【速レポ】<京都大作戦2017>、ROTTENGRAFFTY「雨にも、雷にも、お前らにも、10-FEETにも絶対に負けない」
雷雨での一時中断から無事に再開されたが、この会場で音が出せるのは20時までだという。残る短い時間を分け合うようにして、ROTTENGRAFFTYそして10-FEETが3曲ずつで、ライブを行なうこととなった。マキシマム ザ ホルモン終了後は、撤収からセッティングまでもとにかく急ピッチで進められ、ステージではスタッフが慌ただしく動きまわっている。まだほんの少し雨が残るなか、観客はその姿を見守り、OKの目処が立つとステージ上のスタッフに向けて、あたたかく、大きな拍手が湧いた。
◆ROTTENGRAFFTY 画像
そしてついに<京都大作戦>3日目、10-FEETの京都の盟友、ROTTENGRAFFTYが登場する。アナウンスと同時に、地響きにも似た歓声が起こり、舞台袖から5人が猛烈な勢いでステージへと走って登場した。
「お待たせ、<京都大作戦>! こうやって食らったぶんだけ、俺らも全身全霊でやるから全部のっけてこい。俺らが、京都、ROTTENGRAFFTY!」とN∀OKI(Vo)が叫びをあげ、NOBUYA(Vo)が「3曲しかないからさ、思いっきりこいよ」と続ける。彼らが<京都大作戦>10周年の最終日を飾る曲として選んだのは、いずれも爆裂なパワーを持った曲だ。まずは、「D.A.N.C.E.」で、観客を沸騰させる。観客は足元も気にせずに、ジャンプし、ハードコアパートでは大きなサークルを出現させて、存分に彼らの爆音を浴びながら走り回る。その上、「一歩下がれ、そして座れー。聞こえてるかー」(N∀OKI)と観客へと呼びかけ、サビで一斉にジャンプさせたりと、こちらも容赦ない。
「ラスト2曲。雨にも、雷にも、お前らにも、10-FEETにも絶対に負けない!」とNOBUYAが気炎を上げ、「もっとこい!」と「THIS WORLD」へ。激しく展開する曲そのもののように、ステージ上は制御がまったくきいていない。「やりたいようにやろうぜ」というN∀OKIの言葉に、KAZUOMI(G&Prog)が暴れ狂ってギターをかきむしり、侑威地(B)もダイナミックにステージを跳ねる。NOBUYAは、観客の元へと突っ込んでいき、続いてN∀OKIとKAZUOMIもステージを降り観客に支えられるようにして、声を上げていく。ステージ上にはドラマーのHIROSHIだけという瞬間もあった。通常なら、何十分かかけて作り上げていくハイボルテージなテンションやドラマを、瞬時にして生み出していくのは、ライブバンドとしてしのぎを削って来たバンドだからこそのものだ。
「人生なんて予定通りにいかへんからな。瞬間を生き延びろ。焼き付けていけ。なんでもいいから声聞かせてくれ」──N∀OKI
ラストを飾る「金色グラフティー」は、会場一体となったシンガロングからスタートした。NOBUYAは歌詞の一節を“10-FEETの思いは ここ太陽が丘に”と替え、「<京都大作戦>、ありがとう!」とN∀OKIが絶叫する。凝縮した気持ちをすべてのせたアンサンブルとヴォーカルに、無数のコブシが突き上がり、観客もまた声をからし歌う。何千回と歌ってきただろうROTTENGRAFFTYにとっての代名詞的な曲で、数多くのライブでハイライトにあげられる「金色グラフティー」。なかでも今日の「金色グラフティー」のシーンは、多くの人に深く濃く刻み込まれるものになったのではないかと思う。
「京都! 俺たちが、ここ、京都に生まれ育った、ROTTENGRAFFTYだ」──NOBUYA
全身全霊で完全燃焼へ持っていったライブで、次なる10-FEETへとバトンを託し、ステージを終えた。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎HayachiN/みやざきまゆみ
【ROTTENGRAFFTY セットリスト】
02.THIS WORLD
03.金色グラフティー
■<京都大作戦2017 ~心の10電!10執念!10横無尽にはしゃぎな祭!~>
2017年7月8日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2017年7月9日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
▼開場
7月7日 開場:11:30 / 7月8日, 9日 開場:9:30
▼開演
7月7日 開演:13:00 / 7月8日, 9日 開演:11:00
【出演アーティスト ※50音順】
▼7月7日(金)
【源氏ノ舞台】サンボマスター、SiM、竹原ピストル、10-FEET、Nothing's Carved In Stone、My Hair is Bad
【牛若ノ舞台】打首獄門同好会、Creepy Nuts、四星球、ヤバイTシャツ屋さん、夜の本気ダンス
▼7月8日(土)
【源氏ノ舞台】Ken Yokoyama、The BONEZ、湘南乃風、10-FEET、東京スカパラダイスオーケストラ、Dragon Ash、FIRE BALL with HOME GROWN、RADWIMPS
【牛若ノ舞台】藍坊主、Age Factory、GOOD4NOTHING、Crystal Lake、NAMBA69、NUBO、yonige
▼7月9日(日)
【源氏ノ舞台】氣志團、SUPER BEAVER、dustbox、10-FEET、マキシマム ザ ホルモン、MAN WITH A MISSION、ROTTENGRAFFTY、WANIMA
【牛若ノ舞台】ENTH、OVER ARM THROW、ガガガSP、SIX LOUNGE、SHANK、G-FREAK FACTORY、Dizzy Sunfist
【鞍馬ノ間】
7月7日(金):大阪籠球会、京都ハンナリーズとのバスケットボール体験やエキシビションマッチ
7月8日(土)、9日(日):下記8チームによるバスケットボールのトーナメント戦「京都大作戦杯2017」を開催
AKT LOCA、UNDER DOG、OSAKA YOUNG GUNS、大阪籠球会、SOMECITY OSAKA選抜、TEAM-S、東京籠球会、HIGH WEST BALLERS
この記事の関連情報
ROTTENGRAFFTY、FM802番組『EVENING TAP』にゲスト出演+公開収録決定
10-FEET、バンド史上屋内最大規模のライブ映像作品を12月発売決定。全31曲・約2時間半のライブ+ドキュメンタリー映像も
<REDLINE>、SiMのMAHを中心とした一大プロジェクト“REDLINE DREAM BAND”始動
Petit Brabancon、来春開催対バンシリーズにロットン、スサシ、The BONEZ
ROTTENGRAFFTY、<響都グラフティー>2025年春に映像作品化&来春ツアーも決定
ROTTENGRAFFTY、<響都超特急2024>全出演アーティストが決定
【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>10-FEET、「ジャンルの壁や境界がない」
【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>ROTTENGRAFFTY、「ぶっちゃけ無双状態」
【ライブレポート】フェスの改革と変化。音楽フェス文化を次世代へつなぐ<フジロック>の現在地