【詳細レポ】BREAKERZ×ゴールデンボンバー、「楽しくて 楽しくて 楽しくて」
4月16日にZepp TokyoにてBREAKERZ主催ライヴイベント<BREAKERZ 10周年10番勝負-VS->が開催された。BREAKERZ初の試みである対決型ライヴもいよいよ終盤戦。第9番目の対バン相手は公私ともに仲がいいことで知られるゴールデンボンバーだ。企画が決定した頃からDAIGOは「ゴールデンボンバーだけは出てくれると思います」とBARKS取材で発言していたが、意外にも2マンは初だというから驚き。アンコールではDAIGOが「また、こういうライヴ絶対にやりましょう」と盛り上がり、鬼龍院翔もその言葉に何度もうなづいていた。先ごろ公開した速報レポートに続いて、新たな写真盛りだくさんの詳細レポートをお届けしたい。
◆BREAKERZ×ゴールデンボンバー 画像
場内が暗転してMC映像が流れると、このありそうでなかった対決にフロアは早くも大興奮。スクリーンに“変貌自在のヴィジュアル系エアバンド、ゴールデンボンバーのスーパーエンターテインメントにBREAKERZはどう立ち向かうのか?”というテロップが流れる。赤コーナーはゴールデンボンバー。青コーナーはBREAKERZ。先行はゴールデンボンバーだ。
大歓声の中、ゴールデンボンバーがタオルを振って元気よくステージに姿を現した。オープニングはいきなり最新シングル「♯CDが売れないこんな世の中じゃ」。勢いの塊のようなサウンドと、思っていてもなかなか歌にはできないCD不況をストレートかつユーモアたっぷりに歌った歌詞は、もはやゴールデンボンバーにしかできない技だろう。満員のフロアにはタオルが振られ、曲の後半で早くも樽美酒研二はドラム台から離れて煽り、大盛り上がり。
「ゴールデンボンバーです! よろしくお願いします!」
と挨拶した後に披露されたのは、後のMCでDAIGOが友人から「オマエのういっしゅを無断でやっているバンドがいる」と報告されたというエピソードを明かした「毒グモ女〔萌え燃え編〕」。“ヴィジュアル系バンドあるある”の振り付けが盛り込まれ、喜矢武豊も歌広場淳も樽美酒も振り付け全開のパフォーマンス。場内からは「飛べ、飛べ!」の掛け声がかかり、鬼龍院は“逆ダイ”、“ヘドバン”と書かれた紙や、“DAIGOのうぃっしゅポーズの写真”をめくっていく。エンディングは見事、“うぃっしゅ”ポーズで締められた。
「このたびはBREAKERZ10周年おめでとうございます! 全10本の9本目ということでトリ前でございます。ラストはGLAY兄さんが出るということで、そんな凄いラインナップの中、呼んでいただいてありがとうございます!」
10周年を祝った鬼龍院は、「DAIGOさんからプレゼントしてもらった指抜きグローブをずっと使っている」ことに触れ、メンバー紹介へ。
最初に紹介されたのはギターの喜矢武豊。「最近、僕、映画にハマってるんですよ。話題のアカデミー賞の…」と『ラ・ラ・ランド』の話をしようとすると鬼龍院に「みんな知ってるから」と止められ、ベースの歌広場淳はDAIGOとTVで共演することについて言及。「何が言いたいかというと、このライヴが盛り上がったら“じゅんじゅん、やるじゃん”って見直して僕に話を振ってくれると思うんですよ。そしたら僕が目立ててもっと下手がぎゅうぎゅうになる(鬼龍院に「喜矢武の前の上手に比べて歌広場の前の下手はお客さんが詰まっていない」と指摘された)と思うんですよ」と笑わせた。
「今日のライヴに照準を絞って身体を作り込んできました。なので、この場を借りて僕にしかできないパフォーマンスを初披露させていただきます」と宣言したのは樽美酒研二。3人の暴走気味のMCを補うように鬼龍院が「ゴールデンボンバーのライヴ、すごく細かいネタをやるんですが、後ろのほうの方々は想像で補ってください(笑)」と伝え、ライヴはおなじみの「抱きしめてシュヴァルツ」に突入した。
この曲ではメンバーがMCで話していたことの謎が明らかに。フロアにサイリウムが揺れ、盛り上がる中、歌う鬼龍院を残していつのまにかメンバーが引っ込み、樽美酒は鍛え抜かれた自慢の肉体を露わに。マッチョな有名人の顔パネルをつけてポージングをキメ、さらにBREAKERZのSHINPEIやAKIHIDEのパネルで爆笑させる。そしてギターソロでは天使の羽をつけて真っ白な衣装に着替えた喜矢武と、スカートをはいてランドセルを背負った歌広場が登場。“ラララランドセル”と歌うDAIGOのCMをパロったパフォーマンスを再現したのだ。
