【インタビュー】25年ぶりに復活したバナナフリッターズ(山寺宏一、日髙のり子、関俊彦)「みなさんが人生を楽しめるような発信を」
■ こんなに大きなことになるとは思っていなかった
▲山寺宏一 |
山寺:それはありますね。バナナフリッターズとしての活動はしばらくしていなかったけど、いろいろな現場で一緒に仕事をしていて、付き合いが長いし。
日髙:あとはもう、お互いに50を過ぎていますからね。すっかり許容範囲も広くなって(笑)。
関:ふふふふ、それもあるね。クロスワードパズルがあったとしたら、自分でやっていてもなかなかはまらないときに、「あ、山ちゃんはめてくれたんだ、助かるな、ラッキー!」とか、「のりちゃんがはめてくれたのか、やった、うれしいな。……あと、ほかのところもはめてくれる?」とか。そういうことを気軽に言い合える仲でもあるんです(笑)。
日髙:関ちゃんはやらないのかーい!っていうね(笑)。
関:うん、2人がいるから(笑)。
山寺:いやいや、そんなこと言って、ちゃんと自分のやるべきことをやっているのが関俊彦ですよ。
日髙:そうだよね。関ちゃんは、もし2人に頼むとしても、最初に全トライしてみる人。
▲バナナフリッターズ |
日髙:確かに確かに! 血縁関係はいっさいないけど、親戚みたいな気がしちゃうのよね(笑)。
山寺:従兄弟同士みたいなね。
関:そうかも。会わない時間があっても、顔を合わせればすっとなじめてしまうし、妙に居心地がよかったりね。ただ……復活にあたっては、こんなに大きなことになるとは思っていなくて。
山寺:全然ね。
関:「こじんまりしたライヴハウスでできれば」って思っていたもん。
日髙:本当に。「バナフリ楽しかったな、今の年齢でもう一度、3人で思い出作りができたらいいな」っていうふうにしか思っていなかったもの。コンプリートBOXにしても、言ってしまえば、老後の楽しみに自分が欲しかっただけだし(笑)。
▲BOX『BF55 BANANA BOX !!! 極撰』 |
関:そもそも新曲を作るっていう時点で、私なんかはびっくりしましたからね。「え、思い出作りだけじゃなかったの⁉」って(笑)。
日髙:私もね、「1曲だけでも新曲を作れたらいいな」とは思っていたものの、それを口に出してはいなかった。でも、新曲を作ることになって、それにタイアップがついて、しかもほかに2曲も新曲ができて。
関:ま、「あのね」ができたとき、のんちゃんはスタッフとの打ち合わせの中で、「できればあと2曲くらい……」って言っていたけどね(笑)。
日髙:え、言った!?
── 心の声がつい出たのでしょうか(笑)。
山寺:なんと図々しい(笑)。
日髙:本当だよねぇ。心の中で思っていたモノローグのつもりが、出ていたみたい(笑)。
山寺:そこから話がどんどん進んでいくから、びっくりしたよね。
日髙:主婦だからかな、「せっかくだから」「どうせやるなら」って思うと、あれもこれもってなっちゃう(笑)。
── 朗読“3本のバナナ”を聴いてもわかるように、日髙さんはバナナフリッターズの太陽、楽しいことにどんどん巻き込んでいくポジティヴなパワーに満ちているんですね。
山寺:そう、のんちゃんはね、いいこと、楽しいことに巻き込んでいくパワーが本当にすごい。
関:そうやって巻き込まれていくとつい楽しくなって、着ぐるみにしても「どうせ作るならちゃんとしたものを」ってこだわりたくなるっていう。日本全国、どんなゆるキャラにも対抗できる自信はあるもんね。
山寺:ばっちり顔出ちゃってるけどね!(笑)
── そのみなさんの表情にしても、本当に観ていて楽しくなります。そして、「あのね」はじめ、「幸咲RADIO」「バナナナナ」という新曲たちどれも、背中を押してくれたり、生きるヒントとなるメッセージがあって、ハッピーオーラに満ちていて。元気をもらえます。
関:そう感じてもらえたなら、すごくうれしいね。
山寺:「あのね」は、『少年アシベ GO! GO! ゴマちゃん』を観るちっちゃい子たちにも伝わるようにと思ったけど、結果的に世代を超えて伝わるものになったと思います。「バナナナナ」なんかには、中年の悲哀も織り交ぜつつ(笑)、若い人たちも聴いて元気になってほしかったからよかったです。
── 歳を重ねることでいろいろな変化もあるけど、一度の人生、楽しんだ者勝ち。歳を重ねることに対しての不安を抱えている人も、きっと前向きになれます。
山寺:まさにそれです。バナナフリッターズは、そのために歌っているようなものです!
日髙:よかったね、うれしい!
関:そこまで伝わっているとはもう、新曲を作った甲斐があるね。
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