トニー・ベネット、エイミー・ワインハウスに手を差し伸べず後悔
トニー・ベネットは、依存症を患っていると知っていながら、エイミー・ワインハウスとその問題について話さなかったことを後悔しているそうだ。ベネットはエイミーが2011年に亡くなる直前、彼のアルバム『Duet II』(2011年)に収録される「Body And Soul」でデュエット。これがエイミー最後のレコーディングとなった。
◆トニー・ベネット『Just Getting Started』画像
ベネットは、エイミーが依存症の問題を抱えていると聞いていたが、スタジオではまったくその兆候が見えなかったという。彼は今週アメリカで出版された自伝『Just Getting Started』の中でこう綴っているそうだ。
「エイミーは愛想が良く、面白くチャーミングで、ちょっとシャイなところはあったが、完全にプロフェッショナルだった。彼女は、アイドルと考えている人と曲をレコーディングするのは初めてで緊張していると言っていた」
「僕は彼女に、僕も少しだけドラッグやアルコールで苦しんだ時期があり、どうやって悪い循環に陥るかわかる、でもどうやって立ち直れるかも知っていると言うべきだったのだろうか? 彼女がアイドルと考えている人物が彼女に、“君は僕のアイドルだ。君にはめったにない才能がある。それをこの世界から取り上げないで欲しい。嫌だったら逃げてもいい。ただ、生きてくれ。お願いだ”と言ったら、なにか変化をもたらしただろうか?」
ベネットとエイミーは2011年3月にロンドンのアビーロード・スタジオで「Body And Soul」をレコーディングした。エイミーはその4ヶ月後に急性アルコール中毒により死去。曲は彼女の28回目の誕生日となるはずだった9月14日にリリースされ、翌年、グラミー賞最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンスを受賞した。
Ako Suzuki