【連載インタビュー】gibkiy gibkiy gibkiy、kazumaが語る「僕はそれを淫乱って言葉で表現した」
■死ぬ気で向かわないと
■愛の形すら存在しないような気がして
──曲に触発されて出来た歌詞なんですか? それともkazumaさんの引き出しにあったものを曲に合わせていった感じですか?
kazuma:そういうものもありますけど、スタジオで“せーの!”で音出して、そこでパン!と出てくるもののほうが多いですね。
──この言葉が合う!とか直感で思ったり?
kazuma:これでどうメロディを付けようか?っていうのもありますけど(笑)。でも音が鳴った瞬間、あっ!と思ったものは、やるべき。1音でもカッコよかったら。
──highfashionparalyzeのときよりも、直感が研ぎ澄まされた感じがします、さらに。
kazuma:そうじゃないとダメじゃないですかね。多分熱量は上がってます。それが良いのか悪いのか、僕にもわからない。さっきも言ったけど、gibkiy gibkiy gibkiyをやり出していろんな人と関わって、その刺激もあると思うんですよ。
──歌詞を書く上で影響を受けた人とか作品ってありますか?
kazuma:ベタな感じですけど安部公房作品。不条理なやつが大好きなんで。あとジェイムズ・ジョイスの“フィネガンズ・ウェイク”は解けないパズルというか……。僕、どっちかって言うとSF派なんですよね。SFだったり、リアリズムだったり。あと(サルバドール・)ダリの絵のタイトルが大好きです。もの凄くカッコよくて、作品タイトルだけの本とかもあるんですよ。若い頃は見よう見まねですけど、アホみたいに長いタイトルってあったじゃないですか(笑)?
──ありましたね(笑)。
kazuma:あれってそういう影響を受けてますね。
──なるほど。
kazuma:対比が絶対あって……そこに凄く冷たいものと凄く温かいものと人間性みたいな(笑)。そういうのがカッコいいなと思っちゃったんですよね。
──ほかにも好きな絵とか画家とかがいらっしゃるんですか?
kazuma:やっぱりダリが好きで。(ルネ・)マグリットもエゴン・シーレも好きですね。
──あぁ、なんかkazumaさんっぽい気がします。
kazuma:エゴン・シーレのデッサンの状態が好きです。ハンス・ベルメールも人形よりデッサンの方が好きです。いびつな感じに何故か惹かれますね。
──あの、突然ですけどkazumaさんの理想の女性像というか、女性に対するイメージってどんなものでした?
kazuma:なんだろうなぁ? なんか刷り込みかもしれないんですけど、まぁるくて可愛いもの。っていうものが自分にとっての女性像みたいな感じでしたね。
──gibkiy gibkiy gibkiyの歌詞で描かれる女性像ってどんなものなのかな?と思って、その根本は今教えていただいた女性像もある?
kazuma:多分、そういう部分は入っちゃってますよね。手を伸ばしても届かないものもあるし、失くすものもある。
──女性から感じるものってどんなものなんでしょうか? 例えば母性だったり、いびつな存在だったり……。
kazuma:いびつですね。
──エロい存在だったり。
kazuma:出来たらエロくあり、ちょっとフェティッシュ寄りと言うか……矛盾しちゃうんですけど、可愛らしい、守らないと死んでしまうものも好きだし。その手だけが好きとか。それだけで異性を感じる。それぐらいの勢いでいたいというか(笑)。それがフェティッシュというか……江戸川乱歩の『人間椅子』だったり。
──今回のアルバムで書いた歌詞ってラブソングですよね?
kazuma:愛の詩です。ラブソングって言うとちょっと恥ずかしいんですけど、愛の形ですね。愛なのか恋なのか……いろんな形があると思うんですけど、人を好きになるっていうことの根本に、死ぬ気で向かわなきゃダメだっていうのがあると思うんですよ。きっと死ぬ気で向かわないと、その愛の形すら存在しないような気がして……。男と女では違うと思うんですけど、僕は女の人のほうが恋愛に対してのパワーというか、エネルギーが強いと思うんですよね。
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