【インタビュー】上野優華「心の裏表というのが「恋日記」のキーポイント」
2013年7月、シングル「君といた空」で、15歳の時にデビューを果たしてから約3年。女優としても活動中の上野優華が7枚目のシングル「恋日記 / Summer Mission」を7月13日にリリースする。今作はダブルAサイド。特に「恋日記」では、この3年で経験した数々のレコーディングやたくさんのライヴの中で成長したからこそ表現出来たであろう、歌詞には表せない内面までも歌い上げている。一転して「Summer Mission」では18歳らしい溌剌とした夏を歌う。歌に演技に、表現者として、ますます磨きがかかる上野が、BARKSに初登場。
◆上野優華~画像&映像~
■遠距離恋愛の曲ってすごく妄想が膨らむんです
■片思いにはない切なさがあってすごく素敵だなって
――デビューして3年になりますが、歌い方はこの3年で変化してますか?
上野優華(以下、上野):そうですね。デビュー前はボイストレーニングもやったことがなかったのに、オーディションを受けてそのままデビューすることになったんです。スタジオでレコーディング用のマイクの前で歌うのも初めてだったので、最初は歌詞を覚えて、ただ声を出すような感じで。戸惑いと緊張もありつつのレコーディングでした。初めてのこともたくさんありましたが、周りの人が優しく教えてくれて、ちゃんとできるようになってきたかなぁという感じはありますね。3年経った今は、わからないこともどんどん聞けるようになりましたし、自分で歌詞を書いたり、曲も1曲作ったので、いろんなことがわかってきたという実感があります。
――いろんなものを吸収した3年だったんですね。もともと歌は大好きだったんですよね。
上野:はい。お母さんが歌うのが好きで、小さい頃から家族みんなでカラオケに行ってたんです。あと、小学校4年生の時から、地元の徳島のカラオケ大会に出ていました。それがきっかけで、人前で歌うのって楽しいと思うようになったんですが、だからと言って歌手になりたいという気持ちを抱いたことはなく……。
――どうして?
上野:現実味がなかったんですよね。あまりにも遠すぎて。でも、中学2年の時のカラオケ大会を見てくださっていた方が「オーディションがあるよ」って教えてくれて。その時、お母さんに「オーディションなんて、たぶん人生で受けることなんてないだろうからやってみたら?」って背中を押されたんです。それがデビューのきっかけになったキングレコードのオーディションで、今に至るという感じです。
――なるほど。カラオケ大会は4年生の時からずっと出場し続けていたんですね。
上野:はい。私は三人姉妹なんですけど、三人とも歌が好きで毎年出場していたので、「上野、また来たよ」って言われていました(笑)。私たちが姉妹で出場していたカラオケ大会は学生しか出られなかったんですけど、大人も出られるカラオケ大会ではお母さんとデュエットしたり。とにかくカラオケ大会があったら、家族みんなでいろんな大会に出るという感じでしたね。
――すごい(笑)。徳島のカラオケ大会荒らし。
上野:そう(笑)。「上野!? またこの子か!?」と。徳島のテレビで放送されることもあったので、地元では妹が「出てたでしょ?」って、知らない人からよく声をかけられるそうです(笑)。
――そんな上野さんのシングルももう7枚目で、今作はダブルAサイド。表題曲の「恋日記」と「Summer Mission」は全然違うタイプの2曲ですね。「恋日記」は遠距離恋愛なのか、別れちゃったのかどっちなんだろう?と思いながら聴いていていたんですけど。
上野:聴く人によって、失恋したのか、相手が亡くなってしまったんじゃないかとか、いろんな存在が膨らむ曲で……。私の中では遠距離恋愛を想像しているんです。私自身、恋愛の曲を歌うのが好きなんですけど、その中でも遠距離恋愛の曲ってすごく妄想が膨らむんです。片思いにはない切なさがあって、すごく素敵だなって。だから、「歌詞はどんなのがいい?」と聞かれた時に、「遠距離恋愛がいいです」とお願いしたんです。
――手紙ではなく日記だから、遠距離なのか失恋なのかというところがわからないんです。手紙だったら確実に送る相手がいるけど、日記だと相手には見せないものだから、一人で抱えてるようなイメージなので。
