【レポート】新山詩織、“秋の夜”の弾き語り公演に「いつもと違う心地よさ」

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新山詩織が9月2日、東京・EX THEATER ROPPONGIにて<PREMIUM弾き語りライブ「しおりだけ〜ひとり唄〜」>を開催した。同公演はそのタイトル通り、ファンからの要望も多い弾き語りワンマンライブとなるものだ。そのオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆新山詩織 画像

新山詩織ワンマンライブでのオール弾き語り形式は今回が初。そして、東京公演だけのプレミアムな一夜となった同ライブのコンセプトは“秋の夜”だ。これまでデビュー以来リリースしてきたシングルとアルバム収録曲の中からコンセプトに合わせながら、弾き語りだからこそ伝わる/伝えたい楽曲を本人がセレクトして構成された。

秋の夜を感じる虫の音がこの日のSE。タイトルを告げる新山の声とともにステージに登場したのは、アコースティックギターを抱えた新山詩織本人だ。1stアルバム収録曲「たんぽぽ」でスタートしたライブはアコースティックギター1本というシンプルさだからこそ、切なくも力強い声が真っ直ぐ心に突き刺さる。歌声とともに白いワンピースの裾が揺れ、弾き語りならではの息遣いが目に見えるようだ。

「ようこそ、<新山詩織PREMIUM弾き語りライブ>へ。今日はひとりだけのライブということで、いつもと違う心地よさを感じています。みなさんも友達の部屋で聴いているような感じで聴いてください」──新山詩織

2曲目の「シャボン玉みたいに」の後のMCでファンにこう言葉を贈った。さらに、「つながりを大事にしたい」というメッセージに続いて演奏されたのは、2016年リリースのアルバム収録曲である「糸」のカバー。美しいメロディーと詞を繊細に紡いでいくヴォーカルの存在感が際立って感じられる弾き語りアレンジが秀逸だ。会場全体がじんわりと温かい空気感に包まれ、次いで披露されたのはフジテレビ系月9ドラマ『ラヴソング』の劇中歌「恋の中」だった。同曲は作詞作曲を主演の福山雅治が手掛けたもの。新山自身、初のドラマ出演を通して広がった表現力が発揮されたナンバーとして響き渡った。

ステージ演出は“灯り”と“光”で、“秋の夜”が表現され、曲ごとに“秋の夜長を過ごす部屋の灯り”や“秋の清かな月明かり”、“星空のイメージ”が演出され、ライブ空間を鮮やかに彩っていた。


中盤になると、初挑戦として鍵盤での弾き語りも。「緊張する」と漏らした新山は柔らかな音色とともに「Hello」へ。アコースティックギターとはまた異なる弾き語りの魅力を提示した。歌の途中で会場のファンを促して一緒に歌う場面もライブならでは。そして、曲が終わるとステージにスクリーンが登場した。

「普段言えない言葉がある」という新山の語りから映し出された映像は、事前にオフィシャルサイトで募集していた“ファンのみんなが普段なかなか伝えられない大切な人への手紙や言葉”。そのメッセージが新山作詞作曲の「名前のない手紙」のBGMと共に映し出される。映像が終わると、黒のシンプルなワンピースに身を包んだ新山が登場した。演奏されたのは、先ほどメッセージとともに流れていた「名前のない手紙」だ。彼女がファンのみんなへ向けて書いた曲がファンの胸に染みていくようだ。


そこからカバーコーナーへ。「マゼンタ」(ハルカトミユキ)、「深夜高速」(フラワーカンパニーズ)と2曲を演奏した新山だが、歌唱前には「胸がぐつぐつ煮え立つような気持ちになる。静かに爆発するような感じが好き」と、楽曲との出会いを語っていた。カバーは、出逢った当時の思いを吐露するように静かに、しかし力強く響いた。そしてライブ終盤はシングル曲を中心に「絶対」「だからさ」「ゆれるユレル」で本編を締めくくった。

