【インタビュー】ALvino、結成10周年記念作第一弾で「歌に挑むギターを」
ALvinoが4月6日、ミニアルバム『G-T-R』をリリースする。御存知の通りALvinoは、KOJI (ex La'cryma Christi)と潤 (ex PIERROT)を中心に、ボーカリストのShotaを迎えて結成されたバンドであり、ライヴを中心に精力的な活動を継続してきた。この10年の間に、KOJIはLa'cryma Christiの再結成ライヴをはじめ、THE ALFEEの高見沢俊彦やDAIGOのライヴにサポートギタリストとして参加、潤はPIERROTの再集結ライヴや自身主宰レーベル設立を果たし、Shotaはソロ企画としてのプロジェクトを展開するなど、あくまでもALvinoというバンドを基盤に、それぞれがそれぞれの場所でも切磋琢磨してきた。
◆ALvino 画像
そして2016年、ALvinoは結成10周年を記念してメンバー個々の誕生月にミニアルバムをリリースする。その第一弾となる作品が『G-T-R』であり、同作は4月12日に誕生日を迎えるKOJIをフィーチャーしたものだ。この作品は10年を振り返って懐かしむものではない。これまでの試行錯誤の末に見出したサウンド的な方法論を、明日へ向かって解き放つような輝きと熱量に溢れている。KOJIは、作品タイトルが示すように“GUITAR”を前面に押し出すべくトータルコンセプトをまとめ上げ、潤とShotaは培ってきた技術と経験を作品に封じ込めた。結果、完成した作品がALvinoの未来を3人で描き切ったことが、このインタビューからも伝わるはずだ。結成から10年の現在地点や、『G-T-R』に収録された1曲1曲について話を訊いたロングインタビューをお届けしたい。
◆ ◆ ◆
■結成当時からギターより歌を重視していたんです
■その良さをキープしたうえでギターを押し出した──KOJI
──まずは結成10周年を迎えた心境などをお願いします。
KOJI:10年は長かったし、濃かった。それは活動の表側だけではなくて、メンバー間でもこの10年はいろいろあったから。ALvinoを続けることを前提としたぶつかり合いはずっとあって、もう無理かもしれないと思う時も何度か。そういうことも含めて壁というのは常にやってきて、それを乗り越えてということを繰り返してきたんです。でも、今となっては大変だったことも楽しい思い出になっているし、良い経験になったので、いい10年だったなと思います。
▲潤(G)&KOJI(G) |
Shota:感覚的には必死にやっていたら10年経っていたという感じです。僕はいわゆるプロフェッショナルなバンドに参加するのはALvinoが初めてで、プロのミュージシャンとしてやっていくことと向き合いながら続けてきた10年でもあったから。周りからしたら、まだまだフワフワ見えている部分があると思うけど(笑)、自分の中では、なんとなくやってきたら10年できた、というような安易なものではない。そこから得られたものはたくさんあって、最近はライブがやっと楽しくなってきたというか。ずっと必死な部分のほうが強かったけど、ここに来てお客さんの表情を見たりする余裕が出てきたんですよ。これからはもっとALvinoを楽しめる。
──2016年は10周年ということで、すでに発売形態が発表されていますが、音源のリリースもスペシャルなものになるようですね。
KOJI:メンバーそれぞれの誕生月に、それぞれをフィーチャリングしたミニアルバムをリリースします。その第一弾が4月6日発売の『G-T-R』。僕のカラーを押し出した作品になっています。はじめは完全に自分色で染めようと思っていたんですけど、潤君のストックの中に自分がやりたい曲もあったので、ちょっと縛りを緩めてトータルコンセプトを自分で引っ張っていくことにしました。
──どういうコンセプトを立てたのでしょう?
KOJI:ギターを前面に出すということ。ALvino結成から7〜8年目くらいまでは、ギターよりも歌を重視していたんです。もちろん、そういうスタイルが好きだったから、歌を一番良い形で聴かせるようとしていたわけで。ただ、以前セルフプロデュースをしたんですが、自分は上モノのシンセ系アレンジがあまり得意じゃないという問題があって。そこをギターでアレンジしてみたらすごく楽しいんですよ。いつもは歌とギターのバランス考えながらアレンジしていたのが、今回は歌に挑んでいくようなギターをいっぱい弾きたいなと。さっきも言ったように当然、歌を聴かせることは好きだし、歌メロが大事だと思っているから、そこはキープしたうえでギターを押し出す方向に持っていきました。
▲Shota(Vo) |
KOJI:結成10年ということを踏まえて作った曲ですね。結成日の2月16日近辺には、毎年僕らは結成記念ライブをしていて。今年は2月14日の開催日から10周年がスタートするという気持ちで、記念ソングを作りたいなと。5周年と、去年のアニバーサリーライブの時も曲は作ったんですけど、今回は“10”という数字に相応しい曲にしないといけない。で、曲は早い時期にできたんですけど、歌詞が全然書けなかった……というか書こうとしなかったんですよ(笑)。
──ははは。どうして?
KOJI:作詞はあまり得意じゃないから、向かい合うのに勇気がいるんです(笑)。書きたいこと、伝えたいことのイメージは頭の中にあるんだけど、書こうと思っても何も出て来ないということが以前あって。そうなるのが怖くて引き延ばす、みたいな(笑)。でも、いよいよ歌のプリプロの前日に、「この曲だけ歌詞がないね」という話になったので、腹を決めて書いたら一晩で出来たという。
──歌詞は、バンド賛歌であり、ファンに向けたメッセージという形を採りつつ、ラブソングとしても聴けるというところが秀逸です。
KOJI:最近は実体験100パーセントというよりは、何かに置き換えて書くことが多いんですね。バンドやメンバーをモチーフにした歌詞に“愛してる”という言葉が出てくると、いろんな意味でマズいじゃないですか(笑)。
潤&Shota:それはヤバい(笑)。
KOJI:そういう関係ではないのでね(笑)。メンバーとの絆を書くとしたら、それを恋愛にたとえたり、もっと大きな愛……博愛とか。そういったものに置き換えたりするんです。
潤:デモの段階からイントロの壮大な感じとかができあがっていて、初めて聴いた時に1曲目にしたいと思いました。ギターに関していえば、KOJIはいつもデモにがっつりギターを入れてくるんですけど、それをそのまま活かすことにして。それに今回は“ギター押し”というテーマがあったので、レコーディングはそれをさらに強調することを意識しました。結果、ギターはKOJIの持ち味を新鮮なまま詰め込んだというイメージです。
Shota:ボーカルはプリプロの時に、メンバーとプロデューサーのSHIGE ROCKS(Crack6)さんを含めた4人でメロディをじっくり作っていったので、いい精神状態でレコーディングに臨めました。今までは不安な気持ちで歌録りをすることも結構あったんですよ。壁に当たりながら、その時のベストを絞り出していた。でも、今回は“もっといける”という感じがあったんです。それが歌の空気感にも出ていると思いますね。
◆インタビュー(2)へ
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