喜矢武が「完璧だな。ランドセル」と自信満々な表情を見せると、歌広場は「こんなに頑張ったんだから、DAIGOさん、共演の時はどうかよろしくお願いします」とランドセルを背負ったまま深々とお辞儀。パカっと開いたランドセルを見て鬼龍院が「筆記用具が落ちたから」とツッコミを入れるのも忘れない。そして話題はDAIGOが描いた絵本のことに。主人公のビッグフェイスくんのスタンプがDAIGOからLINEで送られてきたという鬼龍院は「あのスタンプ送られたら買わざるをえないですよ(笑)」とまたまたみんなを笑わせた。
もちろん、これも心ニクい前フリ。続いて披露された「酔わせてモヒート」で盛り上がる中、喜矢武が得意のダンボール工作を活かしたビッグフェイスくんのコスプレでステージに乱入。なぜか、前髪だけリアルだったのがおかしかったが、巨大な顔であちこち動き回るものだから、メンバーにぶつかる始末。めくるめくドタバタな展開から最新シングルのカップリング曲「アモーレ」へ。鬼龍院が“汚”という文字がでっかく書かれたフラッグを振って歌った「綺麗になりたくて」ではフロアから一斉に拳が上がる図が壮観だった。
ライヴはアッという間に後半に突入した。「BREAKERZのみなさんはB'zさんを尊敬しているということで、ウチもなんですよね」(鬼龍院)という話からB'zへのリスペクトを込めて作ったという初期のナンバー「ultra PHANTOM」へ。ダンボール製の巨大なギターに身をつつみ、顔と手だけ出した喜矢武がギターソロを“ギュイーン、ギュイーン”と口で全力で表現するという荒技に出て場内を沸かせまくった。
「僕クエスト」「ローラの傷だらけ」と激しい曲が立て続けに投下され、「ローラの傷だらけ」では鬼龍院が超パワフルなヴォーカルで圧倒し、歌広場が高速ヘドバンで場内の熱を上げていく展開。さらにファストチューン「欲望の歌」に突入、「ラスト行けるか!?」と叫び、最後はこれでもかとばかりの「†ザ・V系っぽい曲†」へ。樽美酒がシャウトし、客席からは「ゴールデンボンバー、演奏しろ!」の叫び声が上がるコール&レスポンス。演奏しないことを逆手にとって楽しませ暴れられるステージと飽きさせない切り口のメロディアスな楽曲こそ、ゴールデンボンバーが今なお、第一線で活躍している何よりの証明。鬼龍院翔は「ゴールデンボンバーでした! BREAKERZさん、後は頼んだ!」と言い残してステージを後にした。
転換をはさんで、再び、MC映像が流れ、いよいよ青コーナー、BREAKERZの出番だ。しかし、ここでBREAKERZファンにとっても思いがけないサプライズが。スクリーンに映ったのはメンバーの足だけ。DAIGOが意気込みを語り、「俺たちは笑いに走らないな」とSHINPEIに振ると、SHINPEIはまさかの樽美酒メイクでドスをきかせた声で「正直、俺たちは笑いとかは一切なしのロックンロール」と宣言し、場内爆笑。続いてAKIHIDEに話が振られるとBREAKERZいちクールなギタリストAKIHIDEもまさかの樽美酒メイク。10年前にDAIGOから「MCが一切ないバンドをやろう」と誘われた思い出を語るが、みんな涙が出るほど笑っている。そして、最後にDAIGOの顔が映ると、やっぱり樽美酒メイク。カメラが引きになり、3人の樽美酒が映されたシーンはもはやシュールな域に達していた。
集まったファンの心を思いきりザワつかせた中、ハンドクラップが起こり、BREAKERZのメンバーがステージに登場した。ライヴはAKIHIDEとSHINPEIのソリッドなギターサウンドが刺激的なナンバーから始まった。DAIGOが「ぶっ飛べ!」と煽り、ライヴのキラーチューンをたて続けに投下する。AKIHIDEがセンターで情熱がほとばしるようなギターソロを弾きまくる。
「俺たちがBREAKERZです! 第8ラウンドがVAMPSさん、最後がGLAYさんということで、束の間のオアシスというか(笑)、今日は全く気を使うことなく行こうと思ってます。やっぱりリスペクトしている先輩とやるのは、ちょっと勝手に緊張するんですけど、いつも以上にリラックスして、っていうか、それぐらいゴールデンボンバーさんとは仲がいいんです。俺たち、あんまり後輩がいないバンドで、ただ年下なだけなんですが(笑)、本当に仲良くさせてもらっているので、今回の10番勝負の第1回目の会議の時には(オファーする前から)なぜかゴールデンボンバーさんだけ決定になってました。さっきVTRで話した通り、笑いは一切なく、ゴールデンボンバーにできなくて俺たちにできることと言えば、ちゃんと演奏すること(笑)。初めて見る金爆のみなさんもぜひ楽しんでほしいと思います」──DAIGO