アンコールの声を受けて、スクリーンに9月6日リリースの新曲「さよなら私の恋心」のミュージックビデオが流れ、再びステージに登場するとサプライズが。

「ここでシークレットゲストをご紹介します。今回のミュージックビデオの監督を務めていただきました岩井俊二監督です」──新山詩織


まずは、新山にとって初体験となったワンカット撮影によるミュージックビデオ撮影時のエピソードなどのトークから。「さよなら私の恋心」はサウンドプロデューサーと楽曲提供にCharaを迎えた意欲作だ。新山曰く、Chara初体験が岩井俊二監督による1996年公開映画『スワロウテイル』だったとのこと。新曲ミュージックビデオは、「さよなら私の恋心」完成後に制作を岩井俊二監督にオファーしたもので、そのミュージックビデオ撮影現場で、新山から岩井監督に今回の共演を打診したという。そして、岩井氏とのセッションを実施。新山詩織がヴォーカルとアコースティックギター、岩井俊二はアコースティックギターを演奏して「さよなら私の恋心」が弾き語られる。まさにPREMIUMライブに相応しいメモリアルなゲストとのステージに、客席から大きな拍手が贈られた。

ライブは再び新山詩織ひとりの空間となり、シングル「さよなら私の恋心」カップリンング収録新曲「らくがきちょう」がライブ初披露された。疾走感あるナンバーに客席も熱が上がる。続けて、「歌うということ、今、自分が在りたい姿」について言葉を選びながら真摯に語った新山は、ファンやスタッフへの感謝の言葉を伝えてラストナンバーへ。初の弾き語りワンマンの締めくくりに選んだのは2ndアルバム収録バラードナンバー「きらきら」だった。満点の星空をイメージした照明が輝くなか、その歌声が秋の夜をゆるやかに染めていく。

アンコールの最後には2018年2月に開催される東京、大阪、名古屋のライブツアーも発表し、「また逢いましょう」という言葉とともにフィナーレを迎えた。


■<新山詩織 PREMIUM 弾き語りライブ「しおりだけ〜ひとり唄〜」>
2017年9月2日(土)@EX THEATER ROPPONGIセットリスト

01.たんぽぽ
02.シャボン玉みたいに
03.糸
04.恋の中
05.午後3時
06.分かってるよ
07.Hello
08.名前のない手紙
09.マゼンタ(カバー)
10.深夜高速(カバー)
11.四丁目の交差点
12.絶対
13.だからさ
14.ゆれるユレル
encore
en1.さよなら私の恋心 with 岩井俊二監督
en2.らくがきちょう
en3.きらきら


■ニューシングル「さよなら私の恋心」

9月6日(水)発売
Sound Produced by Chara
【初回限定盤 (CD+DVD)】JBCZ-6064 1,500円(税抜)
特典DVD収録:「さよなら私の恋心」Music Video+Making
【LIVE盤 (CD+DVD)】JBCZ-6065 1,700円(税抜)
特典DVD収録:<新山詩織 全国ツアー2016-2017「ファインダーの向こう」>から5曲収録
【通常盤 (CD)】JBCZ-6066 1,000円(税抜)
1.さよなら私の恋心
 作詞:新山詩織 / Chara 作曲:Chara 編曲:Chara
2.らくがきちょう ※NTT西日本「就活生応援MOVIE」テーマ曲
 作詞:新山詩織 作曲:山口俊樹 編曲:Sweet Crue
3.さよなら私の恋心 –instrumental-
 作曲 & 編曲:Chara




■<新山詩織 ライブツアー2018>

2018年2月3日(土)愛知・名古屋ボトムライン
開場 / 開演 17:30 / 18:00
(問)サンデーフォークプロモーション
2018年2月9日(金)大阪・梅田umeda TRAD
開場 / 開演 18:30 / 19:00
(問)サウンドクリエーター
2018年2月12日(月・祝)東京・赤坂BLITZ(ツアーファイナル)
開場 / 開演 17:15 / 18:00
(問)ディスクガレージ
▼チケット
4,000円(税込)※全自由
※ドリンク代別途必要
※6歳以上 有料 5歳以下は入場不可
一般発売日:2017年12月16日(土)

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