【短期連載】佐々木亮介 (a flood of circle) のTHE BLUE TOUR DIARY_第14回『ノ!ボ!リ!べ!ツ!@札幌cube garden』

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札幌cube gardenは天井が高くて抜けが良い造りなのに、物凄く熱気が籠っていた。フロア大爆発してたな。どの曲も熱狂的に迎え入れてくれた。

◆a flood of circle (2016.5.13@札幌cube garden) 画像





結局一番盛り上がったのはキョウスケがぶち込んだ『登別熊牧場』のいかれたCMソング(褒めてます)だった気がするんだけどね。練習しておかなきゃね、これ。

北海道では何度もライブをして来たけれど、弾き語りライブも何度か演っている。おそらく東京の次に多く演ってきたんじゃないかな。

2012年だったと思うけど、札幌PENNY LANE24で催された弾き語りイベントに誘われて演奏しに行ったのが最初。出演者全員が気に入りの詩をひとつ選んできて朗読するという御題付きの面白い企画だった。俺が選んだのは大好きな茨木のり子さんの『自分の感受性くらい』。「月面のプール」なんかを弾き語りしながら、曲と曲の間に朗読をしたんだ。茨木のり子さんについては思春期に読んだ岩波ジュニア新書の『詩のこころを読む』という本が入り口で、これは本人の詩はひとつも載ってなくて近代詩や現代詩の名作について書いてある詩論のような本なんだけど、その柔らかくも強い芯を感じる文章が隅から隅まで大好きだった。載っている詩もどれも素晴らしくて、吉野弘、黒田三郎、石垣りんといった人達の詩もそこで覚えたし、それから『茨木のり子詩集』(ベスト・アルバムみたいなやつ)を読んで更に衝撃を受けた。

谷川俊太郎さんが何かのインタビューで「詩は音楽に憧れている」と言っていたけれど、朗読することによって黙読だけでは分からない魅力が生まれる詩は沢山ある。『自分の感受性くらい』は声にして読み上げると独特の凛としたリズムが現れて、いつ読んでも背筋を伸ばしてくれる言霊を持った作品だ。そういう思い入れもあったもんだから、札幌での弾き語りデビューは印象深い。円山Revolverでは、オールドの品川さんと歌った。「スタンド・バイ・ミー」の日本語カバーとかね。まあカバーというか、いつもの超訳というか、替え歌だけど。

イマイアキノブ&佐々木亮介&サトウミノルとしてのトリオ演奏も北海道で演ったことがある。狸小路のモールで開催された『東北ライブハウス大作戦』の映画上映会のゲストとして。「Summertime Blues II」を歌ったり、イマイさんの「マブシイ」「君と逢う新宿」「お舟の上のマドンナ」なんかがレパートリーだった。トリオでは<RISING SUN ROCK FESTIVAL>の『東北ライブハウス大作戦』ステージでも演奏した。イマイさんとサトウさんとの演奏は、いつもものすごく刺激的なんだ。俺はほんの少ししか参加してないけど、そこに山本久土さんが加わって作り上げられた『暢気楼』っていうイマイさんのアルバムも最高に面白い作品。「いまもギターを」って曲とか、欲しいくらいだもん。またイマイさん達と北海道に来たいな。一緒にめちゃくちゃな酔い方をしながら歌いたい。

<RISING SUN ROCK FESTIVAL>のイベントで、チカホ(札幌駅前の大通りの地下歩道)で歌ったこともある。往来の隅に特設ステージがあって、まるで路上ライブみたいな雰囲気だった。北海道開拓の村でのライブも面白かった。札幌の人々にとっては遠足の定番らしいね。開拓時代の札幌の風景を再現していて、古い建物がそのまま移築されて集まっている場所なんだけど、教会で歌ったんだよな。「ファイト!」(中島みゆき)のカバーを演ったかな。<ミソジマエ・ブルース>という弾き語りのワンマン・ツアーでももちろん札幌に来ていて、会場は円山夜想(マルヤマノクターン)。雰囲気の良い店だった。ゲストでDrop'sの中野ミホさんに来てもらってね。横で聴く彼女の歌声は素晴らしかった。