そしておなじみのDAI語で「ゴールデンボンバーだから、“G B(ガツンとぶちかまそうぜ!)”」と煽って、いつのまにか見る人を笑顔にするBREAKERZらしいナンバーや、鮮やかな赤のドレスを着たダンサーたちとDAIGOが絡んで歌う軽快で艶やかな「BAMBINO 〜バンビーノ〜」で、いつのまにか場内の空気をひとつに溶かしていってしまう。鬼龍院も後のMCで話していたけれど、BREAKERZにしか作れないムードを持っているのが、彼らの強みなのかもしれない。
メンバー紹介では「盛り上がってるか!」とテンション高めのSHINPEIが、「ゴールデンボンバーの楽屋に行って、樽美酒くんと筋肉トレーニング会を開催した」というエピソードを語り、DAIGOは「筋肉の話しかしてなかったもんね」とやや呆れ気味。AKIHIDEは「どんな気分?」と振られると「♪楽しくて 楽しくて 楽しくて」と返し、DAIGOも「クールなAKI様にこういうことをやらせるゴールデンボンバーは改めてすごいと思います」とコメント。AKIHIDEは「ゴールデンボンバーさんは<10番勝負>の中で最も異種格闘技で、パイオニアでもありますからね。だってゴールデンボンバーっていうジャンルを作ったじゃないですか」と敬意を表した。ここではBREAKERZ結成当初のエピソードも明かされ、10年近くの月日がたった今、DAIGOは「金爆のファンから“DAIGO兄さん”とツイッターで呼ばれていることが嬉しい」と笑顔。みんなに「DAIGO兄さ〜ん」と叫ばせていたのだった。
中盤で演奏された「月夜の悪戯の魔法」では曲名を告げると悲鳴のような歓声が上がり、ロマンティックなミディアムバラードでオーディエンスを魅了。約1時間強のステージで、BREAKERZがいかにヴァリエーションに富んだいい曲を生み出してきたかがわかるライヴでもあった。
そして金爆ファンを驚かせたのはBREAKERZがこの日のために作ってきた新曲「ゴールデンナイト 〜黄金色に抱きしめて〜」を披露したことだった。「ゴールデンボンバーへのリスペクトを込めた曲」であることや「初のデュエット曲」だということは予告されたものの、途中で登場してきたのは、何と紫色のスーツを着て女装(設定はキリ子、19才)した鬼龍院だったのだ。これも仲のいい2人だからこそのサプライズ。フロアから驚きと嬉しさが入り混ざった声援が飛んだのは言うまでもない。
後半戦はドM体質のBREAKERZが見せに見せるライヴに欠かせないシャッフルナンバーで盛り上げ、Hiコール、シンガロングで最後まで盛り上げた。両者共にサービス精神120%のステージで集まった人たちにハイなエネルギーを注入するステージを展開した。
アンコールに導かれてTシャツ姿で登場したメンバーは、鬼龍院とAKIHIDEがハグしたり、樽美酒とAKIHIDEが立ち位置をゆずりあって、みんなに笑われたりと和気藹々。「MCでいい意味で緊張しないっておっしゃったじゃないですか。失礼ですけど、僕らもなんですよ」と鬼龍院が言うと、「お互い緊張しないってことは相性いいんだよ」とDAIGOが返し、樽美酒が「ワインを飲みながらAKIHIDEさんのアコースティックギターアルバムを聴いている」というエピソードも。「聴くとモテてる気分になれる」という樽美酒に「今度、ワイン飲みに行きましょう」と誘うシーンも飛び出した。
そして、4月8日に誕生日を迎えたDAIGOに鬼龍院と喜矢武からプレゼントが贈られたのだが、いつも焼肉をごちそうしてもらっているという理由から手渡されたのは、何とぶ厚い高級牛肉。肉には肉で返すというこの実直な姿勢にさすがのDAIGOもウケまくっていた。
「じゃあ、ここでせっかくだからセッションしませんか?」というDAIGOの呼びかけで演奏されたのはBREAKERZの「DESTROY CRASHER」、樽美酒もほうきギターで参戦し、全員が暴れまくってシャウトする光景が。記念撮影を挟んで最後に演奏されたのはゴールデンボンバーの大ヒット曲。鬼龍院が「あの曲、まだやってないんですよ」と言うとDAIGOが「そう! あの最高のパーティソング!」と煽った「女々しくて」だった。
