【インタビュー】ザ・デッド・デイジーズ「スーパーグループじゃないよ(笑)」

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ザ・デッド・デイジーズの来日公演が2017年5月に開催される。

◆ザ・デッド・デイジーズ画像

ジョン・コラビ(Vo/元モトリー・クルー)、ダグ・アルドリッチ(G/元バッド・ムーン・ライジング~ディオ~ホワイトスネイク)、マルコ・メンドーサ(B/元ブルー・マーダー~ホワイトスネイク~シン・リジィ)、ブライアン・ティシー(Dr/元プライド&グローリー~ホワイトスネイク)、デイヴィッド・ローウィー(G)という豪華な布陣で2016年にアルバム『メイク・サム・ノイズ』を発表、ハード・ロック界のスーパーグループとして注目を集め、<ラウド・パーク16>での熱演は同フェスのハイライトのひとつとなった。

今回のヘッドライナー・ツアーは、クラブ規模で彼らのステージを堪能できる絶好のチャンスだ。来日に先駆け、ジョン・コラビ、マルコ・メンドーサ、ダグ・アルドリッチの3人に語ってもらった。



──“スーパーグループ”と呼ばれることについてどう考えますか?

ダグ・アルドリッチ:僕はザ・デッド・デイジーズが“スーパーグループ”とは考えていないんだ。みんな親しい友人だよ。

マルコ・メンドーサ:スーパーグループというと、1回ツアーをやって運が良ければアルバムを1枚作って、金を稼いでハイさよなら、みたいなイメージがあるだろ(笑)?そういうのは避けたいんだ。俺たちはバンドとして行けるところまで行きたい。『メイク・サム・ノイズ』は最高のアルバムだったけど、このラインアップでそれ以上のアルバムを作りたいんだ。それは可能だと思うよ。

ジョン・コラビ:ザ・デッド・デイジーズは普通のバンドとは逆方向でスタートしたんだ。通常の場合、ミュージシャン達が集まってバンドを結成して、曲を書いて、アルバムを出す。ザ・デッド・デイジーズの場合はデイヴィッド・ローウィーとジョン・スティーヴンズが2012年にバンドを結成して、アルバムを作った。それからマルコが入って、俺、それからダグ…そうしてバンドが出来上がっていったんだ。ロック界では珍しい例だと思うし、そんなイレギュラーを楽しんでいるよ。

──これまで何度かメンバー交替を経てきましたが、“バンド”としてのアイデンティティはどこにあるのでしょうか?

ジョン・コラビ:バンドを始めたのはデイヴィッド・ローウィーだけど、デイジーズの良いところは、バンドでありながらガチガチでないユルさがあることなんだ。去年ブライアン・ティシーがツアーに参加できなかったとき、トミー・クルフェトスが代役を務めたことがある。リチャード・フォータスがバイク事故に遭ったときはデイヴ・レスリーというギタリストが助っ人で参加した。マルコの代わりにダリル・ジョーンズがプレイしたこともあるし、自由度が高いんだ。

マルコ・メンドーサ:ジョンも元々は助っ人だったんだ。キューバでショーをやるとき、ジョン・スティーヴンズがアメリカを出られなくて、だったら誰がベスト・シンガーだろう?って考えた。俺はジョンの歌声のファンだったし、彼のことが真っ先に頭に浮かんだんだ。

ジョン・コラビ:ウソつけ、トム・キーファーが捕まらなかったからだろ(笑)!

──ダグは2016年に加入した最新メンバーですが、どのようにバンドに溶け込んでいますか?