上野:そうですね。手紙は絶対に相手が見るから、感情の表しか綴らないと思うんです。日記の場合は、相手には見せたくない部分も赤裸々に書きますよね。例えば、女の子だったら、遠距離恋愛じゃないとしても、付き合っている彼に見せたい可愛い自分と嫉妬とか切なさとか、見せたくない裏の自分もいますよね。日記の中の包み隠さない女の子の気持ちも、この歌詞には出ているんです。
――確かに、日記はリアルな感情が綴ってあるものだもんね。
上野:そうなんです。「重い」って思われたくないから言わない感情もあるし、本当は会いたいけど、彼にも頑張って欲しいから言わないとか。そういう自分の心の葛藤を書いてあるのが、この歌詞のいいところかなって。私が18歳じゃなかったら、もっと大人の歌詞になったと思うんですよ。デビューした15歳の頃なら、もっとわがままな歌詞になってたんじゃないかと思うと、同じ遠距離恋愛の曲でも18歳の今の私らしいものになっていると思います。女性のみなさんには共感してもらえるところもたくさんあるんじゃないかな。
――そうですね。歌詞にすると「重いな」と思う部分も響いたりしますから。この状況にある人は、なおのこと伝わりますね。最初は彼に対する呼びかけもありますけど、聴いていくうちにどんどん心のうちに分け入っていくような感じです。
上野:そこが歌っていて難しかったんです。どこに感情のピークを持っていくかというのを歌っている時にずっと考えていました。サビは確かに力強く歌いたいんだけど、Bメロの「隣にいてくれたなら」とか、そこも遠距離恋愛というのがわかる重要なポイントなので力強く歌いたいし……そういう感情のピークがどこなのかというのは、スタッフさんとも一緒に考えました。最初のうちは「これがリード曲で大丈夫なの?」というくらい、戸惑いが歌声にも出てしまったんです。結局、「もう一回歌い直してもいいですか?」と何回も繰り返して今の形になったので、自分の中では納得いくまで歌わせてもらってよかったと思います。
――今の仕上がりは満足?
上野:はい。でも、ちょっと不安はあります。最初に悩んだぶんだけ、ライヴで披露する時にちゃんと歌えるのかなって。今までで一番不安が大きいかも。
――それだけ難しかったんですね。
上野:はい。自分が自信を持って届けられる曲をリード曲にしたいですからね。「Summer Mission」をレコーディングしているときは楽しさ全開で歌っているので、気分良く歌えたんですけど、こういうバラード曲って、自分がいかに思いを乗せられるかが大事なので。私はいつも妄想しながら歌っているんですけど、その妄想と歌声がリンクしていないとモヤモヤしちゃうんです。それが最初うまくいかなかったんですよね。感情と歌詞が自分の中でチグハグで。そういうのって周りにも気づかれるので、「もう一回歌ってみようか」ってスタッフさんにも言われちゃうんですね。そんなモヤモヤしたままの状態のものがリード曲になるのはイヤ。それが解消した状態で歌えるようになって、それがCDになったので、すごく良かったです。
――繊細な曲ですものね。
上野:はい。恋愛の曲を聴くのも歌うのもすごく好きなので、ここはこだわりたいと思いました。音数もすごく多くて、どこで息をしたらいいんだろう?っていう難易度の高い曲だったので、パワーも必要だったし、自分の中にないリズムだったんですよ。いつもリズムで戸惑うことはないし、メロディもすんなり覚えられるタイプなのに。だから自分でもビックリしました。こんなに難しいリズムの取り方なんだなって。
――いろんな部分でこだわったんですね。
上野:そうなんです。歌詞も「ここはちょっと大人っぽいから変えてほしい」という要望を出したりして、私の意見も取り入れてもらいました。自分の思いが詰まった一曲になっています。
――ミュージッククリップも白と黒で表現されていますが、表の自分と裏の自分を現しているんですか?
上野:その通りです。心の裏表というのが「恋日記」のキーポイントになると思うので、それをMVでも表現できたらいいなぁと思って。激しい感情を秘めた自分と、ニコニコして笑っていたり、切ない表情でも可愛らしいとか。普段、お芝居のお仕事もさせていただいているので、曲の魅力をお芝居でも伝えたかったんです。リップシンクのシーンも多いんですが、私としてはお芝居をしているようなイメージで撮影しました。髪型も白の衣装と黒の衣装とではガラリと変えて、大人っぽいヘアスタイルやメイクは普段、なかなかしないので、すごく楽しかったです。ちょっとしっとりした大人っぽいMVは今まで撮ったことがなかったので新鮮でした。
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