こう振り返ると、札幌での弾き語りはひとつひとつが濃かったな。弾き語りには、バンドとはまた違う歓びと自由がある。

そもそも弾き語りというものを初めて知ったのは、20年も前のことだ。ベルギーに住んでいた頃。ブラッセル日本人学校に通っていたんだけど、先生が少なかったから、音楽の授業は国語の先生が兼任していてね。先生の特技はギターだったから、音楽の授業の伴奏はピアノじゃなくてギターだったんだ。それである時、国語の授業で生徒が書いた詩に、先生が音楽の授業として曲を付けてくれたことがあって。「回旋塔」とか、そんな感じの詩だったと思うんだけどさ。曲が完成したら先生が弾き語りで曲を披露してくれて、それを皆で覚えて歌うっていう授業で。有名な曲を歌うよりも全然楽しかった。授業が小さなリサイタルのようになってね。ゼロから何かが生まれる面白さってそれで教わった気がするし、先生がギターを構えて歌う姿はやっぱり格好良かった。その時はそれが一風変わった授業だってことに気づきもしなかったからさ、今思うと本当に素敵な先生だったなと思う。あのカセット・テープ、まだ実家にあるかな。

自分でギターを弾いて歌い出したのは、ティーンエイジャーになってからで、やっぱりビートルズとスピッツ。「イン・マイ・ライフ」や「トゥ・オブ・アス」、「ジュテーム?」や「フェイクファー」とかね。あと高田渡さんへの憧れがずっとある。ギターを弾いて歌う、これだけは子供の時からずっと続けている唯一のことかも知れない。

他の札幌の思い出と言えば、THE BACK HORNの山田さんと場末のスナックを探して店に入ったらほとんどキャバクラだった、みたいな思い出ばかりですから……また歌いに行くよ。山田さんとも弾き語り演りたいなあ。




16/05/14 10:24 苫小牧から八戸へ向かうフェリーがガラガラに空いてるから、ギターを弾こうと思う

佐々木亮介

<AFOC 10th Anniversary“THE BLUE TOUR -青く塗れ!-”>

4月02日(土) 千葉LOOK  open 17:30 / start 18:00
4月03日(日) 水戸LIGHT HOUSE  open 17:30 / start 18:00
4月09日(土) 郡山HIPSHOT JAPAN  open 17:30 / start 18:00
4月10日(日) 盛岡the five morioka  open 17:30 / start 18:00
4月14日(木) 金沢vanvanV4  open 18:30 / start 19:00
4月15日(金) 新潟CLUB RIVERST  open 18:30 / start 19:00
4月17日(日) 長野J  open 17:30 / start 18:00
4月22日(金) 宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-2  open 18:30 / start 19:00
5月01日(日) 岡山PEPPER LAND  open 17:30 / start 18:00
5月03日(火) 鹿児島SR HALL  open 16:30 / start 17:00
5月05日(木) 大分club SPOT  open 16:30 / start 17:00
5月07日(土) 松山Wstudio RED open 16:30 / start 17:00
5月08日(日) 高松DIME  open 16:30 / start 17:00
5月13日(金) 札幌cube garden  open 18:30 / start 19:00
5月15日(日) 仙台CLUB JUNK BOX  open 17:30 / start 18:00
5月19日(木) 高知X-pt.  open 18:30 / start 19:00
5月21日(土) 広島SECOND CRUTCH  open 17:30 / start 18:00
5月22日(日) 大阪なんばHatch  open 17:00 / start 18:00
5月27日(金) 名古屋DIAMOND HALL  open 18:00 / start 19:00
5月29日(日) 福岡CB  open 17:30 / start 18:00
6月04日(土) 新木場STUDIO COAST  open 17:00 / start 18:00
6月11日(土) 沖縄Output  open 17:30 / start 18:00
6月12日(日) 沖縄Output  open 17:30 / start 18:00
チケット料金:¥3,500(+税)
※5/3~5/8公演はScoobie DoとのWヘッドライナー

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◆a flood of circle オフィシャルサイト
◆青 オフィシャルYouTubeチャンネル
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