【座談会】Ken (L’Arc〜en〜Ciel)×逹瑯(MUCC)×怜(BAROQUE)×将(A9)、「<PARTY ZOO>は和気藹々じゃない」
■カッコつけるのを辞めたカッコ良さを
■身に纏えるヴォーカリストって強い──逹瑯(MUCC)
──A9は、今回のメンツの中では若手に属しますが、Kenさんとはどういう繋がりがあったんですか?
Ken:A9はヒロト(G)が、ギターの話とかをよくする遊び仲間だったから。ただ、ヒロトに連絡してメンバーやスタッフにちゃんと伝わるかどうか、心配だったんだけど(笑)。
将:“Kenさんが、ライヴに呼んでくれたよ…”って、言ってました(笑)。僕達的には、こんな素敵な方たちとライヴができるっていうだけで、すごくハッピーだったので、ヒロトの人徳に感謝です。
▲逹瑯(MUCC) |
Ken:じゃあ、あれだね。俺らの裏テーマとしては、将くんのそのしたたかさをどこかで開放してもらうっていう(笑)。
逹瑯:攻撃的で野蛮な将を見てみたいですね。こんな将を見たことがないけど、これはこれでセクシーっていう、そういうのがバーンて出たきっかけがこのツアーになったら、いいじゃないですか。
──BAROQUEとの繋がりは?
Ken:ヒロトから“センスのいいギタリストがいるから会ってくださいよ”って、圭(G)くんを紹介されて。BAROQUEのライヴを観たときに怜くんとも話したんだけど、そのあと<M.A.D>の最終日を2人が観に来たときに、“イベントやるんだけど、どう思う?”みたいな話をしたら、“出る、出る!”ってその場で。
怜:<M.A.D>を “このステージに俺らが一緒に出たとしたら、どういうふうに演ったらいいんだろう?”とか、考えながら観てて、圭ともそんなことを喋ったりしてたんですよ。だから、そのあとKenさんから話をもらってビックリしたんですけど、“あぁ、もうチャンスだ!”って思いましたね。あんまり大勢でいるところにポンと入ることってなかったし…普段、メンバーも2人で少人数ですし(笑)。
▲『PARTY ZOO OFFICIAL BOOK』より |
怜:バンドとは全然違うところで将くんが誘ってくれて、ゲームとかやったり…ちょいちょい接点はありましたけど。さっき話したけど、ステージでちゃんと一緒に演るのは、今回が初めてなんですよね。
将:そうですね。怜さんは昔からすごい“歌人(うたびと)”っていうか、すごい全身全霊で歌を歌う人だったんで、大好きでずっとリスペクトしてました。
怜:ありがたいです。将くんを観たときは、あそこまでかっちりとした世界観を作り上げるっていうのは本当、スゴイし羨ましいなと思いましたね。
逹瑯:怜は最近、昔のイメージとだいぶ変わったよね。もっとアーティスティックなイメージがあったけど、すごく自然体になってきてるっていうか。
怜:そうですね。まさに今、そっちに。頭で考えず、より自由に開放できるのが自分の位置なのかなって。
逹瑯:カッコつけるのを辞めたカッコ良さを、身に纏えるヴォーカリストって、強いと思う。プラスオンしていくカッコ良さって誰でもできるけど、引き算のほうは、なかなか難しいから。将は、何年か前に一緒にツアー廻ったときに、すごい徹底して貫いてる世界観があるんだなって思った。伝えたいこととかやりたいことが明確で、芯がある。たぶんすげぇ頑固なんだろうなって。ある意味、潔癖のイメージ。だから、もっと攻めてほしいなって…これは俺の好みの話ね、正解がどうこうじゃなくて。俺にはできないスタイルだから、凄いなって思いつつも、攻めてる将も見てみたいなって思う。
将:僕、基本的に運動神経があんまり良くなくて、一挙一動があんまりカッコ良くないっていう自覚があるんですよ。ボイトレの先生にも“背が高いから、神経が鈍くてもしょうがない。だから真っ直ぐキレイに立つことを意識して歌いなさい”って言われてて。けど、逹瑯さんのライヴを観てて、“俺より背が高い人が、メッチャきれいに動けてるやん!”って、思いました。僕は常に自分が変に見えてないかとかって疑ってるんですけど、逹瑯さんは自由に動いててすごいなって。
逹瑯:あぁ、変に見えてないかは、あんまり考えたことないっていうか。冷静に考えたら変だよなって動きでも、この人がやったらアリっていうのがあるでしょ。BUCK-TICKの今井さんとか、cali≠gariの青さんもそうだけど、そういう域に行けば、何でもアリだと思う。けど、最終的に言うと、ステージに出てきて、真ん中に立ってるだけでバーンと世界観とか空気変えられるのが最強だと思うね。櫻井さん(BUCK-TICK)がそう。真ん中にスッて出てきて歌うだけでOK。何なら歌わなくてもOKかもしんない。
怜:逹瑯さんのステージ観て、圭とよく話したんですよね。お客さんを巻き込む力、歌のパワーとか…このエネルギーにどうやったら太刀打ちできるんだって。同じ土俵じゃ無理だろうって。だったら俺ら、なんだろう。もっと優しい歌かな、アコギ1本なのかなとか。そんなふうに思うぐらい、ある意味真逆のところに、欲しかったものを持ってるような人ですね。
逹瑯:10年以上やってきてるバンドだと、みんな自分のスタイルのスペシャリストになってるから、同じ土俵で勝負しようと思ってもたぶんダメなんだろうね。
怜:そうですね。それも今回出させてもらう中で思ってます。
Ken:今回のイベントで、一日続けてそれぞれのバンドが見れるから、そのスタイルの違いが明確に際立って体感できるっていうのも、楽しみのひとつかなと思うね。
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