ジョン・コラビ:ダグが17歳ぐらいの頃から知っているから、彼が“新加入”と言われてもピンと来ないんだ。マルコやブライアンはホワイトスネイクでダグと一緒だったし、俺と同じ気持ちだと思う。

マルコ・メンドーサ:リチャード・フォータスがガンズ・アンド・ローゼズに戻ることになったとき、バンドを前進させていくために誰を迎えるかをみんなで話し合ったんだ。みんなダグの人柄とギターの腕前を知っていたし、全員一致で声をかけることにしたよ。

ダグ・アルドリッチ:マルコとブライアンに「真夜中のモーゼ」のビデオを見せてもらって。最高だ!クールだよ!と興奮したのを覚えている。その後、バンドに入らないかと訊かれて、天国に上る気持ちだったね。さらにエキサイトしたのは、自分がこのバンドのクリエイティヴな作業に関わることができたことだった。みんなと『メイク・サム・ノイズ』を作ることができたのは、最高の経験だったよ。

──ジョンは気がついたら“元ホワイトスネイク”のメンバー達に囲まれていたわけですが、どんな気分ですか?

ジョン・コラビ:(デヴィッド・カヴァーデイルを真似しながら)うん、イギリス人になった気分だよ。いや実際のところ、彼らを“元ホワイトスネイク”と見ることはほとんどない。それ以前から彼らとは友達だからね。

──バンドのギタリストであるデイヴィッド・ローウィーはオーストラリアの投資企業ローウィー・ファミリー・グループのCEOという、一流のビジネスマンでもありますね。ミュージシャンとしての実績は他のメンバーほどありませんが、彼はバンドにおいてどのような位置を占めていますか?

マルコ・メンドーサ:デヴィッドは優れたビジネスマンであり、同時にギタリスト、そして友人だ。彼は俺たちと同じく音楽を愛しているし、いくつも素晴らしいアイディアを持っている。「ロング・ウェイ・トゥ・ゴー」「マイン・オール・マイン」のリフは彼が書いたものだよ。俺がデイヴィッドのことを知ったのは、シン・リジィがKISSやモトリー・クルーと一緒にオーストラリアに行ったとき、彼のバンドが前座を務めていたんだ。曲を聴いて、オッ!と思った。そうして話して親しくなった。デヴィッドと知り合ったのは彼がビジネスマンだからではなく、良い曲を書くミュージシャンだったからなんだ。

ジョン・コラビ:ザ・デッド・デイジーズのことを“大富豪の道楽”と言う連中がいるのは知っている。でもロック・ファンだったら誰だって、ドリーム・バンドを組んでみたいだろ?俺だってそうさ。しかも彼は本格的にギターを弾けるし、しかも良い友達だ。俺たちが彼に“買われた”と思ったら、それは大きな勘違いだよ。

──ダグはギタリストとしてのデイヴィッドをどのように評価しますか?

ダグ・アルドリッチ:彼はエネルギーに満ちていて、誠実なスタイルを持ったプレイヤーだよ。彼が無心にヘヴィなコードをガーン!と弾くのを見ると、自分もギターを弾く喜びを再確認させられる。僕はホワイトスネイクでもツイン・ギターでやってきたけど、ザ・デッド・デイジーズでは異なったケミストリーを生み出すことができる。

ジョン・コラビ:ダグはロック界のトップ・ギタリストだ。デイヴィッドはベーシックなギタリストで、バンドの中で自分が占める役割を心得ている。2人のギター・コンビには独自のスタイルがあって、それを真似することは誰にもできない。AC/DCのマルコムとアンガス・ヤングと同様に、ソリッドでユニークなものなんだ。シンプルに聞こえても、コピーしようとすると、いかに難しいか気付くんだよ。

──『メイク・サム・ノイズ』のプロデューサーにはエアロスミスなどとの作業で知られるマーティ・フレデリクセンが起用されていますが、彼との作業はどんなものでしたか?

