【インタビュー】グリーン・デイ「バンドを始めて、オリジナルの曲を書いてくれ!」
■ 俺がプリンスに学んだことがあるとしたら、オリジナルでいること
■ あと、チビでもいいってことも(笑)
▲アルバム『レボリューション・レディオ』 |
ビリー:この曲はサバイバルを歌った曲なんだ。人生で苦難にあった人、ドラッグ中毒だったり、離婚家庭に育ったり、兵役を終えて家に戻った人だったり、何かを乗り越えたという共通項がある人達は、その経験の後でより生きている実感を覚えるんじゃないかと思う。それに伴って沸いてくる感情があるんだよ。
──プリンスの大ファンだったのですが、彼が亡くなった後、あなたがインスタグラムでプリンスの写真と彼についてのコメントをしてくれていて嬉しかったです。今作の制作中に、彼の死について考えたりしましたか?
ビリー:プリンスについて書いた歌詞はないけど、このアルバムの「サムホェア・ナウ」っていう曲の一節に、「俺達は常に3人まとまって死ぬ」っていうアメリカでよく知られてる諺を使ってて、人が死ぬ時はいつも3人一緒に逝くっていう意味なんだ。過去1年で、沢山のアーティストが亡くなった。
──亡くなりすぎです。
ビリー:亡くなりすぎだよね。俺がプリンスに学んだことがあるとしたら、自分自身のやり方でやるってこと、思慮深くなること、創造的になること、オリジナルでいること。
──真にオリジナルでしたね。グリーン・デイも本当にオリジナルですからね。
ビリー:うん、あと、チビでもいいってことも学んだよ(笑)。
──(笑)。そうですね。
ビリー:「チビ同士団結しましょう」って。
──でも彼のようにヒールの靴は履いてないですね(笑)。
ビリー:そう、厚底靴だけだよ(笑)。
──2013年の3月にポモナで行なわれた公演を見に行って、そこであなたがマイクのことを「俺のソウルメイト」と紹介していて感動したのですが、グリーン・デイが家族のように仲がいいバンドなのは素晴らしいことだと思います。30年を経て、あなたにとってグリーン・デイはどのような存在ですか?
ビリー:こんなに長く一緒にいられるのは、俺達が友達として素晴らしい絆を持ってるからなんだよね。言い争ったこととかないし、バンド内での喧嘩って多いけど、俺にはそれが理解できないんだよ。でも、一番近くにいる人に対して、優しさと尊敬の気持ちを持てるかどうかなんだと思う。特に一緒にクリエイティブになるわけだからね。彼らは俺にとって、間違いなくもう一つの家族だよ。素晴らしいことだし、それが僕達が長続きしている理由だと思う。
──来日公演はこれまでに沢山行なって下さっていますが、中でも思い出に残っていることを教えて下さい。
ビリー:初来日した時、俺達はどこに行ってもボウリング場に行きたがったんだ。日本のボウリングのレーンは、アメリカのよりずっと良かったんだよ。だから、公演を行なった全ての都市で、ボウリングをやりに行ったんだ。大阪でも、東京でもね。それで日本のライヴ・アルバムを『Bowling Bowling Bowling Parking Parking』っていうタイトルにしたんだよ。そういう大きな看板が立ってたんだ。すごくクールな日本のライヴ・アルバムだよ。それが日本の最初の思い出だよ。
──知りませんでした!
ビリー:あとは、ショウで観客がすごく熱狂的だったのを覚えてる。日本の人達は本当にクールだった。本当にすごく音楽に夢中になってくれてて、素晴らしかったよ。
──でも日本人は根が恥ずかしがりな人が多いのですが、あなたもステージにいない時はシャイに見える時があるんですが、そういうところで共感したことってありましたか?
ビリー:いや、それは分からないな(笑)。知ってるのは、日本の人達は一緒に歌うのが大好きだってことだよ。合唱って、一つになれるんだよね。グリーン・デイの音楽って、一緒に歌うのが楽なんだと思う。(一緒に歌うと)全員が、同じ声、同じ動きの一部になれる。だから日本に行く度に、観客の前でプレイするのが楽しみなんだ。
──ツアーの計画をもう始めているのかどうか知りませんが、このアルバム発表後、また日本に来てショウをやってくれますか?
ビリー:うん、まだいつになるかは分からないけど、日本に行くよ。ワールドツアーのプランを立てているところなんだ。絶対に日本にも行くよ。
──次回来日したら、何かしたいことはありますか?
ビリー:(笑)ボウリングはいいや!
──ボウリングの他に(笑)。
ビリー:まだ分からないけど、昔みたいにただ街を歩き回ったりしたいな。日本に行ってから考えるよ。
──ご家族を今でもツアーに連れて行ったりはするんですか?
ビリー:息子達はもうかなり大きくなっちゃったから。
──おいくつなんですか?
ビリー:18歳、21歳。妻はたまにツアーに来て、一緒に楽しむこともあるよ。
──息子さんたちもミュージシャンですか?
ビリー:そうだよ。
──素敵ですね。彼らにはこのニュー・アルバムを聞かせたんですか?
ビリー:(笑)俺は家にいる時は、ただの父親なんだよ。自分の家のプライバシーの中で生活するには、それが最善の方法だと思うんだ。
──ニュー・アルバムのあなたのヴォーカルについてですが、あなたの歌声はずっとティーンの頃から年を取っていないような若い声ですけれど、このアルバムのいくつかの曲の中で、いつもと違う、より美しい声が聞けて驚きました。今回、歌い方を変えることを意識したんでしょうか?
ビリー:長年歌っている間に、違うやり方で声を使う方法を自分で学んだんだと思う。例えば「トゥー・ダム・トゥ・ダイ」のイントロ部分とか、「オーディナリー・ワールド」とかね。昔の曲だと、「ラスト・ナイト・オン・アース」とか。俺はいつも怖じ気づかずに、全ての歌詞を叫ぶような歌い方ではないやり方もやろうと試みてるんだ。
──本当に素晴らしいアルバムを作って下さってありがとうございます。最後に日本のファンに向けてメッセージをお願いします。
ビリー:グリーン・デイの音楽を長年聞いてくれて、ありがとう。バンドを始めて、オリジナルの曲を書いてくれ! ロックンロールを前に進めるのは、大事なことだからね。
◆ ◆ ◆
インタビュアー:Miho Suzuki
アーティスト写真:Frank Maddocks
◆ ◆ ◆
2016年10月7日 世界同時発売
WPCR-17515 ¥2,300(+税)
【収録曲】
01. Somewhere Now / サムウェア・ナウ
02. Bang Bang / バン・バン
03. Revolution Radio / レボリューション・レディオ
04. Say Goodbye / セイ・グッバイ
05. Outlaws / アウトローズ
06. Bouncing Off The Wall / バウンシング・オフ・ザ・ウォール
07. Still Breathing / スティル・ブリージング
08. Youngblood / ヤングブラッド
09. Too Dumb To Die / トゥー・ダム・トゥ・ダイ
10. Troubled Times / トラブルド・タイムス
11. Forever Now / フォーエヴァー・ナウ
12. Ordinary World / オーディナリー・ワールド
13. Letterbomb (Live) / レターボム(ライヴ) ※日本盤ボーナストラック
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