【ライブレポート】赤西仁、スペシャルライブで山田孝之と一夜限りの「JINTAKA」再結成
赤西仁が11月9日、千葉・幕張メッセ イベントホールで<JIN AKANISHI LIVE TOUR 2016 〜Audio Fashion Special〜 in MAKUHARI>を開催。本公演は7月9日から全21公演にわたり行なわれたホールツアーのアンコール公演で、7,000人のファンが会場に集結した。
◆赤西仁 ライブ画像
今回はスペシャルライブということもあり、開場からDJのプレイがフロアを温める。ミラーボールが照らすアリーナのフロアは、オールスタンディング。しかも、フロア内にバーカウンターが設置され、赤西考案による「JIN SPECIAL」カクテルが飲めるなど、クラブの様相だ。
ライブは、オープニングムービーから圧巻。胎児のように丸まった、全裸の赤西。客席からも嬌声が上がる。生れ出た後に感情のない瞳で囚人のように歩く彼がチューニングされると、魂が宿り服をまとう。そこで映像とリアルの赤西が交錯し、1曲目の「Only Human」がスタート。昨年のツアーは“拡張現実”がテーマだったが、今回はおそらく、彼の“脳内”がテーマなのだろう。このオープニングからなんと11曲目が終わるまで、赤西は一切MCをしなかった。
今回のステージ演出で特筆すべきは、プロジェクションマッピングの導入だ。映像が彼の脳内を具現化し、ステージに次々と不思議な世界を映し出す。ライブというより、時に壮大、時に繊細な物語を見せるショーのよう。特にホールからアリーナにスケールアップした今回は、プロジェクションマッピングの壮大さ、「Mi Amour」で弾くレーザー光線を放つギターの美しさが増した。ステージ構成も、2本の花道から延びるセンターステージが出現するなど、アリーナらしい広さを活かした演出となった。
しかし、最新テクノロジーを凌ぐのが、やはり、赤西という唯一無二の存在だ。「Eat Ya Heart Out」ではひとりギターをかき鳴らし、「Can’t Get Enough」ではキーボードプレイを披露。ノリノリの「SUMMER LOVING~Good Time~Hey What's Up?」のメドレーでは客席とのコミュニケーションを引き出し、ライブらしい肉体表現で一体感を生み出す。
MCが苦手だという赤西がトークのために取り入れたのが、「公式モバイルのラジオ公開収録」。これは赤西がラジオのパーソナリティとなり、開場時に募集した来場者の質問に答え、その模様を後日、公式モバイルサイトでラジオ番組として配信するというものだ。
「今年最後のライブなので、悔いのないように楽しんでください」と言ってスタートした後半戦は、バラード曲の「Body Talk」。この曲で女性ダンサーが見せるポールダンスは、無機質な世界を照らす一筋の光のように輝く。赤西も、「ポールダンスが見たいので、みなさんに背中を向けて歌います。見納めなので!」と彼女のダンスに見入ったが、バラードを聴かせる赤西のボーカリストとしての力量にも驚かされる。
そして、この日一番の盛り上がりを見せたのは、9月21日にリリースした赤西と俳優・山田孝之とのユニット「JINTAKA」の楽曲「Choo Choo SHITAIN」だ。10月3日に行われた同作のリリースイベントで「方向性の違いで」と、早々に解散を発表した彼らだったがモニターに大きく「一夜限りの再結成」の文字が出ると、会場にひと際大きな歓声が上がり、センターステージからJINTAKAが登場。赤西が「タカユキヤマダ!」と紹介すると、「スペインから来ました」と、海外撮影からライブに駆けつけた山田の登場に会場の熱狂が高まった。
「Opaque」「OohLaLa」では、箱のようなセットの中で踊る赤西とプロジェクションマッピング映像がシンクロし、彼のダンスを際立たせると、「Baila」からのダンス曲メドレーでは、ダンサーを従えた群舞で肉体の生み出す躍動感を爆発。ラストは、アルバム『Audio Fashion』唯一の日本語詞、ピアノが映えるバラード曲「Episode」で、すべてが昇華し平穏に戻ると、再びオープニングの胎児のような赤西の映像につながり本編は終了。ホールツアーのアンコールはダンサー紹介を兼ねた「TGC」1曲だけだったが、スペシャルのこの日は、スタンド1F席と2F席の間の通路を2曲分の時間をかけて赤西がトロッコで1周。最後までファンの近くで歌う姿が印象的だった。
ライブという場であっても赤西が求めるものは、自分の表現を完璧に見せること。ボーカリストとして、ダンサーとして、音楽制作者として、演出家として、赤西が求めるものは、“完璧”なのだ。年内のライブはこれで最後。来年のさらなる進化に期待したい。
photo: Teppei Kishida
■セットリスト
2.From Her Mama
3.Eat Ya Heart Out
4.Can’t Get Enough
5.We The Fire
6.Dayum
7.Mi Amor
8.Pinocchio
9.The Fifth Season
10.Summer Kinda Love
11 メドレー
SUMMER LOVING
Good Time
Hey What’s Up?
12.Body Talk
13.New Life
14.DJ コーナー
Choo Choo SHITAIN ※JINTAKA
Go Higher
Aphrodisiac
15.Opaque
16.OohLaLa
17.メドレー
Baila
Temporary Love
Mami Loca
Tell Me Where
18.Episode
[ENCORE]
1.TGC
2.Miss California
3.Lucky