【インタビュー】vistlip 智×海、“魂削って作った”シングル2作品

ポスト

11月より3カ月連続でリリースを続けているvistlip。

◆ミュージックビデオ

11月8日にシングル「It」をリリース、続いて明日12月6日にシングル「Timer」を発売。そして来年1月にはライヴDVD『Guns of Liberty 2017.07.07@ZEPP TOKYO』のリリースが決定している。今回BARKSではvistlipのボーカリスト・智と、ギタリストでありリーダーでもある海にインタビューを行い、最新の楽曲について語ってもらった。

  ◆  ◆  ◆

■ゴミみたいな自分を変えたいがために
■弱さや涙を隠せる仮面をつけて強いふりをしていく


――11月8日にシングル「It」、12月6日にシングル「Timer」、来年1月にはライヴDVD『Guns of Liberty 2017.07.07@ZEPP TOKYO』と3か月連続リリースされるわけですが、そこにはなにかしらの意図や想いがあるのでしょうか。

智(Vo):結構簡潔に話が終わっちゃうんですけど(笑)、僕以外のメンバー4人がいい曲を持ってきたからなんですよ。せっかくだから、最初はシングル1枚の予定だったところを2枚リリースしたいと言ったら…。

海(G):事務所側が、すげぇ軽い感じで「いいよ」ってね。おかげで、ディレクターは大変な想いをしていると思いますけど(笑)。

――しかし、瑠伊さん作曲の「It」、Tohyaさん作曲の「Persona」、Yuhさん作曲の「Timer」、海さん作曲の「LEVEL 1」と、どれも本当にいい曲。バランスもとれていますよね。

海:そう。各々勝手に作った結果、そうなったっていう。

――シングル「It」は“仮面”、シングル「Timer」は“愛”と、作品それぞれにテーマがあるように感じたんですが…。

智:そうですね、曲に導かれて、それぞれそういうテーマの歌詞になりました。


――まず「It」の表題曲に関しては、歌詞にヒーローの哀しさがにじんでいて。メロディアスで疾走感と高揚感あふれる楽曲にしてそうくるかというところが意外でありつつ、智さんらしいのかなと。

智:この歌詞を書こうっていうタイミングで頭を怪我して。瑠伊(B)とやっているユニット、Lillのインストアイベントに穴を開けちゃったんですけど、自分の代わりはいないんだっていうことを強く思ったらヒーローもそうだよなって自分の中で重なって。昔、瑠伊が書いた「Evil Rider」(2011年リリースのアルバム『ORDER MADE』に収録)と…。

――そういえば、「Evil Rider」では悪役の悲哀を描かれていました。

智:そう、それと対となるものにしようかなと思ったんです。

――「Evil Rider」でもまさかの角度から“悪役って実はこう思っているのかも”という描き方をしていましたが、「It」の“醜い素顔は自分だけが笑顔にできる”という一節にも、ハっとさせられます。

智:もしかしたらほら、ヒーローだってめちゃめちゃ金に汚いかもしれないし(笑)。

――ヒーローといえば、普段から正義感が強いイメージがあるようにも思いがちですけど。

智:いや、そんな人いないもん。絶対に闇の部分もあるはず。


▲智(Vo)

――そういう智さんの視点、海さんはどう見ているのでしょうか。

海:ある程度覚悟はしていたけど、だいぶ斜め上の視点だったな。ぶっ飛んでるなっていう(笑)。やっぱりね、智は普通の人と同じ場所に目がついていないと思うんですよ。

智:え、俺の目、ちょっと離れてる?

海:魚っぽい顔してるとか、そういうことじゃねぇよ(笑)! 逆に、普通の人が見えるものがまったく見えないことがあったりとか。智はおもしろい人ですよ。でも、「It」に関しては、俺みたいに平凡な目線しか持っていない人間が読んでもわかりやすく描いてあるなとは思う。

――同感です。だから、聴く人それぞれに気持ちが重なるところがあったり、背中を押してもらえたりもするでしょうし。一転、「Persona」の歌詞は、仮面の下のさらに奥深くの部分が描かれているかのようで、難解なようにも感じます。

海:確かに。

智:「Persona」で書こうと思ったのは、「It」の人物になるまで。仮面をつけるようになる理由までを掘り下げたかったんですよ。だから、最初は本当にゴミみたいな人間なんだけど、生きていくうちに大切なものが勝手に増えていってしまい、ゴミみたいな自分を変えたいがために弱さや涙を隠せる仮面をつけて強いふりをしていくっていう。

――歌詞にあるように“嘘で固め”たりもして。

智:人間、誰しもそういうところってあったりもするじゃないですか。


▲海(G)

――そうですね、“生きていく上では。”という歌詞は、死にたくなるくらいつらかったり、助けてほしいと思っている人にとって、救われるきっかけになるのではないかなとも思います。海さんは、Tohyaさんの曲、智さんの歌詞からなにを感じたのでしょうか。

海:「Persona」は、曲的にも歌詞的にも難しいですよ。ややこしい曲にややこしい歌詞がつくっていうパターン、最近多い気がする。前は、わかりやすい曲にはややこしい歌詞がついて、ややこしい曲にはわかりやすい歌詞がつくことが多かったんですけどね。楽器的には、Tohya(Dr)はドラマーだからかいつもギターを弾きづらい曲ばっか書いてくるんですが、この曲はなぜか弾きやすかったりします(笑)。ただ、歌は…ライヴでこんなの歌える?

――キーが高いし、ファルセットが多いですもんね。

智:うん、Bメロとサビが高い。

海:ファルセットなんかは、絶対バンドの音に埋もれちゃうもんね。でも、歌が出なくて成立する曲じゃないから…たぶん、ライヴではなかなかやらないかな(笑)。

智:ま、Tohyaはライヴでどうこうは考えず、作品として作るからね。

海:そうそう。Tohya感の強い曲です。

◆インタビュー(2)へ
この記事をポスト

この記事の関連情報