【連載】Vol.004「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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木暮“shake”武彦 新作『惑星にて』セルフ・ライナーノーツ~与えられた命の時間に感謝し、喜び、楽しみたい!


自らのスタイルを貫き通し、ロック・シーンを闊歩する気骨あるロック・ミュージシャン、木暮“shake”武彦の新作『惑星にて』(クリアスカイ/CS-1158)が12月21日ファンの前に登場。力作である。その素晴らしきアルバムをshakeにじっくりと語ってもらったセルフ・ライナーノーツをご堪能あれ!


Mike:このところのshakeはアコースティックな動きの中での活動が中心です…。

shake:最近はアコギ・アルバムを制作。もちろん作りたいから作ったんだけど、ふと、このままアコースティックのギタリストとして生きていくのかなと思った。アコギに関しては自分がやりたかったことは、やり終えた気分になって、この先はどう進むかって。これに拘って曲を作っていくと、段々とテクニカルになっていく。それって、俺の音楽が果たして良くなるのだろうか。逆に、つまらないことになっているんじゃないかと思ったんだ。そんな時にエレキ・ギターを弾いてみたら、凄く楽しかったんだよね。

Mike:shakeは、エレキのイメージ、そんなshakeが、真逆のアコースティックなアルバムを作ってきた。そんな中で新作「惑星にて」でのエレクトリックなギターワークは、これまでやってきたアコースティックが関連しているのか、とても優しく、そして雄大さも加味された作品集として仕上がった。

shake:気分はロックだけど、アコースティック感を全て排除して、昔のようなスタイルに戻ることはしたくなかった。J-POPとは一切関わりたくない、俺は「宇宙対自分」で音楽を作るんだ!みたいな気持ちで富士山に移住したんだ(笑)。自由にジャムって、空間的表現で、ヘヴィーなロック・バンドが演るような曲ばかりを作った。アルバムを3枚作ったんだけど、逆にヘヴィ過ぎて疲れた(笑)。それで、元々やりたかったアコースティックを始めたんだ。マーケットに向けての気持ちは一切なくて、純粋に自分自身の表現を求めたいと思ってね。で、やっていくうちに段々とまろやかな気持ちになってきて、元の自分も受け入れられるようになったって感じだね。


Mike:マーケティングを考えてしまうと、おかしなことになるし、今はロックと言っても、似非ロックばかりじゃないですか。本当のロックは少ない、グルーヴも感じない。J-POPとロックが同一線上でぐちゃぐちゃになって語られてて、「なんだよ、これ本当にロックかよ…。これを世界に向けて、ロックと言えるのか?」。でもshakeはアコギだろうがエレキだろうがロックなグルーヴをダイレクトに感じさせる。そして「自然界の中の叫び」!

shake:地球と遊びたい、みたいな感じ(笑)。

Mike:だからこそ、タイトルが「惑星にて」!!

shake:そう、地球なんだよね。


Mike:アルバムは変にカテゴライズされてなくて、本当に自由にやって、ある曲はスローでじっくり聴かせるし、子供たちへのメッセージ・ソングみたいな歌詞を感じさせる曲もある。聴きこんでいくと、深い意味での宇宙観みたいなものを感じた。今、自然界で生きているshakeの「クリエイティヴな叫び」のようにも感じたね。全曲新曲?

shake:1曲は2011年にリリースしたアコースティックのファースト・アルバム『水と光の魔法』収録の「Mountain Blue」をバンド・バージョンにして、「Big Mountain Blue」として登場させた。

Mike:2017年からのツアー・バンド名と同じだね。

shake:うん、そうだね。『惑星にて』は全曲、作詞・作曲した。

Mike:作詞と作曲はどっちが先なの?

shake:殆どの場合、作曲。歌詞は最後に「しょうがねぇなぁ」な感じで作ることが多いけど(笑)。でもね、やり出すと面白いんだ。歌詞ならではの創造的で、力強さを感じる。だけど、やっぱり、おれの基本は「音」で、「音の世界」が好きだよ。インストゥルメンタルをやっていたぐらいだからさ。知覚を刺激し、超立体に聴こえるような「音」の作品を作りたいね。

Mike:曲はどんな時に作るの?「曲を作るぞ!」なのか、それとも自然な流れに任せるの?

