【インタビュー】人間椅子 鈴木研一が語る、郷土愛とこだわりの音詰めた新作『異次元からの咆哮』

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人間椅子の20thアルバム『異次元からの咆哮』が10月4日に発売されるにあたり、人間椅子へのインタビューを行った。いつものように訊き手はBARKS編集長、受け手は鈴木研一ということで、普通に始めると例によってすぐ雑談に突入してしまう。BARKS編集長は第一声で「無駄話にならないようにしたい」と釘を差したが、鈴木研一はひょうひょうとこう答えるのである。

「無駄話には本気が出るんだけど、そうじゃないときはなあ…。(インタビューは)和嶋くん任せなんだよね。僕にはあんまり言えること無いから」──鈴木研一

アルバムの半数もの作品作りとボーカルを担いながら、相変わらず一歩引いた立ち位置で彼は微笑む。っつーか、やっぱりこの人、はなから宣伝するつもりがないようだ。熱きロック魂を胸に秘めながら、朴訥とロック談義に興じる鈴木研一…困った人である。

  ◆  ◆  ◆

■人とは違うとこをいきたいな、と

──新作『異次元からの咆哮』は、ちょうど20枚目というキリの良い作品で。

鈴木研一:んー、20枚目ということよりも再来年が30周年だから「そこに向けてなんとかいいのを作ろう」っていう気合いはあったんですよね。

──30周年に向けて、すでに計画が?

鈴木研一:まだ案を出し合ってるくらい。考えてはいるけどメンバー間で意見が合わなくて。

──まだ準備期間が1年以上あるから、いろんなことができそうですね。

鈴木研一:でも時間はすぐ経つから、そろそろ決めようじゃないかって言ってるんだけど、なんかこう、人とは違うとこをいきたいな、と。

──作品作りやライブ以外のアイディアもあるんですか?

鈴木研一:ライブを演るにしても、どこで演るか考えてしまうんですよね。

──人間椅子フェスもいいですね。賛同してくれるバンドは海外にもたくさんいそうだし。

鈴木研一:そうっすよね、呼びたいバンドはいっぱいいます。

──ブラック・サバス、来て欲しい。

鈴木研一:ははは(笑)、そこまでだと非現実的になっちゃうけど、再結成してまだ演っているB級バンドがいっぱいいるから、そういう人たちと演りたいですよね。外国の夏フェスでトリがスウィートとスレイドで、すごい行きたいって思った。そんなのができたら最高です。

──人間椅子ファンにはディープでコアなリスナーも多いから、盛り上がりそうだ。

鈴木研一:やっぱりサバスがスタートになっているバンドって大体僕は好きで、サバスをルーツにした系統樹にいるバンドには、同類みたいな同じ仲間でいる親しみを感じるんですよ。一緒に演ったら観てる方も楽しいと思うんだけどな。

──もう、まるで動物園だ。

鈴木研一:動物園は雑多なのがいろいろいるから「爬虫類館」みたいな感じ。

──えと…すいません。アルバムの話をしましょう。

鈴木研一:曲は、結局家にこもって作るだけです。和嶋くんだったらキャンプに行ったりしてテントにこもって、もうひたすらギター弾いていっぱいリフを考えるだけなんですよね。いっぱい作ってその中からいいのを他の2人に聴かせて、反応がいいのを曲にするっていう作業。

──和嶋さんはわざわざテントを張って?

鈴木研一:そうですよ、気軽に持っていける旅行用ギターがあって、1人でテント張って寒かったり暑かったりする中で曲作ってるんですよ。

──変わっているなあ。

鈴木研一:昔、それで曲ができたらしいんですよね。毎回できるかっていうとそうでもなくて、雨にあたったり凄まじく寒くて指が動かなかったりで、意外とできないことも多いみたいなんだけど、和嶋くんはキャンプがすごく好きだから。そこでできたら最高ですよね、星空を見ながら。

──特別な環境に身を置くことで、日常にはないものが見えるでしょうね。

鈴木研一:家にずるずるいるだけよりも、1回外に出たおかげで違う脳みそになるような気がするんですよね。

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