【インタビュー】ロニー・ロメロ+若井望=クラシック・モダンHR/HM
リッチー・ブラックモアズ・レインボーの復活に大きく貢献したロニー・ロメロが、新世代ギター・ヒーロー若井望が牽引するバンドDESTINIAにボーカリストとして参加する。8月30日&31日に行なわれるロニー・ロメロ率いるローズ・オブ・ブラックの初の単独公演には若井望がゲスト出演することが決定しており、DESTINIAの新作発表前に、ロニーと若井望の共演を観ることができる。
◆ロニー・ロメロ+若井望画像
これまでも若井望は、Nozomu Wakai's DESTINIA名義で正統派のメロディアスなヘヴィ・メタルを21世紀に継承するアーティストとして注目を集め、その後も浜田麻里のギター/作曲/サウンド・ディレクターなどで多才ぶりを発揮、急速に日本のハード・ロック/ヘヴィ・メタル・シーンで頭角を現してきた人物だ。
2016年に新しい方向性を模索する中、若井は2016年10月<Loud Park 16>フェスでローズ・オブ・ブラックのライブを目撃し、ロニー・ロメロの歌唱に魅せられたという。若井はロニーに直接コンタクトを取り、お互いに手応えを感じたことで、新バンドが始動することになった。多忙を極める両アーティストゆえ、スケジュール調整は困難を伴ったが、2017年1月に若井が楽曲のトラックを制作、2月によりスペインのマドリッドでボーカルの録音が行われている。このインタビューは、スペインで行われたものだ。
──ロニー・ロメロと演ることになった経緯は?
若井望(Nozomu):一昨年から昨年にかけては、いろいろなアーティストのサポートをしていたんだ。そんな中でレコード会社が変わったり、DESTINIAとして一からやり直さなければならない状況になった。そんな模索する中で観たのが2016年のレインボーのライブだった。そこで歌っていたのがロニーだったんだ。ロニーと一緒にやれば、これまでやってきた正統派のハード・ロック/ヘヴィ・メタルを、さらに進化させる新しい音楽が実現できると思った。そしてロニーがいるローズ・オブ・ブラックのCDを出しているワード・レコーズに声をかけて、<ラウド・パーク16>で彼のライブを観せてもらったんだ。その後、直接彼と会ってオファーを出して、歌ってもらえることになった。とても興奮しているよ。
──ロニーは、レインボーやローズ・オブ・ブラックなどで活動する中ですから、そうとう多忙なのでは?
ロニー・ロメロ:うん、去年からずっと、かなりハードなスケジュールなんだ。レインボーのショーやローズ・オブ・ブラックの新作…とにかく忙しかった。それにノゾムとの新バンドが加わったからね!ワード・レコーズのスタッフがDESTINIAとしての活動について声をかけてくれて、すごくハッピーだよ。忙しいけど、それは幸せなことだと思う。今はノゾムと一緒に演ることに興奮しているよ。
──お互いのプロジェクトの音源や映像を見て、どう感じましたか?
若井望(Nozomu):ロニーのレインボーでの歌唱は本当に素晴らしいものだと感じた。時にロニー・ジェイムズ・ディオを意識させながらも、彼らしいところが随所にあり、それをコントロールしているのが凄いね。間違いなく、世界のトップ・ボーカリストの一人だ。ローズ・オブ・ブラックは、モダンなスタイルでかつヘヴィなサウンドだけど、その中で彼の声がキッチリ際立っている。バンド自体がすごく上手で非常にタイト。そしてとてもクールだ。
ロニー・ロメロ:ミュージシャンとしてのノゾムに感銘を受けたね。初めて会ったのは去年の<ラウド・パーク>で、ファースト・アルバムとDVDをもらったけど、そのときはあまり深くチェックしなかったんだ。でも今回のプロジェクト用の音源を聴いて、なんて才能あふれるプレイヤーで、凄いコンポーザーだと驚いた。レコーディングのために新曲をじっくり聴いたけど、彼のギター・プレイと作曲のスタイルは俺のボーカルとピッタリ合うと思った。だからノゾムとのニュー・アルバムが最高のものになる予感があるよ。
──アルバムの楽曲は、前作と同様若井さんがすべて作詞作曲しているのですか?