shake:「作るぞ」って時に。自然に曲が湧いてくることはないね。感じたフィーリングで、「これを、いつか曲にしたい」っていうのはあるけど、曲を作る時はエネルギーが必要だから、創作意欲のアンテナを立てるというか。そうやって、自分を呼び覚まさないと、面倒くさくなっちゃったり、曲作りを後回しにするとアイディアを忘れてしまったりするから。曲作りって、かなりのエネルギーと、かなりの根気が必要なんだ。俺は、自分のことを演奏家だとは思っていないから、基本的に曲を作ることがマストなんだ。ピンク・フロイドを演っている時は演奏家なのかもしれないけど。ギタリストが色々なところに行って、ただギターを弾いているということではなく、自分の曲を弾いているわけだから。


Mike:ニュー・アルバムはとても良くできている。

shake:ありがとう。今回のアルバムには大げさなコンセプトはなくて、とにかく自由にやろうと思ってね。「芯が自分」っていうのはあるけど、コンセプチャルな部分は無いし、音的に統一感を持たせようということもなくて。

Mike:丁寧にひとつひとつ作品を作り上げ、それを1枚のアルバムに纏めあげている。そこにひとつの世界が出来上がっている。shakeの個性という世界感が。

shake:良いねぇ。嬉しいよ。

Mike:アルバムのオープニングが予想外で、いきなりパーカッションから始まるじゃない。

shake:あはは(笑)そうだね。

Mike:パーカッションを使うことによって、アルバム導入部分のオープニングにパッションを感じさせてくれる。このアルバムはラテン・フレーバーなのか?と、一瞬錯覚してしまうくらいとても情熱的だよね。

shake:久しぶりにエレキ・ギターを弾くことに対しての、ファンファーレみたい感じかな(笑)

Mike:都会的な感覚ではなくて、shakeらしい「自然界の叫び」のような情熱的なパーカッションだよね。

shake:そうだね。「地球的なエネルギー」みたいな感じなのかもしれないね。

Mike:次の曲「春の旅人」は、地球の将来を担う子供たちへのLOVEな気持ちをダイレクトに感じさせるような、子供たちに自然を残してあげたいという気持ちがあって、そこに優しいエレクトリックなギター・サウンドが入ってきてる感じがする。

shake:そんなにね、偉そうに考えてはいないんだよ。30代後半からずっと思ってきたことを曲に集約して、込めただけというか。やっぱり地球に生きているってことが、とても素晴らしいというか。こんなこと言うと、馬鹿みたいに聞こえるかもしれないけどさ(笑)。だけど、宇宙全体で考えてみれば、地球って天国的な場所であるわけでさ。だから、本気で喜んで感謝すべきだと思うんだよね。そういうことを一切思わないと、不安ばっかりで嫌なことばかりに頭が捉われてしまうけど、嬉しい気持ちがあれば、そうはならないじゃない?

Mike:さっき、「子供たちへのLOVEな気持ち」と言ったけど、本人は意識していなくても、shakeに子供が生まれて、富士山に移住して、そういう気持ちが無意識なうちに芽生えたんじゃないかなぁって思ったんだよね。

shake:まぁ、そうだね。子供がね。昔は、そんなこと考えてなかったな(笑)。子供と薪割りしたりするのが、いいなぁって思えるよね(笑)。


Mike:ラブリー・レイナさん、いい味を出してます。

shake:Mt.デリシャスっていうバンドで活動していた時に「声のパフォーマンス」で参加してもらったんだけど、ソフトな曲調の中で、違った味わいを出したかったんたんだ。

Mike:「喜び」はイントロのギターがとてもパワフルだけど、意識的に少しヴォリュームをダウンさせてる?エレキとアコギの音をクロスさせるような意味でさ。

shake:俺はギタリストで育ったから、ギターの表現を色々と自由にしたかったんだよね。バンドでギターって、8小節弾いたら、次はソロを弾けぇ!弾けぇ!!みたいな感じゃん(笑)。でもさ、半分眠たげな感じでギターを弾いてて気持ちいいなって思える時もあるじゃない? そういう良さも出したいなと思ったんだよね。本来だったら、アコギのイントロから歌が入るべきなんだろうけど、そこにギターを持ってきた。おれはギタリストだからさ。で、ギターの次に歌を持ってきたってわけ。

