【対談】デストロイはるきち(ミソッカス)×稲村太佑(アルカラ)、「人間味出していってなんぼ」
■「あ、この人はだいぶヤバい人だな」とすごく尊敬した――デストロイはるきち
――ミソッカスは2015年と2017年のネコフェスに出演していて、ミソッカスが「みそっかす」として活動しているころからの仲なんですよね。
稲村:ミソッカスは結構、信じてるアーティストなんですよ。
はるきち:おっ! うれしい。ツンデレなんですよね、太佑さんは。
稲村:名古屋のお客さんはライブ中のリアクションがあんまりないんですけど、ライブ終わりにめっちゃ物販に並んでくれたりするんですよ。名古屋は難しいけど結果が出せていけてるな、と思ったくらいのころにミソッカスと対バンしたんですよね。
はるきち:2011年3月に新栄CLUB ROCK'N'ROLLでやったZIP-FMのイベントが、MASS OF THE FERMENTING DREGSとHeavenstampとアルカラというラインナップで、僕らがオープニングアクトで出たんです。
稲村:ミソッカスはめっちゃ俺らのことを気にしてくれて、「よく聴いてます」ってアホみたいな顔して近づいてきて(笑)。
はるきち:ひどい言われよう!
稲村:こういうやついややな~って思ったけど、ライブ観てみたらすごく面白くて。いちばん仲良くなって帰りました。
はるきち:そうですね。バンドで打ち上げ参加したのアルカラと僕らだけだったからかもしれないですけど(笑)、あのときはめっちゃ盛り上がりましたよね。なんの話をしたか全然覚えてないけど唯一覚えてるのが、僕が太佑さんに「CDもらってください!」と言ったら「いや。もらわん」と言われて。「なんでですか!」と言ったら「買うわ」って。
――男前!
はるきち:それで太佑さん、ポケットからネコのがま口のお財布を出したんですけど、開けたら10円しか入ってなくて(笑)。
稲村:あははははは! ほんま!?(笑)
はるきち:はい(笑)。「これでええか?」と言われて、「とんでもないです、ありがとうございます!」ってCD渡したなあ。
稲村:うわ~恥ずかしい。全然覚えてない。でもめっちゃおもろいな(笑)。
はるきち:センスはそのときから全然変わってないなと。「あ、この人はだいぶヤバい人だな」とすごく尊敬しましたね。
稲村:ミソッカスの第一印象は、心の中はむっちゃ尖ってるけど、ストライク投げないでめっちゃカーブでくる、えぐり込む感じのタイプやなと思って。いい意味で俺らと近いな、面白いなと思ったんですよね。だから俺ははるきちの扱いが雑なんです(笑)。
はるきち:ずっと雑ですよね(笑)。アルカラはほかのメンバーさんも僕の扱いめっちゃくちゃ雑で。ドラムの疋田(武史)さんは僕と冬に会うと「いまお前ふゆきちやな」って言ってきて、春に会うと「あ、ようやくはるきちに戻ってきた」って。ベースの下上(貴弘)さんは会うと「スタッフの方ですか?」と言ってくるし、ギターの田原(和憲)さんは一切口きいてくれない。めっちゃ酔ったときだけめっちゃ笑顔で「ありがとな、いつも」と言ってくれる。みんな超ツンデレです。
稲村:はるきちはめちゃくちゃな時期があったり、めっちゃ頑張ってる時期があったりして、そういうところが信じられるというか。○やったことが×になったり、×やったことが○になったりする時代が来ても手のひらを反さへんやろなと思う。根っこがあると思うから上っ面なことは話さへんし…でも根っこがあるから根っこの話をするかというとせえへんな(笑)。
はるきち:そうですね(笑)。初めてそういう話を聞いて、そんなふうに思ってくれてるんだな~と感動しています。
稲村:だからはるきちはいちばんいじめてる(笑)。無理を言ってるなと思いますね。ミソフェスもそれだけネコフェスに影響を受けてるなら、「このタイミングでようやくアルカラがミソフェスに…!」と思える時期に出たほうが、お客さんもうれしいやんか。そういうときになったらミソフェス出るわ。
はるきち:…そのタイミングは来年ですよ!
稲村:早ない!?(笑) 早めに始末したいんか!?(笑)
――(笑)。来年はミソフェスも5周年、ミソッカスも結成10周年ですから。そういう華やかなところに是非初出演していただきたいという願望があるのでは?
稲村:そういうアニバーサリー的なときはそれだけでなんとなくうまくいくやん!
はるきち:確かにそれはあるかもしれない(笑)。
稲村:6年目は6って不吉な数字やし避けたいな。そのあとは7年目て縁起がええから俺ら出る必要ないやろ? 8年目も末広がりやし。
はるきち:うまいこと言うなぁ。こんなふうに毎回言いくるめられてオファーを受けてくれないんですよ(笑)。
稲村:わかった。じゃあ、まずミソフェスを観に行きます。
はるきち:お!
稲村:同じくバンドマンが作っているイベントがもう5年目となると、自分がミソフェスに対してノープランでかかるのは失礼やなと思う。バンドマンが作る「好きなものだけ、嫌いなもんは寄せ付けへん」というイベントに、仲良しやからという理由だけで出て、ミソッカスがアルカラに求めていることをできなければ失望になってしまうし。勢いで付き合ったら「うわ、付き合うんちゃうかったかなー…」て思うこともあるやん?
はるきち:太佑さんよく恋愛に例えますね(笑)。
稲村:呼ぶ側も呼ばれる側も覚悟を決めるべきやから、そのためにはちゃんと俺らもミソフェスのことを知らないとね。観に行って「このイベントに出させてもらいたいな」と思ってからにします。
◆インタビュー(4)へ
この記事の関連情報
<みそフェス2020>第3弾にアルカラ、ネクライトーキー、THE PINBALLSら13組
<みそフェス2020>第2弾にクリトリック・リス、ノブリル・ラヴィーンら14組
みそっかす主催<みそフェス2020>開催決定
【インタビュー】みそっかす、10年かけてたどり着いた“本当の原点回帰”
みそっかす、インディーズ復帰作第1弾SGは徹底した原点回帰っぷり
【対談】デストロイはるきち(ミソッカス)×柴田隆浩(忘れらんねえよ)、「テンプレがハマるバンドじゃなかった(笑)」
鈴鹿8耐<8フェス>第一弾に175R、nobodyknows+、ミソッカスら5組
ミソッカス、ノスタルジックで感傷的な新曲「名城線」のMV公開
ミソッカス、高速ダンスチューン「ダンシングモンスター」のMVを公開