【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞coldrain、「全員ズタズタにする為にやってきました」

サウンドチェックの段階からヘヴィなサウンドを響かせ、Masato（Vo）が「What's Up!!!」とフロアをアジテートしまくったのがcoldrain。そんな切り込み方をされたのだから、オーディエンスもSEの段階から準備万端。無数のメロイックサインが突き上げられ、まだ音が鳴っていない段階にもかかわらず、ライヴ特有の熱気が充満していく。

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まずは挨拶代わりにタフネスなサウンドにMasatoの美声とシャウトを巧みに使い分けたヴォーカルがマッチングした「The Revelation」を放ち、いきなり描かれるカオティックな様相。その余韻を保ったまま、空間をエグるような強度を誇る「Evolve」、イントロから大歓声が湧くほどの期待感に溢れ、メロディアスな歌と絶妙なコーラスワークでオーディエンスを引っ張り続けた「Six Feet Under」と続けざまに突きつけるのだからたまらない。




昨年はアメリカ最大級のロックツアー＜Vans Warped Tour＞にも参加する等、国内外問わず、大きな舞台を経験してきたからこそだろう。メンバーそれぞれが広大なステージを自在に動き回りながら、ここぞというタイミングでは団結して一斉に襲いかかってくる。その抑揚にも唸ってしまった。

ここでMasatoが今年で結成10周年になることに触れつつ、「先輩とか後輩とか関係なく、全員ズタズタにする為にやってきました」と改めて意気込みを表明。その頼もしさにオーディエンスも喜びの声を上げ、「To Be Alive」ではウォール・オブ・デスが発生する狂乱のフロア。メンバーも常軌を逸脱した暴れっぷりを見せ、まさに非日常的なシーンが眼前に広がっていく。




激烈なジャンプで会場が揺れ、終盤にはMasatoがステージから降り、客席エリアの最前まで身を乗り出して絶叫した「No Escape」、紫の照明が妖艶な空気を醸し出しつつ、その中で色気たっぷりに演奏された「GONE」、大切に言葉を紡ぎ、Masatoとオーディンの声がひとつになった「THE STORY」をドロップし、最後を飾ったのはタイトルコールでとんでもない歓声が生まれた「Final destination」。ドラマティックな曲展開で会場全体を魅了し、オーディエンスはもはや制御不能ともいえる興奮状態。尋常ではないエナジーが渦巻くど真ん中には当然のことながらcoldrainが存在している。世界へ向けても積極的に手を伸ばすバンドの凄みが体感できたパフォーマンスだった。

取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎本田裕二