ジョン・コラビ:マーティは大物プロデューサーだし、さまざまなアーティストと作業をしてきたけど、ザ・デッド・デイジーズのメンバーではブライアンとしか一緒にやったことがなかったんだ。俺はザ・スクリームでやっている頃、彼がプロデュースしたブラザー・ケインとツアーしたことがあって、その手腕について聞いていたけどね。彼は最高のプロデューサーというだけでなく、最高のソングライターでもある。決して威圧的ではなく、スタジオでみんなと会話して、トラックを聴いて「こういう風にしてみたらどう?」と提案してくれる。大抵の場合、曲がずっと良くなったよ。

ダグ・アルドリッチ:『メイク・サム・ノイズ』の選曲にもマーティが大きく関わっているんだ。俺たちが書いた曲にはバラードもあったしダンスっぽいものもあった。でもマーティは焦点を絞って、かつてなかったほど強烈に尻を蹴り上げるロックンロール・アルバムにするべきだと主張したんだ。結果として、それが正解だったと思うね。

ジョン・コラビ:レッド・ツェッペリンの「レイン・ソング」みたいな、複雑なアレンジの大曲もあったんだ。俺たちもマーティも最高の曲だと思っていたけど、アルバムの流れに合わないと感じて収録しなかった。ただ永遠にボツにしたわけではないし、次のアルバムに入れるかも知れない。ライヴで先行公開してもいいかもね。もしデイジーズがやらないなら俺がソロ・アルバムでレコーディングするよ。

──ライヴやスタジオでビートルズの「ヘルター・スケルター」、ザ・フーの「ジョイン・トゥゲザー」、CCRの「幸福な息子」、アレックス・ハーヴェイの「真夜中のモーゼ」などをカバーしていますが、それは誰が選んだのでしょうか?

マルコ・メンドーサ:俺たちはみんなオールドスクールなロックが好きだし、ジャムをやっていると自然発生するんだ。「幸福な息子」はヨーロッパでラジオ出演をしたとき、アコースティックで演奏したのが最初だった。俺たちに楽器を持たせたら、ものの5分でジャムが始まるよ。誰にも止められないんだ。

ジョン・コラビ:決してオリジナル曲のストックがないからカバー曲をやっているわけじゃないよ(笑)。『メイク・サム・ノイズ』でも22~23曲のアイディアがあった。でもあえて数曲はカバーにした。俺たちがガキだった頃に好きだったバンドへの敬意を表して、若い世代のリスナーに知ってもらいたかったから。もちろん第一の理由は、俺たちが楽しみたいからだけどね。

──カバー曲で候補に挙がっていながらレコーディングしなかった曲はありますか?

ジョン・コラビ:たくさんあるよ。フリー「オール・ライト・ナウ」、レッド・ツェッペリン「ランブル・オン」、エアロスミス「シック・アズ・ア・ドッグ」、ロッド・スチュワート「マギー・メイ」…ライブ前のサウンドチェックでジャムをやっているとき、突発的にプレイし始めるんだよ。レッド・ツェッペリン「ワントン・ソング」をプレイしたこともあるし…このラインアップには、何時間でもジャムをやれる懐の深さがあるんだ。

ダグ・アルドリッチ:<ラウド・パーク>では時間制限があったけど、単独ライブではジャムをやりたいね。自分たちでも予想しなかったカヴァーが飛び出すかも知れない。ファンのみんなと同じぐらいドキドキしているんだ。

取材・文:山崎智之



ザ・デッド・デイジーズ『ライヴ&ラウダー』

2017年5月10日日本先行発売予定
【50セット通販限定 ライヴCD+ボーナスDVD+輸入盤2LP+輸入盤7”EP+各メンバー直筆サインカード5枚】¥10,000+税
【初回限定盤ライヴCD+ボーナスDVD】¥3,800+税
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【日本語解説書封入/日本語字幕付き】
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ザ・デッド・デイジーズ『レヴォリューション』

2017年5月10日発売予定
【CD】¥2,500+税
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ザ・デッド・デイジーズ『ザ・デッド・デイジーズ』

2017年5月10日発売予定
【CD】¥2,500+税
【日本語解説書封入】
http://wardrecords.com/SHOP/GQCS90333.html

ザ・デッド・デイジーズ『メイク・サム・ノイズ』

2016年7月27日発売
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