【インタビュー】スウェディッシュ・ヘヴィ・ロッカー、ヒプノス日本上陸
スウェーデンのヘヴィ・ロック・シーンにおいてメキメキと頭角を現してきたヘヴィ・アクション・ブギー・ロック・バンド:ヒプノスが、デビュー・アルバム『Hypnos』に続くニュー・アルバム『コールド・ウィンズ』を完成させた。5月25日発売の発売だ。
◆ヒプノス画像
2013年秋に結成されたヒプノスは、エネルギー迸るライヴでレーベルの興味を引き、即契約を締結させた。翌年2月にはデビュー作に向けてレコーディングへと突入、セルフ・タイトルを冠したデビュー作はラウドなドラムとクールなリフ、キラー・ヴォイスとそれらのスキルを証明するかのようなハイオクなヘヴィ・ロックを炸裂させ、一気に注目を集めることとなった。
「休みは一日もとってないよ(笑)。『Cold Winds』をより良いものに仕上るためには努力を惜しまなかったし、ミュージシャン、バンドとして成長するにはやるしかない。ようやくオレたちの音を見つけることができたし、このアルバムがひとりでも多くに評価されることを願っているさ」──オスカー・カールソン(G)
ニュー・アルバム『コールド・ウィンズ』は、スウェーデンのヨーテボリにあるKustスタジオでレコーディングされた。メンバー全員がソングライトに関わり、幅広く多様性あふれるアルバムに仕上がっている。ヘヴィなリフとドライヴするベース・ラインに印象的なハーモニー、そして初期シン・リジーやディープ・パープルを彷彿とさせるフィリップのヴォーカルが聞きどころだ。エンジニアとミックスにはHORISONT等を手掛けたヘンリック・マグヌソンが担い、マスタリングにはGRAVEYARDやSPIDERSを担当したハンズ・オルソン・ブルックスが起用されている。
より顕著な存在感を示すこととなったシンガーのフィリップ・リングレンは、「このアルバムのレコーディングはスタジオ・ライヴだ。歌詞の内容は少しダークになったと思う。デビュー作で足りないと思った部分を今回は加えることができたし、自分達の判断で創り上げた楽曲が収録されたから満足だね。ロックが好きなら絶対に聴くべきアルバムに仕上がったから、是非チェックしてくれ!」と語気も荒い。
──『コールド・ウィンズ』はどんなアルバムになりましたか?
アントン(B):オレたちのバックボーンが反映されたアルバムだよ。もうすぐリリースされるし、最高の気分さ。ここまで来るのにとても長いプロセスだったからね。
オスカー(G):シングル「I'm On The Run」の反応もいいから、これからが楽しみ。渾身の楽曲がアルバムには収録されているよ。
──スタジオでの作業はどうでしたか?
アントン: とてもスムーズだった。今回は全てをスタジオ・ライヴで収録したんだ。曲はスタジオ入りする前からほぼ準備されていたからそれが良かったと思う。プロデューサーのヘンリックの仕事振りも素晴しかった。今回はベース・ラインがブンブンと良く聴こえるから楽しめるよ。
──このアルバムのセールス・ポイントを教えて下さい。
オスカー:このアルバムにはヒプノスの全てが注ぎ込まれているし、これからの方向性も暗示していると思う。オレたちにとって進化すること、そして何事にも興味を持ち続けることがとても大切だ。このアルバムを聴くとヘヴィなリフ、ツイン・ギター、美しいフルート、そしてパワフルな歌が感じ取れて、そこには期待以上のヒプノスの姿が存在しているよ。
──日本にとってヒプノスは初登場です。バンドの結成について教えていただけますか?
オスカー:フレドリックが2013年に結成したんだ。自分達が影響を受けた音楽をうまくフィードバックさせた大好きなロックを演ろうとね。そしてオレもそれに賛同したわけさ。早速ジャム・セッションを行い、クラシック・ロックをプレイした。自身の曲も書き始めて、それから友人のアントンがベースとして加入し、次はシンガーとドラマー探しさ。フレドリックがライヴでワイルドなドラマーを見つけたので、彼にコンタクトして会ってみるとオレたちが探し求めていたミュージシャンだった。そしてアイドゥンの参加が決まったんだ。そして彼の推薦でフィリップと出会った。クレイジーに歌う彼を見たオレたちはすぐさま彼にバンド参加を要請したよ。デビュー・アルバムはCrusher Recordsから2014年9月にリリースした。
──そのデビュー・アルバムのリアクションはどうでしたか?
