【ライヴレポート】TETSUYA、バースデーライヴで「これから共に歳を重ねましょう」
TETSUYA (L‘Arc〜en〜Ciel)が10月3日、赤坂BLITZにてBirthday Live Tour<TETSUYA LIVE TOUR 2016 「THANK YOU」>の初日公演を開催した。同ツアーは5日に大阪BIGCAT、6日に名古屋ダイアモンドホールと東名阪で行われるもの。誕生日当日となった赤坂BLITZ公演のレポートをお届けしたい。
◆TETSUYA (L‘Arc〜en〜Ciel) 画像
2012年の渋谷公会堂2DAYS公演「THANK YOU」以降、10月初旬の恒例となった感のあるTETSUYAの誕生日を祝うスペシャルライヴが「THANK YOU」だ。これまでは東京公演のみだったが、今年は東名阪で開催され、さらに9月7日に約6年ぶりの音源「Make a wish」「Time goes on ~泡のように~」が2タイトル同時リリースされたことも加わって、TETSUYAのソロデビュー15周年にふさわしい、華やかなアクションとなった。
10月3日に行なわれた東京公演は月曜日で、さらに当日は雨という生憎の空模様だったが、赤阪BLITZは2階立ち席もギッシリ埋まるほどの盛況ぶり。開演前の客席を見渡して、「THANK YOU」がTETSUYAの定番イベントとして根づいたことを感じていると、場内が暗転して穏やかなオープニングSEが流れ、ステージにJuicy-Bananasのメンバーが登場した。最後にTETSUYAが姿を現して一際大きな歓声が上がる中、ライヴはアッパーな「Make a Wish」から始まった。
甘さと力強さを併せ持った歌声を聴かせつつ、間奏でステージに設置されたライザーに上がって客席に煽りを入れるTETSUYAと、彼の一挙手一投足に歓声をあげるオーディンエンス。Juicy-Bananasが奏でる煌びやかなサウンドや、オーディンエスが振る7色のサイリウムの輝きなども相まって、ライヴが始まると同時に赤坂BLITZの場内はTETSUYAの世界へと染まった。
その後は、エモーショナルな「Can’t stop believing」やロマンチックな味わいの「REVERSE」、無機質なサウンドと抒情的なヴォーカルのマッチングを活かした「SCARECROW」などをプレイ。TETSUYAならではといえる洗練されたロック感とキャッチーなメロディーをフィーチュアした楽曲群はライヴ映え抜群で、ステージが進むに連れてどんどん気持ちが引き上げられていく感覚が心地好い。それぞれの曲調に合わせてテイストを変えるTETSUYAの表情豊かなヴォーカルや、サポート陣が織りなす勢いと安定感を兼ね備えたハイレベルなプレイなども楽しめた。ドラマチックな「Time goes on ~泡のように~」で前半を締め括った後、TETSUYAがMCでこう語った。
「僕ね、晴れ男なんですよ。今日はなんかおかしいね。機材もトラブったし、僕のパソコンも壊れたし……なんかおかしい。みなさん、ケガしたりしないように気をつけて」──TETSUYA
字面だけ見ると愚痴っぽく感じるかもしれないがTETSUYAの口調は穏やかで、どこかユーモラスな雰囲気が漂うところが彼らしい。オーディンエンスに対する気遣いの後に発した際どいブラックジョークも含めて、彼の素顔に触れることができるのもソロ ライヴの魅力だなと改めて感じずにいれなかった。
飾らないMCで客席を湧かせた後は、ウォームなシャッフル チューン「魔法の言葉」や、キャッチーな「wonderful world」、明るくハジケるサビパートを配した「WHITE OUT」などが演奏された。様々な情景を描いていく構成が、ストーリー性を感じさせた前半とは一味異なる温かみに溢れたステージも実に魅力的。オーディンエンスの一体感はさらに高まり、場内はパーティーを思わせるハッピーな空気に包まれた。
アップテンポの「EDEN」で幕を開けたライヴ後半ではパワフルな「蜃気楼」や、曲中で岸 利至(key)が“情けない話”を披露した「Roulette」、ブラックスーツにサングラスといういで立ちのダンサー2人が登場してステージの熱気に拍車をかけた「Are you ready to ride?」などを相次いでプレイ。力強いTETSUYAのヴォーカルや爽快感に満ちたサウンド、メンバー達の躍動的なステージング、明るい演出などにオーディンエンスのテンションは一層高まり、場内は熱い盛り上がりとなった。
アンコールは「LOOKING FOR LIGHT」からスタートかと思いきや、突然演奏が止まり、ステージの上方からバースデーケーキがゆっくりと降りてきて、さらにスタッフとJuicy-BananasのメンバーからのプレゼントをTETSUYAに手渡すというサプライズが行なわれた。「俺、自分の立ち位置にいたらケーキの下敷きになってたやん!」と、嬉しそうな笑顔を見せるTETSUYA。その後、オーディンエスに向けてこう語った。
「ソロデビュー15周年ですか。みんなも歳をとらないよね。これから共に歳を重ねましょう。これからもよろしくお願いします」──TETSUYA
客席からは温かみに溢れた拍手と歓声が沸き上がった。2016年のバースデーライヴも「THANK YOU」というタイトルにふさわしい、ステージと客席が一つになれるハート ウォーミングなライヴとなった。
TETSUYAのソロ作品を聴いたり、ライヴを観たりすると、上質な音楽でリスナーを笑顔にしたいという彼の想いがダイレクトに伝わってくる。今回もそれが揺らぐことがない良い雰囲気のライヴになっていることが印象的だった。また、音楽とシンプルな演出だけでオーディンエンスを満足させたのもさすがといえる。TETSUYAがソロ アーティストとして明確なスタイルを持っていることを改めて感じたこともあり、次に控えているソロ デビュー15周年を祝う展開にも大いに期待したい。
取材・文◎村上孝之
撮影◎今元秀明
■Birthday Live Tour<TETSUYA LIVE TOUR 2016 「THANK YOU」>
2016年10月3日@赤坂BLITZ セットリスト
02. Can't stop believing
03. REVERSE
04. TIGHTROPE
05. SCARECROW
06. lonely girl
07. Time goes on ~泡のように~
08. 魔法の言葉
09. wonderful world
10. WHITE OUT
11. EDEN
12. 蜃気楼
13. Roulette
14. Are you ready to ride?
15. 15 1/2 フィフティーンハーフ
encore
16. LOOKING FOR LIGHT
17. Fantastic Wonders
18. 流れ星
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