【インタビュー】スコット&リバースが語る「曲作りは日本の方が自由」な理由

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■パンク出身のスコットとヘヴィメタル出身のリバース

──昨日思ったのは、山口美代子さん(BimBamBoom)のドラムが他のバンドでサポートする時とは違って、ビートの叩き方にいつもの特徴があまり感じらなかったんですよね。それより叩き出す音自体にスムーズな流れを感じたので、終演後に本人に聞いたら、クリック(同期)を使っていたそうで。そう言われてみたらシーケンサーも入っていたし、ちょっと意外に思ったんです。スコットさんの歌い方がエモーショナルなのに、演奏ではクリックを使って正確にやっている感じが面白かったです。もしリバースさんがいうように音楽で爆発したいのなら、クリックがあるとコントロールされていて感情を出しにくいのでは?

リバース:(クリックに合わせることは)よく練習して慣れました。80年代の音楽シーンに2つ学校がありました。パンクとヘヴィメタルで、僕はヘヴィメタルの方。

──どのバンドが好きだったんですか?

リバース:メタリカ。ヘヴィメタル(の人たち)はよく練習しました。メトロノームを使ってリフやアルペジオの練習をして。演奏ではすごいエナジーを出すけど、すごくコントロールもしている。だから刻んでいるリズムは正確なんだよね。

──確かに。そうですね、なるほど。

スコット:僕はパンクの方(笑)。だからこの2人の組み合わせは面白いと思う。

──パンクの人はクリックにはすぐ馴染んだのですか?

スコット:もう関係ない(笑)。

──クリックをやろうというのはどちらからのアイディア?

スコット:バックトラックを使うのなら絶対クリックと一緒にやらないと全部ブレちゃうから。

──バックトラックを使っているのも意外でした。

スコット:使おうとしたきっかけは、僕で。僕のソロアルバムで出している音がライブでできなくて、その時はバンドメンバーもそんなにいなかったから、やりたい音楽をちゃんと形にするにはバックトラックを使わないとできなかった。

リバース:今アメリカで新しいバンド、若い世代のほとんどがバックトラックを使っています。でも、ウィーザー世代は全然使いません。

スコット:でも、最近ウィーザー使ってるよね。

リバース:そう、スコリバの影響で、新曲のシングルでやってみたいと思ってバックトラックを使っています。

──バックトラックやクリックが入ると、ライブでの自由度はどうですか?

リバース:元々ウィーザーはものすごい即興をやったり、アルバムのヴァージョンを大幅にアレンジしたりすることはなく、かなりアルバムの通り曲をアレンジするから、トラックを入れたことで自由度が減ったという感覚はない。

──そうかもしれないですね。

リバース:それにトラックを使わないところもあるので、その両方があるのがいいと思う。


──さっきのリバースさんの2つ学校がある話が面白かったんですけど、違う学校出身の2人が一緒にやって良かったところと、今でもぶつかるところはあるんですか?

リバース:ぶつかる(気になった言葉らしく、ノートにメモする)。

スコット:リバースはギターが超うまい。僕は基本的にはベーシストで、(スコリバの時だけ弾く)ギターが全然うまくないから、たぶんリバースが僕のギターと一緒にやるとやりづらいと思う。

リバース:時々、スコットさんはステージの上でジャンプしたり、全力投球しているけど、僕はそこまでできていない。僕は内向的だから。

スコット:僕はステージでは外交的だけど、ステージを降りるとそんなことはないよ(笑)。

──今回一番チャレンジングだった曲は何ですか?

リバース:「風吹けば」は一番大切な曲。元々は90年代のヴァージョンがあって、実はウィーザーもレコーディングしました。でも、なかなか自分は満足できなくて、プラス要素となる何かをずっと探していたんです。今回一緒に仕事をした新しいプロデューサーはモダンなサウンドのプロダクションを提案してきたし、日本語の歌詞サウンドも興味深くてすごく興奮した。

──「本音なんだ。」の歌詞はチャレンジングでした?

リバース:自然だった。

スコット:(歌詞の内容から)他のバンドからデモを渡してもらえなくなっちゃうかなとも思ったけど、だけど昨日いっぱいもらった。だから、安心したよ。

──良かったですね! 昨日はすごく良いライヴでした。またたくさんライヴをやってください。

リバース:はい!

スコット:いっぱいやります。

取材・文:伊藤なつみ

『ニマイメ』

4月12日(水)リリース
通常盤:SICP70 2,400円+税
イヤフォンケース付完全生産限定盤:SICP68-69 4,000円+税

◆収録曲
1. 僕らの未来
2. Doo Wop feat. キヨサク(MONGOL800)
3. FUN IN THE SUN feat. PES(RIP SLYME)
4. カリフォルニア サンシャイン
5. 風吹けば
6. ニューガール
7. 君はサイクロン
8. スコリバのテーマ
9. 本音なんだ。
10. ハミングバード
11. 変わらぬ想い with miwa
12. パンツ脱ぐ(ボーナストラック)

◆スコット&リバース オフィシャルサイト

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