【インタビュー】安田レイ、新曲は「ある出来事について書いた感謝の“メッセージ”」

■3曲とも全然違った世界観ではあるけど
■景色が変わっていく感覚……プチジェットコースターです（笑）

──カップリング曲についてもお伺いしていきます。「Reflection」もまた、とてもキラキラと輝きのある曲になりましたね。こちらはどういった思いを込めていますか？

安田：長い冬が終わって、パッと華やかな春に変わっていくようなシーンがぴったりな1曲です。この曲も、私自身が以前感じたことを曲にしたいなと思っていて。歌詞に出てくる“そのままでいいよ”っていう言葉が、私はすごく好きなんですね。みんなと一緒、誰かと同じじゃないと不安だと思う人もいると思うんですけど、私は自分の弱さや強さを大事にしてほしいという思いが強いんです。高校生の時、差別的とまでいかないですけど、「ハーフだから」と言われることがあったりして。学生の時って、相手を傷づけるつもりはなくても、思ったことをすぐに言ってしまうことがあると思うんです。それって、実は言われている本人はすごく傷ついているんですよね。そんな時、ある友だちが、「レイちゃんはレイちゃんだから」って言ってくれたんです。その子も、いとこにハーフの子がいることもあって、個性を尊重してくれて。みんなが自分は自分でいいんだって思える日本になってほしいし、そういう世界になってほしいなと思う。

▲8thシングル「Message」通常盤

──自分らしくというのは、何気ない言葉かもしれないですが、10代の頃には特に響く言葉かもしれない。

安田：その子が言ってくれた言葉は、今でも心に残っていますね。今の若い子たちも、誰かの真似をすることは悪いことではないけど、みんなと同じファッションをしたり、みんなと同じ音楽を聴いたり、みんなと同じ考えになっちゃっている部分はあると思うので。自分の本当の部分をしっかり大切にしてほしいなって。そういうことは、アメリカンスクールに通って学んだ部分なんです。学校には、メキシカンがいたり、チャイニーズもアフリカンもいたり、いろんな人種、文化、宗教の人がたくさんいる中で育ったので。みんなと違うことは素晴らしいというか。逆に一緒ではつまらないなという考えを持っていたので。

──日本では「右へならえ」的な考え方が強いですよね。

安田：そう。みんな固まって行動するというのが日常的にあったので。これはなんでなんだろう？っていうのは、日本の学校に行った時の最初のカルチャーショックだったんです。人と違うことってダメなことなのかな？って、すごく謎に思ったこともあったんです。でも、人と違うことを、マイナスに捉えるんじゃなくてそれを自分の長所だと思い込むことも大事だと思うので。例えば、傷つくことを言われたとしても、これは私の長所なんだって思える人が増えてほしい。そういったメッセージをこの曲に込めましたね。

──この2曲の話を聞いただけでも、今まで以上に安田さん自身の思いが濃いシングルで、大きな一枚になりそうですね。

安田：そうですね（笑）。自分の言葉で歌詞を書くことって、今までの人生を振り返ることのできる大きなチャンスでもありますしね。あんなことがあったな、あそこであんなに傷ついたけど、あの時のあの言葉ですごく救われたなとか。思い出がよみがえってきたので。久しぶりにいろんな人に連絡したくなりました（笑）。

──そしてもう1曲、「Shakin’ Da Beat」。これは一転して、カッコいい安田レイさんが味わえる曲。

安田：この曲は最初に聴いた時、「マイケル（ジャクソン）降臨だ！」と思って（笑）。こういうダンスっぽい曲は、もともと元気ロケッツの時からやっていたし、安田レイとしても何曲かやっていますから。ただ、今までの爽やかなタイプのダンスチューンとはまた違う1曲になりましたね。

──ライブで盛り上がる一曲でもありますね。

安田：そういう曲を作ってツアーにいきたかったんです。2015年は3本のツアーをまわって、みんなで踊ったり、いっぱい汗をかいたりして、クレイジーになれる曲をもっと増やしたいなと思ったので。今回は、「Message」も「Reflection」も「Shakin’ Da Beat」も全然違った世界観ではあるけど、でもどれも安田レイがセンターにいるというか。聴いていてどんどん景色が変わっていく感覚……プチジェットコースターですね。

──表題曲で作詞を手がけて、より発信力のある曲が増えました。2ndアルバム『PRISM』を経て、これからもこういった挑戦は続いていきそうですかね。

安田：そうですね。まだ思いっきり黒っぽい曲がないので、超ソウルな、歌い上げ系みたいなものもやってみたいと思っているんです。それがどんなタイミングで出来るかわからないですけど、新しいジャンルの楽曲も、どんどん挑戦したいと思っています。

取材・文◎吉羽さおり




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