【インタビュー】R2Y+J、SHAZNAのA・O・IやEins:VierのLuna「音楽に輝きを」
■3年かけないと出来なかったアルバムなので
■今、観てもらえたら心動かせる自信はあります
──ちなみに演奏した曲の中には2000年当時の三軒茶屋時代の曲は入っているんですか?
A・O・I:今のところ、ないですね。
──これから出てくるかもしれない?
A・O・I:まぁ、僕は覚えているんですが、Lunaさんが覚えてない(笑)。当時の機材だからMDに入っていて、その中にまともな曲も5曲ぐらいあるんですよ。
Luna:ただ、MDだと今、聴く手段がないからな(笑)。
A・O・I:ちなみにバンド名はその頃から、“なんとかジョーカー”にしようって言ってたんですよ。
Luna:で、今回、バンド名はR2Y+Jという表記にしようということだけ決めていて、後から「これ、何て読もうか?」、「最後がJだから、ジョーカーじゃないの?」みたいな。そしたら誰も読めないバンド名になってしまったという(笑)。
▲Luna (B & SideVo / Eins:Vier) |
A・O・I:ははは。ライヴをやるためにバンド名が必要だねっていう決め方だったんです。
──ヒップホップグループに間違えられませんか?
A・O・I:そういう感じですか?
──ラッパーとDJみたいな(笑)。
A・O・I:ああ、ラップっぽいこともLunaさんしてるし(笑)。
Luna:だから、ライヴのMCでもよく「R2Y+Jと書いてリリィ・ジョーカーと読みます」って言ってるんですよ(笑)。紙資料にも読み方を最初に書いてあるし。R2Y+Jっていうのがカッコいいなと思って付けたんですけどね。
──ちなみにどういう意味ですか?
Luna:それは秘密。いずれ内緒でお教えします(笑)。
──じゃあ、最初から奏でたい音のイメージはハッキリしていたんですか?
Luna:「こんな曲やろう」みたいな話は全くしてないですね。前から一緒にやっていたからスタジオに入ったら曲がだんだん出来ていく。
A・O・I:今はデモテープは作ってないんです。スタジオの黒板に僕がコード進行だけ書いて、弾きながら歌ったものにLunaさんとT-Tが相談してリズムを付けていくという。かなり原始的なやり方をして録音しています。原曲を持ち寄ってまとめては壊してそれを繰り返して完成させていくのがR2Y+Jのスタイルなんですよね。
──PCソフトで作るスタイルが主流になっている今、そうやって音を出しながら曲を作っていくことの良さとは?
Luna:デモテープを作っても「こっちのほうが良くない?」ってアイデアが出て変わっていきますからね。
A・O・I:バンドって思ったようにはならないですから。僕自身、何度もデモテープを持っていった経験がありますけど、逆に予測がついちゃったら面白くないっていうのもありますし。R2Y+Jではスタジオでのバンドマジックでデモを超えるものが出来上がると思っているので、なおさら作らないほうがいいなと。
Luna:初動のヒラメキですよね。最初にガーンと音を出した時のインスピレーションで決まるというか、「ベースはこんな感じで、ドラムはこんな感じにして」って口で言うんです。「バスドラがドドドッて来て」とか。たまに「そのフレーズは叩けません」って言われたり(笑)。「じゃあ、叩けるようになって」って(笑)。そんな感じですね。
A・O・I:サウンド的にはオーバーダビングしたりとか同期を入れたりはしないので、3人でまず音を出したほうが柔軟に変化できるんですよ。ライヴでも今のところ、基本同期は流さず生の音だけでやっているので。
──同期を使わないというのもこだわりですか?
A・O・I:現時点で僕はこだわっていますね。結成当初はライヴでサポートギターを入れていたんです。僕が歌ってソロも弾くのでサイドギターがいたほうがサウンドに厚みが出て表現の幅が広がるかなと思っていたんですけど、何度かやる内に3人のほうがむしろ柔軟にいろいろなことができるかもしれないと。
Luna:当初は3ヶ月に1本、イベントを主催するだけだったんですけど、1年ぐらいライヴを繰り返す内に自信がついたのかもしれないですね。
──R2Y+JはUKロックをベースにしたグルーヴィーで切ない曲が多いですけど、歌の裏でもギターフレーズを弾いているから、どうやってライヴで3人だけで表現するんだろうと思ってました。
A・O・I:そうですよね。
Luna:(A・O・Iが)ちょっとおかしいんです(笑)。
A・O・I:まぁ、ライヴヴァージョンではざっくり弾いている箇所もありますけどね。歌とリードギターという立ち位置ですね。
──じゃあ、曲作り、ライヴを重ねていく内に今の形に定まっていったわけですね。
Luna:そうですね。R2Y+Jはこれまでに3枚のマキシシングルを出しているんですけど、レコーディングをしながら3ヶ月に1本のライヴに集中して凝縮させていく形をとってきたことによって固まっていったんでしょうね。主催イベントだけではなく、そろそろ対外試合に出ていこうかと思ったのが1年ぐらい前、3枚目のマキシシングル「CRAWLER/TWILIGHT/UNIVERSE」をリリースした頃で、それまでは土台作りの期間だったんです。プロモーションしなかったのも狙っていたわけではなく、初期の段階では今のようなライヴはできていなかったので、その時点で判断されるよりも、固めた上で、これなら負ける気がしないと思えるところまで持っていこうと。今、観てもらえたら心動かせる自信はあります。
A・O・I:おぉ。熱く語ってますね。同感です。
Luna:だから、ホントに満を持して。『LIMIT CODE』は渾身のフルアルバムって言ってるんですけど、3年かけないと出来なかったアルバムなので。
──でも、それ、勇気が要りますよね。結成したら、早くワンマンやらなきゃ、アルバム出さなきゃって焦るじゃないですか?
Luna:そうですね。
A・O・I:性格的に、ちょっとのんびりしてるっていうのもあるかもしれないですね(笑)。
Luna:それもありつつ、結果的にはそれで良かった。土台作りがガッツリできたことがこの先に繋がっていくとも思うし。
──さっき満を持してと言っていましたが、その積み上げ方自体も原始的なバンドスタイルな気がします。
Luna:ライヴを積み重ねて作った曲を入れられるのは1stアルバムだけだと思うんですよ。僕もEins:Vierの頃は2年3年インディーズで頑張って、バンドを固めた上でやっと待望のアルバムが出る感じでしたからね。R2Y+Jの場合も3年かかったけど、早く出そうと焦ったら、こういう作品にはならなかったと思うんです。この先、『LIMIT CODE』のようなアルバムは2度と作れない。書き下ろしの曲もアルバムを出すことが決まってから書いた曲ではあるけれど、ライヴで何度も演奏して成長させてからレコーディングしていますから。
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