Mike:ギターはパワフルなんだけど、ソフトな感じもするよね。

shake:うん。エッジはあるけどソフトにね。ロック・バンドではなかなか出来ないことだよね。

Mike:4曲目の「少年の空」ヴァイオリンの美しい音色で始まるよね。

shake:ヴァイオリンニストの相沢アリアさんと三年前に知り合ってさ。基本的にアリアさんは沖縄を演奏の舞台にしていて、おれが今年の春に沖縄に行った時に一緒に演ろうって話になったんだ。で、いざ演ってみたら、凄く良くてね。おれが何も言わなくても、この人は演れるんだなって思った。クラシック系の楽器をやる人は何でもできるけど、演るとなったら「じゃ、譜面下さい。」みたいなイメージで、そうなっちゃうと、おれは、「え?譜面?誰かにアレンジして起こしてもらわなきゃいけない」ってなっちゃう(笑)。でも、アリアさんはロックも好きで、ロックも演るから、口だけでもイメージが全部伝わるんだよね。「少年の空」は、最初はヴァイオリンが入ってなくて、それでも成立してたんだけど、ヴァイオリンは曇り空のような感じになるかなと思って、イメージだけを伝えたらその通りになった。

Mike:あうんの呼吸だね。

shake:うん、そうだね。

Mike:この曲も、“少年よ、大きな夢を持って生きよう”みたいなイメージを感じたけど?

shake:いや、俺が思っているのは、子供の一番美しい時代というのがあってさ、4歳から10歳ぐらいかな。大人の世界を、とてつもなく大きく感じていて、何が何だかわからない。だって、そこには踏み込んだことがないからね。大人だったら、車で10分ぐらいで通り過ぎることが出来てしまう範囲は、子供の小さな世界にとっては、永遠なる世界なわけ。そういう世界で暮らしていた子供の頃の記憶だったりとか、自分の存在だったりとかは、ハッキリしたものではなくて、色々なものが混ざって、折り重なってる感じで、俺にとっては最高の時代なんだよね。

Mike:さっき少し話に出た「Big Mountain Blue」。昔はshakeに「マウンテン」なんて関係ないって感じがしてたんだけど(笑)。

shake:マウンテン?!マウンテン、大好きなんだ(笑)。俺が住んでた埼玉とか、東京には山がない。見えない。ずっと、そういうものだって思ってたけど、大阪はわりと山が見えたりする。今は山を見てるととても幸せなんだ。山って、人間の領域じゃないパワーを感じると言うかさ…。山を見るのが大好き(笑)。山登りも時々する。ある時、富士山の前にある山に登ったんだけど、目の前に広がる樹海が緑の絨毯みたいで、正面を見ると富士山が抱きかかえられるような景色で、神々しい世界なんだ。でも、大変だから、めったに登らないけど(笑)。見たり、車で走ったりするのが良いよ。山に日が沈んでいく景色はとても素晴らしい。

Mike:この曲は、なんとなくアイリッシュなイメージも感じたけど。

shake:それは、楽器のせいだと思う。ヴァイオリンが入ってるからね。さっきも言ったけど、元々はアコギの曲「Mountain Blue」だから、普通にアコギで弾くと、アコースティックの曲だなって思えるんだけど、今回はドラムとベースとオルガンを入れて、ストリングスとヴァイオリンも入れた。アコギとオルガンとストリングスとヴァイオリンは、ほぼ同じメロディを弾いてる。同じイントロのメロディなのに、オルガンで弾いたら、急にELP、エマーソン・レイク&パーマー楽曲みたいになってさ。今度は、ヴァイオリンで弾いてみたらバッハみたいになって(笑)。楽器で同じことを演っても、こんなにも違うんだ?!と思った。アイリッシュな感じは、アコギとヴァイオリンがミックスしているからかもしれないね。Big Mountain Blueツアーバンド名でもあるんだ。カントリー・バンドみたいで良くない?(笑) バンジョー加えて、カウボーイ・ハット被っちゃたりしてさ!(笑)

Mike:東京では、1月21日(土)に「Big Mountain blue」でのライヴだよね?

shake:うん、凄く楽しみにしてる!

Mike:次の曲の「真昼」について聞きたいんだけど、富士山中で、真夏に太陽を見ながら何も考えず、人生の一呼吸しているような世界が想像できますが…。

shake:そうだねぇ。自分、そのものって感じがする(笑)。俺って、動かない人間なんだよ。ボーッとして、2時間、3時間と経っていって、日が段々と陰っていく…、みたいな感じが好きなんだよね。凄い幸せを感じる時間。

Mike:そういう気分を味わえるライフ・スタイル、人生は良いね。

shake:でも、今はあんまりそんな時間がないんだよ。忙しくて。すぐメールが入ってきたりするし…。今って、何だか忙しくない?昔って、時間が沢山あって、暇だったよね(笑)? 一週間ずっと本読んでるだけみたいな時あったもん。やばいよね。おそろしいよね(笑)。富士山に住んでるから、気持ちが元気になって、やりたいことも沢山出てくるから、逆に今は忙しいのもいいなって思ってはいるんだけど。のんびりしてた当時の記憶を懐かしんで作ったんだよ(笑)、この「真昼」。1995年頃、WINDOWS95登場あたりから、おかしくなってきたよね。その前は結構のんびりしていた。1995年に帰国したんだけど、海外に住んでいた時はのんびりしてたね。電話だけで、FAXすらもなくて(笑)。

