美空ひばり、「さくらの唄」ギター伴奏のみの初出音源を発掘。生誕日にリリース

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2015年に27回忌を迎え、2017年には生誕80周年を迎える美空ひばりの「さくらの唄」の未発売音源が発見され、生誕日である5月29日に初CD化される。

◆「さくらの唄」ジャケット画像

「さくらの唄」は美空ひばりのシングルとして1976年7月1日に発売された。作詩家のなかにし礼が、実兄の莫大な借金を背負い込んだ後に歌詞を書き、その歌詞を見た三木たかしが詞の内容を気に入り曲をつけたもので、三木たかし自身が歌い、1970年にシングルレコードとして発表。ヒットにはならず埋もれていたが、その存在を知った当時のTBSドラマプロデューサーである久世光彦が楽曲に惚れこみ、ドラマ化を企画し主題歌として美空ひばりにオファー。カバー楽曲をシングルとして発売することはほとんどなかった美空ひばりがシングル化したことでも稀有な一曲とされる。


シングルの制作にあたり、2016年2月初旬にマスターテープなどを確認したところ、担当プロデューサーが別バージョンの音源を発見。「さくらの唄」は3コーラスの楽曲で、ギターのアルペジオのみの歌唱に始まり、途中からストリングスが入り、最後にはフルオーケストラ演奏のアレンジとなるが、今回確認されたマスターテープにはギター伴奏のみによるバージョンとカラオケ音源が収録されていた。

なおカップリングには同じくなかにし礼と三木たかしによる楽曲「われとわが身を眠らす子守唄」が収録されている。

作詩にあたったなかにし礼は「この曲は借金を返しても返しても大変で、疲れ果てたときに書いた遺言のような歌。死を恐れつつも死に憧れた唄。とても暗い歌だけに、この曲がシングルとして発売されることは素直に嬉しい。ひばりのレコーディングに立ち会ったとき、ひばりは本当にうまかった。三木は泣いて歌っていたが、ひばりはにっこり笑いながら歌う。慈愛の笑みで。そのほうがよく伝わった。」と語っている。

なお今年の誕生日である5月29日に行なわれる<第79回 美空ひばり 生誕祭>は、例年イベントを実施してきた日比谷公会堂が改修に入ったため、浅草公会堂にて開催される予定だ。

美空ひばり「さくらの唄」

2016年5月29日発売
収録内容:
1.さくらの唄(ギター・バージョン)
2.われとわが身を眠らす子守唄
3.さくらの唄(オリジナル・バージョン)
4.さくらの唄(ギター・バージョン) オリジナル・カラオケ
5.われとわが身を眠らす子守唄 オリジナル・カラオケ

解説:
美空ひばりの生誕日にリリースするシングル。
今年はなかにし礼作詩、三木たかし作曲の作品2曲をカップリングにして収録。
「さくらの唄」は1976年に発売されたシングルですが、隠れた名曲として知られている。

失意のなかにし礼氏が作詩をし三木たかし自らがレコード化したがヒットせず、その曲を耳にした当時TBSドラマプロデューサーだった久世光彦がドラマ化を企画し、主題歌として美空ひばりにオファーしたというエピソードが残っている。
「われとわが身を眠らす子守唄」は1988年のアルバム「不死鳥」の収録曲で東京ドームでのコンサートでも披露された。

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