【ライブレポ】人間椅子、初の海外公演決定「ロシアに行ってまいります!」
4月17日、東京・EX THEATER ROPPONGIにて、<続・怪談 そして死とエロス>と銘打たれた人間椅子のワンマンライヴが催された。3月19日に東京・赤坂BLITZにてフィナーレを迎えた全国ツアー<怪談 そして死とエロス~リリース記念ワンマンツアー>の追加公演にあたる今回のライヴも、大盛況。先頃のツアーでは披露されなかった曲やレア曲も堪能できるとあって、詰めかけたオーディエンスは今か今かと開演を待ちわびていた。
◆ライブ画像(全14枚)
午後5時を10分ほど過ぎた頃、場内が暗転。SE「此岸御詠歌」が妖しく響きわたり、和嶋慎治(G&Vo)、鈴木研一(B&Vo)、ナカジマノブ(Dr&Vo)の3人が配置につく。1曲目の「菊花の数え唄」からいきなり会場のムードは最高潮に達し、続いて「狼の黄昏」が披露されると、フロアは揺れに揺れる。和嶋の情感たっぷりのギター、鈴木の全身を貫くかのようなベース、ナカジマのいきいきとした力強いドラム。歌心のある3人の演奏は、いつ観ても心躍る。EX THEATER ROPPONGIは彼らにとって初めての会場だが、そんなことなどお構いなしの質の高いパフォーマンスである。
「十数年ぶりにやる曲もあります。今日は存分に楽しんでください!」と和嶋が叫ぶと、「狂ひ咲き」「地獄の料理人」「胡蝶蘭」といった隠れた名曲が次々と放たれる展開に。フロアから大歓声が上がった「芋虫」では、鈴木の物悲しくも凄みのあるヴォーカルに加え、この日のために和嶋が購入したというテルミンの音色が観客を摩訶不思議な世界へと誘っていた。
先頃の全国ツアーで浸透した「恐怖の大王」や「芳一受難」の盛り上がりも凄まじく、『怪談 そして死とエロス』という名盤の魅力を再訪した気分になる。ナカジマがヴォーカルをとる「超能力があったなら」を皮切りに、「膿物語」や「雪女」など、終盤も汗が噴き出すへヴィ・チューンで畳みかける彼ら。本編の最後には、お馴染みの「針の山」が炸裂し、場内の興奮は頂点に達した。だが、この熱気がここで終わるはずはなく、お待ちかねのアンコールへ突入。目の前で不気味な列車が動き出すかのような「幽霊列車」、既に定番曲となった感のあるド迫力の「地獄の球宴」が立て続けに披露され、観客は狂喜乱舞。ダークで幻想的な歌詞と病みつきになるへヴィネスが同居する人間椅子のサウンドは、今宵も酔い心地抜群だ。
二度目のアンコールに応えて再登場する彼ら。ここで和嶋の口から嬉しいニュースが伝えられる。「5月に我々はロシアに行ってまいります!モスクワで行われる<RAMF 2016>という、アジアのアーティストを呼んで異文化交流をするというイベントです!」人間椅子初の海外公演の報せを聞き、喜びに浸るオーディエンス。さらに、6月末から7月初めにかけて夏のツアーを開催することが発表され、観客は夢心地に。最後の一曲「どっとはらい」のグルーヴを満喫するうちに、時計は午後7時半近くを指していた。人間椅子の奥深い世界を知る、贅沢な追加公演。彼らの今後の活躍が楽しみでならない。
尚、この夜のライヴ中に発表された彼らにとって初の海外公演となるロシアでのイベントおよび夏のワンマンツアー〈地獄の道化師〉について、終演後、各メンバーに意気込みを語ってもらった。
■和嶋慎治 コメント
■鈴木研一 コメント
■ナカジマノブ コメント
TEXT BY 志村つくね
PHOTO BY ほりたよしか
セットリスト
2. 狼の黄昏
3. 狂ひ咲き
4. 地獄の料理人
5. 芋虫
6. 胡蝶蘭
7. 恐怖の大王
8. 芳一受難
9. 泥の雨
10. 黄泉がえりの街
11. 深淵
12. 超能力があったなら
13. 膿物語
14. 雪女
15. 針の山
EN-1
16. 幽霊列車
17. 地獄の球宴
EN-2
18. どっとはらい
<人間椅子ワンマンツアー『地獄の道化師』>
7月1日(金)新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
7月3日(日)高松 Olive Hall
7月5日(火)名古屋 Electric Lady Land
7月8日 (金)大阪 味園ユニバース
7月10日(日)新宿 ReNY
※詳細は、後日発表致します。
<RAMF 2016>
会場:State Central Concert Hall Rossiya
※開催国及びアジア(日本、韓国、中国、ベトナム)の音楽、文化の紹介、交流を目的としたイベント
イベントオフィシャルサイト:http://ramf2016.com/
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