Mike:「名もなき谷を走れ」は、“あの歌がまた聴こえて来たのさ”がテーマの曲。Shakeがここで聴こえてきた“歌”とは?

shake:“歌”は比喩なんだよね。自分にとって、一番嬉しい“歌”は、アメリカにいた頃にインディアンの土地であるアリゾナをドライブしていた時なんだ。目的地は一応決めるけど、土地自体がわからないから、いきなり大きな岩が出てきたり、大きな谷が出てきたり、予期せぬ衝撃を受けてね。分かってることを、分かっているようにやるのではなくて、とにかくやってみる。何歳になっても、知らない道を通って、生きていきたいって。その時はわからないんだけど、終わってみると楽しかったと思えればいいよね。アメリカに住んでた時は、悩みの時期の30代だね。もっと、自分を広げなたいと思っていた。クラシックを聴き始めてみたり、アメリカを横断してみたりもしてね。ネイティヴ・アメリカンの知恵を知ったり、生活ぶりを見て、哲学というわけじゃなくて、俺にとってのアメリカでの楽しい生き方を見つけたよ。


Mike:「夜の底」はshakeらしいナンバー、歌詞がロックしてるね。アルバムの流れを変えるというか。

shake:急に悪いヤツが出てくる、みたいなね(笑)。「夜の底」は最後に作った曲で、ライヴでブルース・ロック演りてぇな、みたいな気分で作ってみたんだけど、「春の旅人」のような美しい部分もあるよね。人間の持つ毒みたいなものってあるじゃない。青空もあれば青い海もあるけど、一方で地球が噴火したり、地震が来たりするし。人間は怒ったり、嫉妬したり、ずる賢かったりする部分もあるよね。美しい部分も入れたら、よりリアリティが出てきたんだよね。

Mike:人間は、そういう部分を絶対に持っているからね。

shake:それは悪いことではないと思うんだよね。黒いエネルギーっていうかさ(笑)。それが、スパイスになったりもするからね。

Mike:三國さんのキーボードがとても良い味を醸し出しているよね。

shake:うん。三國さんにしては、珍しい音を出しているんだよ。凄く気に入っているよ。

Mike:エンディングもいいよね。WOW!っていう感じのギター。

shake:あの終わり方は静かだけど、ロックだね。からピックかな。

Mike:そして「悲しい世界で」。

shake:たまたまギターをいじっていたら、ああいった感じが産まれて、曲調的には1970年代のアメリカン・ポップスのイメージに近いかなと思っている。ギター・ソロはおれが弾いているから、ロックっぽい部分はあるかもしれないけど。ちょうど洋樂を聴き始めた中学の頃の親しんだカーペータンズみたいな…。カーペンターズ、ずっとは聴きたくないけど、たま~には良い。

Mike:「古い歌を歌おう」、歌詞は短いけど、曲全体のスケール感が大きい。

shake:この曲は、歌の部分が最初に出来たんだけど、物凄く気に入って、興奮したんだ。だから、もうこれで充分だなと思って、あとは自由に演奏しようと思ってね。

Mike:shake と Yoshitakaの演奏バトルも良い。

shake:いいでしょ?あんな感じを音源として、CDに収録することなんてないじゃない? ライヴだったら演ったりするけどね。

Mike:凄くライヴ感があるから、ステージで演ったら数倍盛り上がれるんじゃないかな。個人的にもこのギター、大好きだ。

shake:ソロ・アルバムだから、好きにやっていいんだよ。アルバムを作る時って、世の中的にも自分だけじゃないから、どうしてもかしこまってしまう部分があってさ。でも、もっと面白いことやった方が良いんじゃないかなと思うんだ。

Mike:この曲での“古い歌”とは、そして“戦い”って?

shake:ハッキリとはわからないんだけど、自分の中の奥底にある「良いって思える」ことをやるべきなんじゃないかなって。時代がどう、世の中がどうってわけではなくて、自分が感じる「良いって思うこと」をちゃんと表現することが大切なんじゃないかなって。そんな感じなんだと思うな。

