【インタビュー:前編】フルカワユタカ、ART-SCHOOLとの対バンを語る「猥雑ですね」
ART-SCHOOLとフルカワユタカによる対バンライブが本日5月12日、東京キネマ倶楽部にて開催される。<ヨカノスゴシカタ 3>と題された同ライブは、東京キネマ倶楽部がライブホール営業15周年を記念して行なわれるものだ。
◆フルカワユタカ×ART-SCHOOL 画像
約1年の活動休止期間を経て2016年2月の新木場コーストワンマンで活動を本格再開させたART-SCHOOLと、DOPING PANDA解散後ソロとしてますます精力的な活動を続けるフルカワユタカの直接対決は、これまでの対バンとはまた異なるものとなりそうな予感。また、BARKSにて連載中のフルカワユタカのコラム“フルカワユタカはこう語った 第7回『カートとスティング』”では、木下理樹との並々ならぬ深い関係性も描かれて、大きな反響を呼んだ。
BARKSでは、このライブ直前にソロとしての活動が進境著しいフルカワユタカ緊急インタビューを敢行した。“ART-SCHOOLとの対バン”についてを前編として、中編に“Base Ball Bearサポートギタリスト”、後編に“Base Ball Bearとthe band apartとの2ヶ月連続対バンイベント<play with B>”と、3回にわたってインタビューを公開していく。まず前編の冒頭は、ここ最近執筆テイストに変化が見られるコラム“フルカワユタカはこう語った”について。
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■こういうやつを親友って呼ぶのかなって
■友だちとも違うんですよね、アイツは
──BARKSで連載中のコラム“フルカワユタカはこう語った”は、現在まで7回が更新されています。これは当初、リスナーやミュージシャンに直接役立つ情報提供の場としてスタートしたものですが、ここ最近はその主旨がよりエッジの効いたものになってきていますね。
フルカワ:僕がBase Ball Bearのツアーを手伝ったということもあって、ドキュメンタリータッチになってきましたね。本来は音楽の話だけで完結しようと始めたコラムなんですよ。というのも、オフィシャルサイトに掲載しているブログが日記的な内容なので、それと区別したくて、なるべく音楽的なものを、と思っていたんですけど。
──第五回の『今話す声』くらいから、より思想が効いてきたというか。そもそもタイトルはニーチェ著作『ツァラツゥストラはこう語った』のオマージュだし。
フルカワ:たしかに、Base Ball Bearの話が動き出したのもそのあたりからで。そういう流れが文章に影響を及ぼしたのかもしれない。
──では、濃度の高まりには自覚があると。
フルカワ:ありますね。もちろん、ちゃんと読んでいただけるように第一回からしっかり書いているんですけど、ここ最近は物語的でしょ。僕はだから、もの凄く推敲していますよ(笑)。ここまで慎重に行いながら、音楽作品をアウトプットした経験があったかな?っていうくらいね(笑)。
──いや、ロックスターの音楽同様、構成力の高さがものをいう内容ですよ。だからこそ、“文章上手いし、面白い。 via”ってアジカンの後藤さんも自身のTwitterで太鼓判を押したんでしょうし、このコラムも注目度が上がっているんでしょう。
フルカワ:ま、一番新しいコラムの内容が、愛されるべき木下理樹の話だったからじゃないですかね(笑)、みなさんの食い付きがいいのは。
──ははは。今回のインタビューは、そのART-SCHOOLとの対バンライブ<東京キネマ倶楽部プレゼンツ ~ヨカノスゴシカタ 3~>の話を前編に、中編はBase Ball Bearのツアーの話、後編はBase Ball Bearやthe band apartとの2ヶ月連続対バンシリーズとなる<play with B>についてうかがう3部構成でお届けしたいと思います。まず、<東京キネマ倶楽部プレゼンツ ~ヨカノスゴシカタ 3~>ですが、これはそのタイトル通り、東京キネマ倶楽部の企画イベントですか?
フルカワ:そうです。木下と僕の間で盛り上がって実現したとかじゃなくて、ライブ制作の方からそれぞれにオファがあった企画ですね。
──ファンの方は、お2人の付き合いの長さや深さや濃さは、よく御存知だと思うんです。連載第7回『カートとスティング』に記していただいたような間柄だということを。
フルカワ:独特なんですよね、僕と木下は。木下にはいわゆる毎日飲むような後輩もいるんですよ。僕で言えば大久保(Base Ball Bearマネージャー)。だから木下と僕は頻繁に会っているわけではないんです。多くても年に10回飲むか飲まないかじゃないですか。でも、なんかあると一緒になったり。それは歴史のせいか、周りにも“あの2人は”っていう認識があるから、コラムにも書いたように『音楽と人』からイベント出演のオファが2人にきたり。本当に独特ですね。
──認め合っているという?
フルカワ:お互い尊敬しているような、尊敬してないような。こういう相手はアイツにもいないだろうし、僕にもいないんですよ。だから、ちょっとわからないですけど……こういうやつを親友って呼ぶのかなって。ドラマに出てくるような、その言葉からみなさんが想像するような親友とは違うんですけど。あえて言うなら、そうなのかな。友だちとも違うんですよね、アイツは。
──それって音楽ありきですか?
フルカワ:それさえもよくわからないですね。2人だけだと、もの凄く真面目に音楽の話だけをすることもあるんですよ。この間もね、“OasisとBlur”のどっちが優れているみたいな、典型的な話をしちゃったんですよ(笑)。家に帰って、思い返したら恥ずかしくなるような(笑)。それこそTHE BEATLESのポールとジョンは……みたいな。
──ベタすぎるくらいベタですね(笑)。コラムでは、木下さんの音楽的センスは大いに認めども、音楽的技術に関してはコテンパンでした。
フルカワ:だって、弾けないですもん、あいつはギター(笑)。歌だって、まぁあの歌がいいんでしょうけど、ギターに関してはあのギターがいいってことはないだろうなって僕は思ってます(笑)。歌は、上手ければいいってわけではないところがあるでしょ。あの歌があの楽曲と一緒に存在する、それが木下理樹であり、ART-SCHOOLなので。“下手”と“悪い”は別もの。下手だけど良いねってことは音楽の世界には存在しますからね、必ず。逆を言えば、上手いけどダサイのも山ほどある。コラムを読んでビックリした人もいるかもしれないけど、書いたことは率直な本音です。
──それって、木下さんとフルカワさんの関係性だから言えるものでしょ。
フルカワ:いや、誰にでも……あー、そうですね、木下だからですね。酔っ払って“誰にでもモード”になるときがあって(笑)、何回かケンカしたことありますけど。基本的にシラフのときに言えるアーティストは木下か、仲のいい後輩、あとは湯浅とかもそう。
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