子NOW』という八王子のバンドが集まったコンピレーションアルバムが出たんですけど、その前からrem time rem timeのことが好きで、ライヴをよく見にいっていたんですよ。そのコンピが出た頃からツアーを一緒に回ったり、一緒に飲んだりっていう機会が段々増えてきて、ツアー中だったんですけど、rem time rem timeのドラムが抜けるから「やらない?」と誘われて、二つ返事で「やります」って入ることになりました。はっちさんに関しては、俺が高校生の頃から出ている八王子のライヴハウスMatch Voxのブッカーだったので、お世話になっていたっていうのもあったし。ただ、うり坊さん(鈴木)のことはずっと知らなくて(笑)。
鈴木:俺はライヴハウスにほとんど出ていなかったんで、はっちとは親友で、対バンもしてたけどシーンは全然別って言うか。
初鹿:人見知りだしね(笑)。
大房:この人は誰なんだろう?って。でも、飲んだらメチャメチャ話せる人で。
▲鈴木嵩明(G) |
──そして、田中さんが2017年10月に加わった、と。
鈴木:(田中)友彬も元々、はっちと同僚と言うか。
田中:一緒にMatch Voxで働いていたんです。
初鹿:PAと照明を担当していたんですよ。
鈴木:前のベースが抜けるタイミングで誘ってって感じですね。
大房:今のメンバーは八王子で一緒にやってきた、すごく仲良かった人達が集まっているんです。
──そこが大事だったんですか?
鈴木:そうなんですよ。メンバーが亡くなるって、けっこう重いじゃないですか。香森のことも知っていて、俺達の状況もわかっている人じゃないと、一緒にバンドはできないって、福田君と友彬を誘ったんです。
──福田さんと田中さんは、助けてあげなきゃと言うか、力を貸さなきゃという気持ちもあったわけですか?
田中:そうですね。
福田:最初はサポートだけのつもりだったんですけど、いろいろやってきた中で「メンバーとしてやってほしい」って言ってもらえたのがうれしかったっていうのもあるし、自分も彼らのために何かしたいっていうのもあったし。
▲福田昌義(G) |
田中:完全にバラバラですよ。
大房:僕はJ-POPのバンドばかり聴いてました。
初鹿:ラウドのバンドやってたじゃん?
大房:それは、その時たまたま好きだったんですよ。
鈴木:ダカダカダカって(笑)。
大房:いいんですよ、それは(照)。
初鹿:高校生の時だっけ?
大房:いや、違います違います。専門学生の時に。
鈴木:いいじゃん。好きなら好きって言えば(笑)。
大房:いや、今考えるとなんでやってたんだろうって思うから(笑)。元々、Mr. Childrenとか、スピッツとか、サザンオールスターズとか、親が聴いていた影響でずっと好きだったんですけど、高校生になったときにバンドっていうものを意識するようになって、the band apartとか、UNCHAINとか、WRONG SCALEとか、そっちに走って。rem time rem timeの前にやっていたバンドは電子楽器を使っていたんですよ。その影響でエレクトリックパンクって言うんですかね。80kidz とか、DE DE MOUSEとかも聴き始めてからのrem timerem timeなんです。
──田中さんは?
田中:中学でバンドを始めたんですけど、その時はメロコアでしたね。NICOTINE、Hi-STANDARDが好きでした。20歳になった頃からアメリカのハードロックも聴きはじめて。ボン・ジョヴィとか、ニッケルバックとか。フー・ファイターズも好きでした。そこらへんから幅広く聴くようになりました。
福田:僕も最初はメロコアでした。Hi-STANDARDがめちゃめちゃ好きでした。そこからラウド……スリップノットとか、KORNとか、超好きな時代があって、そこからさらにポストロックっていうジャンルに出会ったとき、こういう音楽があるんだって。それこそビョークとか、レディオヘッドとか。元々、J-POPって言うか、歌ものも好きだったんで、歌ものの中に、そういうジャンルを取り込んだらおもしろいんじゃないかと思うようになりました。今はうり坊ちゃんと一緒で、カッコいいと思ったらどんなジャンルでも、たとえそれがアイドルでも聴きます。
鈴木:アイドル、今、カッコいいもんね。
──そういうメンバーそれぞれの幅広いバックグラウンドは、今、曲やバンドサウンドを作るうえで役に立っていますか?
鈴木:それはかなりありますね。エモや激情ハードコアの影響が濃いから、そもそも普通の曲にはならないんですけど、そこにさらに、各々のバックグラウンドが反映されて、よりおもしろいものになっているっていうのはあると思います。
──曲作りはどんなふうに?
初鹿:大体、うり坊か私がフレーズを持ってきて、そこから楽器陣が広げて、それに私がメロディーをつけるってやり方が多いですね。
──3人はどんなことを考えながら、2人が持ってきたアイディアを広げていくんですか?
鈴木:それ聞きたいです(笑)。
大房:俺、オケに対して足しちゃう人間なんですよ、アプローチ的に。このバンドに入ってから引き算を教えてもらいました(笑)。そのうえで、自分のバックグラウンドからこういうフレーズがあるって、引きつつ足しつつ繰り返してってみたいなことが多いです。
鈴木:元々ピコピコ系だから足しちゃうクセがあるって言うか。
大房:前のバンドでは4つ打ちのうえに、さらに足していく作業が多かったので。逆に今はずっと引き算です(笑)。
田中:俺は極力、歌の邪魔にならないようにすることがこのバンドでは大切かなって。あとは、ベースなんで、リズムとメロディーをつなぐ役目だと思って、そこをうまいことやるように意識しています。
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