【インタビュー】高崎晃(LOUDNESS)、35年の歴史を語る「ロックは自由でないとあかん」

■こういう活動が当たり前にやれることが
■いちばんの幸せなんじゃないかな

──これからLOUDNESSは、どんなことになっていきそうなんですか？

高崎：2017年もまたヨーロッパのフェスに出ますよ。今年はかなり出たんでね。＜スウェーデン・ロック・フェスティバル＞に、ベルギーの＜グラスポップ・メタル・ミーティング＞、フランスの＜ヘルフェスト・オープン・エア・フェス＞、スペインの＜ロックフェスト・バルセロナ＞、世界最大のメタルフェスでドイツの＜ヴァッケン・オープン・エアー＞、それからあと＜モンスターズ・オブ・ロック・クルーズ＞は2回船に乗ったしね。東も西も。それ以外にもロスでギター弾いたりとか、なんだかんだ海外は演りまくりました。

──お客さんも大騒ぎ？

高崎：そうですね。ギリシャとチェコは去年初めて行ったんですけど、すごい盛り上がった。チェコって本格的なクラシックの会場もあってすごい耳が肥えてるし、音楽ファンが多い。デカいフェスも順番やステージがメインになってきたし、ヘッドライナーになってきたりもしているから、楽しみやね。

▲＜ROCK FEST BARCELONA 2016＞＠スペイン

──素晴らしい。

高崎：やっぱり続けていくことによってポジションが上がってきてる。そういう盛り上がっている海外での状況が日本にまで伝わっていないのが寂しいといえば寂しいですけど（笑）。

──オーディエンスの反応から、逆にLOUDNESSの偉大さを実感させられる、とか。

高崎：ありますね。特に1980年代は忙しくて足が地に着いてないまま、スケジュールに追われた感じもあるけど、今は、もうちょっとびしっと足を地に着けながらやっているかな。やっぱりね、ライヴ終わった後にお客さんの反応とか写真見たりすると、ものすごい感動しますよ。そこが初めて行った街だったりすると、「こんなにたくさんの人が俺たちの音楽を知ってくれてたんだ」とか「望んでくれてるんだ」とかね。

──ミュージシャン冥利に尽きますね。

高崎：ほんまに子供の頃描いてたようなその感じに、まさしく今なってきてる。これ以上高望みはしないで、今の状況がずっと続いてくれて、こういう活動が当たり前にやれることがいちばんの幸せなんじゃないかなって最近は思うんですよね。ビルボードで何位にならなあかんとか、そういうことじゃなしに、今のこういう活動を地道に続けていけるのがバンドにとっていちばん幸せなことやと思います。

▲＜MONSTERS OF ROCK CRUISE 2016 EAST＞＠アメリカ

▲＜MONSTERS OF ROCK CRUISE 2016 WEST＞＠アメリカ

──素晴らしきギタリスト人生……若い子たちにオススメしますか？

高崎：いや（笑）、どうなんですかねえ……。ミュージシャンでやっていけるのって、ほんと氷山の一角やからね。なりたい人は死ぬほどおるし、歌手になりたい人も死ぬほどおるし。ほんとしんどいからやめといたほうがいいよね（笑）。

──んな（笑）。

高崎：一発当てるだけやったら可能性もあるけど、ずっと続けようと思ったら……やっぱりねえ。

──数字上では東大に入るよりも難しいことですから。

高崎：だけどね、ロックは世界共通ですね。まあ言葉が違ったり、いろいろ違うんだけど、ロックっていうものはやっぱり世界共通ですよね。

──それは実感しますか？

高崎：それであれだけ集まって来てるわけやからね。

──高崎さんがずっと続けてきたのも、元はそこなんでしょうからね。

高崎：もちろんずっとそこです。

──貴重なお話をありがとうございました。

取材・文◎BARKS編集長 烏丸哲也





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