ロブ・ゾンビ、フーパー監督を追悼「『悪魔のいけにえ』は俺の人生を変えた」
ロブ・ゾンビが、今週亡くなったホラー映画の巨匠トビー・フーパー監督を偲び、彼の代表作の1つ『悪魔のいけにえ(The Texas Chain Saw Massacre)』(1974年)を大絶賛する追悼文を『Rolling Stone』誌に寄稿した。
◆追悼メッセージ
ゾンビは9歳のとき、友達とテレビを見ていて、「彼の人生を変えることになる」映画のCMを初めて目にしたそうだ。「実際、映画の全編を観るのはその数年後だったが、いまでも1974年、『Massacre』が俺の世界に入ってきた瞬間を覚えている。俺は9歳で、学校の友達が俺の家に泊りに来たときだ。俺らがテレビを見ている最中、突然の出来事だった。俺の人生を変えることになる映画のコマーシャルがスクリーンに流れた。自分が目にしているものが信じられなかった。残念ながら――、友達も同じだった。彼はすぐに泣き出した」
その7年後、映画館で全編を観る機会があり、すぐに「ホットでダーティーで、不快ながら素晴らしい描写」の虜になったそうだ。「セット、衣装、小道具は100%完璧だった。とても低予算のチープな映画には見えなかった。純粋にアートだった。演技? すごくリアルで奇妙だった」と称賛。ヒッチハイカーを演じたエドウィン・ニールにいたっては俳優ではなく、演技ができる本物の狂人だとさえ思ったそうだ。アカデミー賞を受賞してもおかしくなかったと評している。
彼にすれば、『悪魔のいけにえ』を単にホラー映画と呼ぶのは無礼であり、『タクシー・ドライバー』や『ジョーズ』『時計じかけのオレンジ』『ゴッドファーザー』と並ぶ、あの時代を代表するパワフルな名作の1つだという。
ゾンビは、自身が監督した『マーダー・ライド・ショー(House of 1000 Corpse)』(2003年)のプレミアで初めてフーパー監督と会い、友人になったそうだ。
『悪魔のいけにえ』をはじめ、『死霊伝説』『ファンハウス / 惨劇の館』『ポルタ―ガイスト』など数多くの名作を生んだトビー・フーパー監督は、8月26日、74歳で亡くなった。
Ako Suzuki