若井望(Nozomu):今回も全曲自分で作詞作曲をしている。今までと大きく異なるのは、曲ごとにボーカルが変わる単発のプロジェクトではなく、すべての曲をロニーが歌っていることだ。彼はレインボーのボーカリストで、レインボーから続くハード・ロック/ヘヴィメタルを今に継承するべき人物だと思う。だから彼が歌うべき曲、そのスタイルを“クラシック・モダン”と定義したんだ。ロニーとは新しいものを作れる自信があるし、アルバムの曲を書き終わったところだけど、もっと作りたいものがある。まだアルバムも出ていないし、気が早いけど、この先も面白いものを作りたいという話を彼としているよ。
──今回の楽曲を聴いた感想は?
ロニー・ロメロ:さっきも言ったけど、初めて曲を聴いたとき、すごく感銘を受けたんだ。普段やっているのとは異なるスタイルだけど、俺のボーカル・スタイルと声質にピッタリ合うと思う。今回の曲をスタジオで歌うのは、すごく興奮するね。ノゾムは俺を信頼してくれて、一部を変更したり、ボーカル・トラックをセルフ・プロデュースさせてくれた。きっと凄いアルバムになる。
──“クラシック・モダン”とはどういうスタイルですか?
若井望(Nozomu):正統派のメロディックなハード・ロック/ヘヴィ・メタル…レインボーだったり、ホワイトスネイク、ディオなどが作り上げて来たスタイルを継承して、さらに現代のモダンなサウンド・スタイルを採り入れてやっていく。それが俺たちのスタンスである“クラシック・モダン”のスタイルになっていくと考えている。これから先、ロニーとまたアルバムを作っていくことで、このスタイルは進化していくと思うよ。
──昨年<ラウド・パーク16>で来日しましたが、ロニーから見て日本はどうでした?
ロニー・ロメロ:すごくエキサイティングだったね。日本に行くのは初めてだったし、ローズ・オブ・ブラックにとっても初めての日本でのショーだった。しかもあんな巨大なフェスでむちゃくちゃ興奮したよ。日本ではみんな親切だし、まるで俺たちがロック・スターであるかのように扱ってくれた。本当に良い経験だった。早くまた日本に行って、みんなに会いたいね。
──今後はどのようなスケジュールになりますか?
若井望(Nozomu):まずこのアルバムを秋にリリースしたいから、それに向けて全力でこの作品を創り上げるというのが最優先かな。この時点ではまだ言えないけど、リズム・セクションもこれ以上ないくらいこのプロジェクトに合ったミュージシャンなんだ。ロニーには近々、日本にもまた来てもらうことになると思う。プロモーションも行うし、アルバムのリリース後にはライブも考えているからね。期待していて欲しいね。
ロニー・ロメロ:とにかくノゾムからの連絡を待っているよ。はたしてどんな計画が実現するか…ノゾムとワード・レコーズからの提案があれば、どんなアイディアでも前向きに考えていくつもりだ。今のところ彼らのアイディアは最高なものばかりだし、これからどうなるか、俺自身すごく楽しみにしているんだ。
◆ ◆ ◆
2人が正統派メタルに全身全霊を傾けた入魂ぶりは、共演曲のひとつ「メタル・ソウルズ」というタイトルからもうかがうことができる。ソウルフルなシャウトとエモーショナルなギターが両輪となり、心を撃つメロディこそ“クラシック・モダン”の真髄であろう。最強の布陣となったDESTINIAが生み出すアルバムは、2017年秋のリリース予定だ。
Photo by Emi cBerbel/Julian Villar
<伊藤政則のロックTV! プレゼンツ LORDS OF BLACK special guest NOZOMU WAKAI>
@東京 渋谷クラブクアトロ
18時開場 19時開演
8月31日(木)
@大阪 梅田クラブクアトロ
18時開場 19時開演
¥7,500(スタンディング/入場整理番号付/税込)
※ドリンク代別
[問]ウドー音楽事務所 udo.jp http://udo.jp/concert/LordsOfBlack
◆“伊藤政則のロックTV! プレゼンツLORDS OF BLACK” オフィシャルページ
◆若井望Destinia オフィシャルページ
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