【ライブレポート】吉川友、拳と拳で語り合う24歳誕生日公演
中盤では、今回のツアー用に、吉川友のライブにおける定番ナンバー6曲をバンドサウンドにリアレンジしたバージョンで披露する。観客ひとりひとりが手にする黄色いペンライトが埋め尽くすフロアと、クールにセクシーに、そしてパワフルにアグレッシブに躍動する吉川友。ステージ上を鮮やかな光の粒が染め上げる中で、抜群の表現力をもって、時にロックスターのような雰囲気で天を仰ぎながら熱いライブを組み立てていく。そしてその盛り上がりは「アカネディスコ」で最高潮に達する。前回ツアーで“吉川ブートキャンプ”と名付けられ、“あのエクササイズビデオ”のような振りで、友フレも脂肪燃焼に勤しむこの曲。きっかは熱いコールを求め、レスポンスを受け取りながら、激しさとともに会場をひとつにまとめあげた。
「やだー!この回!?」と、スタッフからのバースデーサプライズ(アイスクリームケーキ)もステージに登場した昼公演のアンコール。きっかは、24年前から今に至るまでの自分自身をあらためて思い返す。朝8時20分に生まれたこと。小さい頃は恥ずかしがり屋だったこと。モーニング娘。に憧れてこの世界の扉を叩いたものの、ソロデビューすることになったこと。自分自身が自分の限界がわからずに、周りの人たちに迷惑をかけたこと。
「本当に、いろんな経験をさせていただいて、いろんな方からいろいろ教えていただいて、今日、ここに吉川友は存在するんだなって思います。いつも大事な時にメールをくれる家族だったり、友達。そしていつも私を支えてくれるスタッフさん。そして何より、私のライブに時間を割いて集まってくれるファンのみなさん。みんなのおかげで、今日ここまで諦めることなく、突っ走ってくることができました。本当にありがとうございます。」
そして彼女は、会場に集ってくれた人たちを前に、未来への誓いを立てる。
「もちろんですよ。このままこの世界で20年、30年生きていきたいなって想いがあるので。そしてこの世界で生きていくからにはですね、絶対、売れたいな、と。売れることがこの世界の終点ではないですけど、目標でもあるので、いつかは、本当に大きな会場で歌えるように、大きな会場にみなさんを連れていけるように頑張りたいなと思います。みなさんがおじいちゃんおばあちゃんになる、ヨボヨボになるまでには必ず、連れて行くと約束しますので、そのためにはみなさんの熱い応援が必要です。これからも吉川友の熱い応援、よろしくお願いします。」
「みなさんがおじいちゃんおばあちゃんになる、ヨボヨボになるまでには必ず」と口にしたところで、友フレが笑う。「友フレがヨボヨボになる頃には、きっかもシワシワだよ。」なんて声が聞こえてきそうである。
もっともアンコールでも、本編の熱量そのままに、ステージを降りてフロア上、道なき道を行く吉川友(スタッフすら置き去りにしてひとりで勝手にフロアへと降りて客席の間を歩いたのはいいものの、いざステージに戻ろうとするも最前の柵で動線が途切れていたため、友フレをかき分けるようにステージに戻っていくという“いつもの”無茶苦茶っぷり)。さらになぜか開演時からステージ上にセッティングされていた謎のボクシンググローブを装着して、友フレたちと拳と拳で語り合う吉川友(ボクサー同士かのように拳を合わせる)。
「大きな会場にみなさんを連れて行く」と堂々宣言した24歳。その横顔が18歳デビュー当時の頃よりも少しだけ勇ましく見えたのは、単に彼女がグローブを装着してボクサー気分に酔っていたから……ではないのだろう。きっと。
「えっ、ライブの感想を一言ですか。いやー、もう大阪の名物・たこ焼きのように、会場のみなさん一粒一粒を熱々にしてやりましたよ! あははははは!(自らの発言にウケて大爆笑)美味しくいただきました!」── 吉川友(初日大阪・昼公演終了後)
なお、友フレからの誕生日サプライズ(白サイ祭り)もあった夜公演では、アンコール明けのMCにてきっかが涙を見せる一幕もあった。
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吉川友、6月1日リリース「歯をくいしばれっっ!/チャーミング勝負世代」は、大森靖子が吉川友のために書き下ろした、エレクトロニック・アコースティック・シャンソン・ロックとも呼ぶべき「歯をくいしばれっっ!」と、アカシックの理姫と奥脇達也による書き下ろしのロックチューン「チャーミング勝負世代」のダブルAサイドシングル。
また<吉川友バースデーツアー ~あと5分で本気出すよ?~>東京公演は、5月8日に原宿ASTROホールにて開催される。
text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)
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