美空ひばり、33回忌に東京タワーと横浜マリンタワーが紫色にライトアップ

美空ひばりの33回忌を記念して、命日である6月24日に東京タワーと横浜マリンタワーがイメージカラーの紫色にライトアップされる。

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美空ひばりは1937年（昭和12年）に神奈川・横浜の磯子で生まれ、幼少期は父母の営む魚屋の店先で百人一首に節をつけて全て諳んじて見せる看板娘だった。

戦中は押入れの中で蓄音機から流れる歌に熱中。戦地に赴く出征兵士の壮行会に呼ばれて歌っては涙する人々の姿に、歌を一生の仕事にしたいと思った原体験が、歌手の道へのスタートとなった。

終戦から1ヶ月、8歳になったひばりは歌好きの父が近所から集めた若者で結成した“ミソラ楽団”をバックに歌い始める。ストリートミュージシャンとなったひばりの歌は横浜の人々の間で人気を集め、次第に大きなステージにも立ち始めた。

そんな人気に白羽の矢が立ち、12歳で主演した横浜が舞台の松竹映画『悲しき口笛』が大ヒットし、同タイトル主題歌も45万枚の大ヒット。これがハワイやアメリカ西海岸でも話題となり、まだ日本人の海外渡航が全面禁止されていた時代に、日系人社会のバックアップを受けて30回を越えるライブツアーが敢行された。

こうして、大衆に寄り添った美空ひばりの芸能人生は横浜から幕を開け、戦後復興の一つの象徴となった。

1958年（昭和33年）に東京タワーが完成すると、翌年から電波送信が始まり家庭にテレビ番組が届くように。この年、ひばりは「東京タワー」（作詞・野村俊夫　作曲・船村徹）も発表している。

1964年（昭和39年）東京オリンピックでは、柔道の選手たちが4階級中3階級で金メダルを獲得。ひばりもまた同年「柔」（作詞・関沢新一　作曲・古賀政男）で「勝つと思うな　思えば負けよ」と歌い、当時180万枚のセールスを記録している。

終戦と共に大衆に寄り添い、1年の半分以上をステージに立ち続けた美空ひばりは、1989年（平成元年）6月24日、昭和の終わりと共に永眠。

その日から32年が経った2021年6月24日、東京タワーと生誕地である横浜の横浜マリンタワーが、同時刻19時20分に美空ひばりの愛した紫色にライトアップされる。