【インタビュー】「響くような言葉を言っても許されるアーティストになりたい」──『えんとつ町のプぺル』を歌ったロザリーナに聞く

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■音楽を諦めるつもりで書いた曲でデビューが決まる

──アルバムの中で一番新しい曲は?

ロザリーナ:「little star」ですね。

──この曲では“誰かを傷つけた数だけ人の痛み知ってる/今度こそ自分に負けるな ”の部分が心に残りました。

ロザリーナ:人は人との繋がりでできていて、でも誰かを傷つけた時に自分もおんなじくらい痛くて、そのトラウマのせいで人との関わりを避けることもあって、一人ぼっちになる。でも結局誰かと繋がっていたくて、それは成長にも繋がることで。だから、今度こそ自分にも負けるな!という思いです。

──この曲を書き終えて、自分の中で成長できた部分はありますか?

ロザリーナ:この歌はすごい好き。今の自分っぽいなと思って。1番と2番で、子供のことと大人のことを歌っています。

——歌詞に出てくるウェンディはピーターパン?

ロザリーナ:はい、そんな感じです。ピーターパンをちょっとこっそり題材に使ってます。

──「Rabbit」は英語の歌ですね。

ロザリーナ:この曲と「メリーゴーランド」はアレンジャーさんが音源を作ってくれていて、この曲はオケを聴いてみた感じから聞かせる曲よりかはBGMのような何も考えないで流しておける曲になればいいな、と思って作りました。友達に英語の歌詞を手伝ってもらって、初めてすべて英語で歌っています。

──洋楽は聴くの?

ロザリーナ:聴きます。マルーン5のアダム(・レヴィーン)がカッコ良すぎて大尊敬しています! 曲として好きなのは、アウル・シティがめちゃ好きですね。まず名前がいいし、曲のすべての統一性もあって羨ましいです。女性シンガーだったら、アヴリル・ラヴィーンは昔から聴いていました。美しすぎる(笑)。邦楽の女の人だとYUKIが好きです。ほぼカラオケでも歌えるくらい。YUKIを聴いて、JUDY AND MARY時代まで遡って聴いてました。基本、キーの高い人が好きです。カラオケとかで歌うときに叫べるから(笑)!

──ロザリーナさんの声はとても個性的ですが、メロディを作る時に意識していることはありますか?

ロザリーナ:あんまりないです。Aメロのいい曲が好きなので、だからAメロをどうしても良くしたいと思い、次にサビを作ってからBメロを作ることが結構あります。でもサビでキーがどんどん高くなって「歌えないなぁ」となって、全体的にキーを下げると今度はAメロが低すぎて。ちょうどいいところが結局見つからない、それを解消するためにBメロで転調させようと思ってもうまくいかなくて。だから、「大丈夫ですかね〜」って感じでやってます(笑)。

──「モウマンタイ」は広東語ですよね?

ロザリーナ:わかんないです。「問題ない」で調べたら、「モウマンタイ」って出てきたので。この曲は“モウマンタイ〜”っていうメロディだけを作っていて、そのギターのコードとのハマりが自分的にすごく好きだったから、それを曲にしたいって思って作った曲です。今は一番好きな曲です。

──歌詞に引用されてる“現実は常に公式からはみでる”というのはファーブルの名言ですよね?

ロザリーナ:そうです。でもちょっと間違っているんです、ファーブルは科学者じゃなくて生物学者なので。でもそれだと文字数にハマらなくて。すごい悩んだけど、生物学者も科学者といえば科学者じゃないですか。だからいいかなって思って(笑)。

──これだけの歌詞を書く人だから、絶対にそれをわかって科学者にしたんだと思いました。

ロザリーナ: 調べることは好きですね。

──格言というか名言とかも歌詞に入れてくるし、これも最後に“限られた時間がある以外は”って持ってくるところもうまいなぁって思いました。これだけ多い言葉もメロディにもうまく乗っているし。

ロザリーナ:ありがとうございます。でもこの曲はすごく大変でした。言いたいことが多すぎて。

──名言とか言葉が好きなのがわかります。

ロザリーナ:好きです! そういう本を見ているのも好きです。アインシュタインも「熱いストーブの上に1分間手を当ててみて下さい、まるで1時間位に感じられる。では可愛い女の子と一緒に1時間座っているとどうだろう、まるで1分間ぐらいにしか感じられない。それが相対性です」って言ってて。天才ってこういうことを考えているんだって思っていますね。


──「真夏のスノーマン」はどういうきっかけで生まれた曲ですか?

ロザリーナ:「星の国」の次くらいに古いのが「真夏のスノーマン」なんですよね。音楽を始めてから、音楽を諦めたいなと思った時があってそのときに作った曲です。

──「星の国」とはガラッとタイプが違う。

ロザリーナ:そう、すごいもうストレート。あんまりストレートに書くのは好きじゃないので、ちょっと恥ずかしいなぁと思います。ハハハ。

──でも、これをきっかけにもうちょっと音楽を続けてみようと思ったの?

ロザリーナ:そうですね。この曲がきっかけでいろいろな人と出会えました。

──これがリードトラックですもんね。

ロザリーナ:最初は「モウマンタイ」で行く予定だったんですけど、アレンジが上がってきたら、「こっちの方がいい」ということになったんですよね。

──なぜ、真夏のスノーマンなの?

ロザリーナ:夏は雪だるまが溶けちゃうじゃないですか、ていうか、雪がないじゃないですか。だから溶けそうなスノーマンの話です。塩をかけられたナメクジみたいな。

──さすが、うまいこと言いますね! なるほど。今の意味を聞いたら、この曲がもっと好きになりました。

ロザリーナ:ありがとうございます(笑)。

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