DAIGOと鬼龍院が並んで歌い、メンバー同士がハグしあったり、じゃれあったりと“どんだけ仲いいんだ?”と思う場面の連続。途中で黄色いポンポンも投入され、セッションが終わった後は7人でお立ち台に上がって“うぃっしゅ”をキメての大団円。BREAKERZとゴールデンボンバーの対バン、そんなに遠くない内にまた実現しそうな気がしてならない。
取材・文◎山本弘子
撮影◎MASA/小境勝巳
■<BREAKERZ 10周年10番勝負 -VS->
【-VS- GLAY】
2017年4月29日(土・祝)Zepp DiverCity
開場16:00/開演17:00
チケット一般発売日:2017年4月1日(土)
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
[チケット]
1Fスタンディング・2F指定席・2F立見 7,500円(税別)※8,100円(税込)
※各会場限定の「-VS-」ステッカー付き。
※入場時に別途ドリンク代必要。
※未就学児入場不可。
※1Fスタンディングは整理番号順の入場になります。
■<BREAKERZ デビュー10周年記念ライブ【BREAKERZ X】>
2017年7月15日(土)豊洲PIT
開場16:00/開演17:00
【チケット】
オールスタンディング 6,900円(税込)
一般発売日:2017年6月17日(土)
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
※7/15公演「MEMORY」のみ限定、お客様のフィーチャーフォン、スマートフォンを使用しての写真撮影可能。撮影に関する注意事項は後日BREAKERZ HPにてお知らせ致します。ご来場の際は必ず注意事項をご確認のうえ、お越しいただきますようお願い申し上げます。
※入場時に別途ドリンク代必要。
※未就学児入場不可。
※入場は整理番号順の入場となります。
▼BREAKERZ デビュー10周年記念ライブ【BREAKERZ X】PROMISE
2017年7月16日(日)豊洲PIT
開場15:00/開演16:00
【チケット】
オールスタンディング 6,900円(税込)
チケット一般発売日:2017年6月17日(土)
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
※7/16公演「PROMISE」のみ限定、DVD[「BREAKERZ 10周年 10番勝負 -VS- SPECIAL DVD」Live+舞台裏Off Shot]を来場者全員にプレゼント。
※入場時に別途ドリンク代必要。
※未就学児入場不可。
※入場は整理番号順の入場となります。
■関連リンク
◆BREAKERZ オフィシャルサイト
◆BREAKERZ オフィシャルTwitter
◆BREAKERZ オフィシャルFacebook
◆ゴールデンボンバー オフィシャルサイト
◆<BREAKERZ 10周年10番勝負>に宛てた10の質問状──DAIGO編へ
◆<BREAKERZ 10周年10番勝負>に宛てた10の質問状──AKIHIDE編へ
◆<BREAKERZ 10周年10番勝負>に宛てた10の質問状──SHINPEI編へ
この記事の関連情報
【ライブレポート】SHAZNA、ゴールデンボンバーとPsycho le Cémuを迎えた28年ぶり<歌姫降臨>で豪華セッションも
【ライブレポート】BREAKERZ、全国ツアー<Bintage>完遂「声が出る限り、ずっとずっと」
BREAKERZ、ワンマンツアー9/23東京公演をニコ生中継
【インタビュー】BREAKERZ、3年ぶり8thアルバムが物語る熟成と限界突破「時代に左右されない新たな自由の幕開け」
【レポート】BREAKERZ、アルバム『Bintage』リリース記念イベントが灼熱「KKZ (=季節 感 ゼロ)」
ゴールデンボンバー、新曲「イイね」発表。20周年アリーナライブ開催も決定
【速レポ】<LuckyFes'24>ゴールデンボンバー、WING STAGE2日目トップからやりたい放題「お行儀よく模範となるようなライブを」
ゴールデンボンバー、過去ライブ映像作品配信解禁
BREAKERZ、3年ぶりアルバム『Bintage』を7月リリース「ヴィンテージワインみたいに」