アントン:会う人みんながそのアルバムを気に入ってくれていた。ヨーロッパのメディアのレビューも良かった。高評価がオレたちを勇気付けてくれたし、さらにバンド活動に力が入ったんだ。そしてより強力なアルバムを制作すると決心させてくれた。忘れないで欲しいのは、バンド結成からたった3ヶ月でデビュー・アルバムのレコーディングを開始したんだ。これはとても凄いことだよ。
──あなたたちが受けた音楽の影響を教えてください。
アントン:バンド全員が1970年代から1980年代前半のロックに夢中なんだ。偉大な音楽が存在していた素晴らしい時代だよ。シン・リジー、ディープ・パープル、アイアン・メイデンは絶対に外せない。それらの影響を自身で咀嚼した上でオレたちの要素を加えていく。そうして創り上げられたサウンドがヒプノスの核を成していると思うよ。
■Hampus Hanson(Dr):オレはコージー・パウエルが大好きさ。イアン・ペイスとジョン・ボーナムもね。バディ・リッチなんかも好きだね。レインボー、レッド・ツェッペリン、スーパートランプ、ピンク・フロイドには影響を受けた。
■Philip Lindgren(Vo):ディープ・パープルのイアン・ギランに多大なる影響を受けた。彼はスクリームもできるし、普通に歌うこともできるからね。ロブ・ハルフォードも忘れてはいけない。オレはフルートもプレイするけどやはりジェスロ・タルだ。ソウル、ファンク系のタワー・オブ・パワー、シカゴも大好き。
■Pontus Isebring(g): もうずっとリッチー・ブラックモアとレインボーに尽きるよ。彼は最高のリフや革新的なギターを聴かせてくれた先駆者さ。ジミ・ヘンドリックス、ロビン・トロワー、スティーヴィー・レイ・ヴォーンもいいよね。ツイン・ギターはやっぱりシン・リジーとアイアン・メイデンさ。
■Anton Kallmin(b): 最初にKISSに衝撃を受けた。そしてモーターヘッドさ。レミーのリッケンバッカーとあのリズムには他のバンドにはないものを感じた。あと好きなバンドはシン・リジーアイアン・メイデン、レイナード・スキナードと初期メタリカだね。
■Oskar Karlsson(g):レッド・ツェッペリンにはやられた。ペイジのギター、ビッグなドラムとあのヴォーカル。そしてジョン・ポール・ジョンの生み出すグルーヴ感が堪らない。ギター・ワークから見ればレイナード・スキナード、シン・リジー、シェンカー時代のUFOさ。スレイドやステイタス・クォーにも影響を受けたね。シンプルなロックが一番だ。
──これからのスケジュールを教えて下さい。
オスカー:5月から<Cold Winds>ツアーをスウェーデンで行うよ。そして6月、7月とヨーロッパを廻る予定になっている。とにかく忙しい夏になりそうだ(笑)。日本のファンがこのニュー・アルバムを気に入ってくれることを願うばかりだ。気に入ってくれたら日本でライヴを行う確率が高くなるからね。実現したら素晴しい瞬間が訪れると確信している。日本は他のバンドにとっても特別な場所なんだ。実現できるように一緒に祈っていて欲しいよ。
※レコーディング終了後にFredrik Backstrom(G)とIdun(Dr)は脱退。新たにOskar Karlsson(G)とHampus Hansson(Dr)が加入。
ヒプノス『コールド・ウィンズ』
BKMY-1024 2,222円+税
※輸入盤日本仕様
1.Start The Hunt
2.I'm On The Run
3.The Captive
4.Det Kommer En Dag
5.Descending Sun(Unrootables White)
6.Cold September
7.Transylvanian Nightmare
8.1800
Recorded & Mixed by Henrik Magnusson
Line-up
・Philip Lindgren(Vo)
・Oskar Karlsson(G)
・Fredrik Backstrom(G)
・Anton Frick Kallmin(B)
・Idun(Dr)