Mike:来月のライヴで「古い歌を歌おう」は何分ぐらいになるのかが楽しみだ(笑)。この曲のおかげで終電に間に合わないぐらいの演奏バトルを演ってもらいたいものだね。

shake:あはははは(笑)。

Mike:最後の曲「陰影」はアコースティックな展開でしっとりとメロディアスな優しい曲。

shake:クラシックみたいなイメージかな。アコギでアルバムを4枚作った。「アコースティックな自分」の集大成みたいな感じがこのナンバーだと思っている。演奏的にも面白くて、雰囲気は微妙な音楽なんだけど、自分としての満足度が高い曲だね。


Mike:集大成だと思える曲をラストに持ってくるというのが、エキゾチックな感じがして、凄くいいね。

shake:ヴァイオリンが入っているのも凄く気に入っている。とにかくクラシックも好きなんですよ。ラヴェルがピアノで発表した曲をオーケストレーションして、オーケストラで演ったりするのも聴いて、両方を聴き比べてみると凄く面白いんだ。そういった音楽にも取り組んでみたい。クラシックは好きで、随分聴いたから、『惑星にて』にもその雰囲気や要素は入っていると思う。

Mike:いつ頃から、クラシックを聴き始めたの?

shake:30代後半からだけど、富士山に移住してからは、しばらくクラシックしか聴かない時期もあった(笑)。ロックしか知らなかったから、もっと色々な世界を知りたくなった。アートだったり、クラシックだったり、宗教だったり、色々なことを知りたいという知識欲に駆られたんだ、30代に。

Mike:富士山麓とクラシックはマッチング!

shake:うん、合うよ。自然の風景とクラシックは凄く合う。樹海を車で走っている時、BGMでクラシックが流れていると最高に良い。ロックは自由な音楽っていうイメージがあるけど、作り手からすると、結構不自由なんだ。まず、ビートがあって、イントロがあって、Aメロ、サビがあって、2番があって、ギター・ソロがあって、サビを繰り返して終わる、みたいな形が必ずある。ピンク・フロイドは、かなり自由にやってるけど、俺も自由な表現をしたいと、ずっと思っていたんだ。そのためには、ビートを無くすしかないなと思い始めた時に自由な表現が出来るクラシックに出会ったんだ。何年もロックの曲を作っていると、段々と窮屈になってきちゃう。ラヴェルが一番好きだね。人間的にはドビュッシーが面白い。

Mike:今年はソロでツアーをやってるけど、「惑星にて」からの曲を中心に演ってるの?

shake:そうだよ。今回のアルバム中心に周っていて、エレキ・ギターも弾いている。大きな反応があるのが「夜の底」。「何だか、急に悪い人になりますね」、みたいな感じなんじゃないかな(笑)。

Mike:来年はバンド形態でやるんだよね?

shake:まずは4カ所が決まっている。ソロのバンド・メンバーだから、色々と大変だけど、大変な分、楽しみにしてるんだ。ロック・バンドはロック・バンドでしかなくて、バラードもやるけど、10曲中1曲か2曲くらいなもんじゃない? 俺は半々くらいだから、リラックスして楽しめて、熱気もあるから、俺のライブは大人のロックなんじゃないかなと、思っているよ。


【2017年 木暮“shake”武彦 TOUR 2016『惑星にて』】
*1月11日 佐倉・サウンドストリーム
*1月14日 名古屋・ell.SIZE
*1月15日 大阪・ソーマ
*1月21日 代々木・Zher the ZOO

■木暮“shake”武彦(プロフィール)
ギタリスト、作曲家。1984年デビュー。ロック・バンド、レベッカ、レッド・ウォーリアーズで活躍したのち、1989年渡米、カリフォルニアにおいて5年半の音楽活動。帰国後、ソロ・プロジェクト、サイコデリシャスで活動。2003年長男の誕生を機に富士山麓へ移住。アートと宇宙、エネルギーの融合をテーマにした、Mtデリシャス、自然をテーマにしたアコースティック・シリーズを経て、2016年、6年ぶりにエレクトリック・ギターを弾いた通算27枚目のオリジナル・アルバム『惑星にて』をリリース。
オフィシャルサイト http://www.psychodelicious.com/

【プレゼント】
(1)shake直筆サイン入りCD『惑星にて』を2名様


(2)shake vs Mike はいつも東京・外苑前のカレー・バー「ヘンドリクス」で…。オーナーは勿論ジミヘン・フリーク。同店は「おとなの終末」“カレー東京完全ランキング”5位。噂によるとふたりの友人のDYくんもたまに姿を現すとか。そんなレトルト「ヘンドリクス チキンカレー」を3名様


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