【ライブレポート】Hysteric Lolita、メンバー5人が揃った最初で最後のワンマンライブ。人時ら豪華ゲストも

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ガールズバンドHysteric Lolita(略称:ヒスロリ)による初のワンマンライブが4月2日に東京:渋谷clubasiaにて開催され、300人以上を動員した。

◆Hysteric Lolita 画像(21点)

原宿系女子のバイブル誌「KERA」主催のガールズバンドプロジェクトオーディションを経て、2014年5月にCDデビューを果たしたヒスロリ。その「ネオ・ゴシック・ロック」と称する音楽、加えて持ち前の原宿系ファッションをフルに活かせる場所を求めて、彼女たちは国内外(台湾、韓国、タイ、フランス、イギリス)各所のステージでパフォーマンスしてきた。2015年を多くの海外遠征に費やし、2016年2月には1stアルバム『≠ Not equal』をリリース。ついにこの日、夢の一つだったワンマンライブの場へと辿り着く。

また、同時にこの日のライブをもってギターのNoaが脱退することも1ヶ月前にオフィシャルブログで告知されていた。これはヒスロリにとって現メンバー5人で行なう最初で最後のワンマンとなった。

スタンディングの会場に待ちかねていた観客がひしめく中、開演のSE「the Creation = 序」とともに会場には死神に扮したエキストラが大量に登場。彼らが漆黒のぼろを掲げて視界を遮り、それが一斉に下げられるとステージにヒスロリの5人が現れた。Rani(Vo)がステージ奥に掛けられた“≠ Not equal”の白幕を剥がすと、そこには1stアルバムのジャケットを飾ったあの花が。心地よい緊張感を感じさせるmisaT(Dr)のシンバルイントロから、文字通り咲き誇るような「BLOOM」でライブの火ぶたが切って落とされる。


「TOKYOそんなもんじゃないでしょ? 踊れる準備できてますか?」Raniの煽りからアグレッシブなナンバー「REAL」へ。待ちわびた初ワンマンに喜びを爆発させたファンがメンバーの動きに合わせて激しいヘドバンを見せる。Raniの「こんなに人がいてとても嬉しいです! 今日は超思い出に残る一日にしたいから、皆さんついてきてくれますか!」という声から、さらに観客とのコール&レスポンスが飛び交う「DISTRESS」、Rani作詞・作曲の「ALIVE」と順調に会場のボルテージは上昇していった。

「正直実感がなくて、これまでがあっという間すぎて本当にワンマンが来ちゃったなぁという気でいるんですけど、ここまでにすごい沢山の方々が関わってくださって、いっぱい動いてくださって、本当にここまで来たら私たちはやり切るしかない。」と語ったのはリーダーのBasil(Ba)。新しい5弦ベースを携え、「Ready! It’s all right!」ではRaniやNoa、ショルキーを抱えたLayra(Key)らと共にフロントへと身を乗り出す。観客の中には台湾から来たというファンの姿もあり、MCパートではRaniも「台湾! 久しぶり!」と驚きながらも嬉しそうな声をあげていた。


ファンと共に激しく拳を突き上げる「絶望のスパイラル」の後には、ゲストコーナーへ。ここで突如「青髪シスターズ」という突発ユニットが紹介される。青髪といえばヒスロリではBasilだが、今回はさらにガールズバンドCREAからベースのHirokaが参戦。2人の青髪ガールズがベースをかき鳴らし、イッツアスモールワールドならぬ「It's a AOGAMI world」や「千本桜」を披露して場を盛り上げた。



ここからさらに怒涛のスペシャルゲストが登場し、いよいよワンマンにしては只事でない贅沢な展開になってくる。ヒスロリのワンマンを祝うために現れたのは元ツイスト及びHOUND DOGのベーシスト鮫島秀樹や、元ZOOのボーカリストSATSUKI、ギタリストには原田喧太とシャ乱Qのはたけ。演奏前に鮫島秀樹が「今日の演奏次第で(はたけが)曲書いてくれるかもよ」とチラリとこぼし、Raniからは「えええええ!」と緊張MAXの叫び声が漏れていた。ツインベース・ツインギター・ツインボーカルという賑やかな構成(原田喧太とはたけは交代で参加)でZOOの「YA-YA-YA」や「Choo Choo TRAIN」をセッションし、ゲストが去った後にはメンバーも口々に「ヤバくない?」と興奮を隠し切れない。


そして後半戦に新衣装で登場したヒスロリメンバー5人が迎えた最後のゲスト、人時(黒夢)。彼も「おめでとうございます」という祝福の言葉とともにベースを握った。ヒスロリ1stアルバムのリード曲「Voice For Voice」が人時プロデュースの楽曲だと報じられた時も話題になったが、この日叶った人時との「Voice For Voice」セッションでは、疾走感あるシンプルな力強い演奏の中にメンバー5人の音楽へのひたむきさが透けて見えた。ビッグネームとの共演にも物怖じせず、伸びやかに楽曲の世界観を表現した後には「ダメだ、感極まってきた」とRani。


ライブもいよいよ終盤。しっとりとしたヴォーカルで見せる「snowy road」を経て、「月の夜~take me to your side~」へ。本編ラスト前にはヒスロリの起源であるメンバーオーディション時の映像が流れ、「Noa、2年間お疲れ様でした」というメッセージと共にNoaがファンへ向け口を開いた。

「ずっと何喋ったらいいんだろうと思ってて。長いようで短い2年間でした。自分で決断して、本当にごめんなさいって気持ちしかなかったけど、メンバーにはすごい迷惑をかけてきて、それでも見捨てないで、メンバーでいてくれて、それが一番感謝してるかな。本当にワンマンでこんな風に実現すると思ってなくて、すごいことだなって思って。やっぱ悲しいけど、新しい道を自分で作っていこうかなって今は思っています。今まで2年間、本当にありがとうございました。」──Noa

Noaがセンターでのソロを見せた本編ラスト「誓」。曲後、彼女がお辞儀をしてメンバー共々ステージを出ると、会場からはアンコールを求めるヒスロリコールが沸き上がる。アンコールではRaniがメンバーを代表してファンへの感謝を伝えた後、「みんな元気? いける?」と「革命」そして「Hysteric」へ。最後はファンのオイコールとジャンプに衝き上げられるようにして、ライブハウスの天辺まで漂う熱気の中でライブを終えた。

ライブが終わっても途切れないNoaコールに、ひとりNoaがステージに戻ってくる。「一言だけ。本当に2年間ありがとうございました!」と告げた彼女にファンからは花束と拍手が贈られ、終演後にはフラッグへの寄せ書きも集められた。

結成から初ワンマンまで2年。Hysteric Lolitaというガールズバンドが辿ってきた軌跡は、振り返ってみると非常に個性的なものになっていたと言わざるを得ない。現時点で海外での濃密な経験を持つとともに、ワンマンライブを行なうバンドとしてはここからがスタートだ。未知数の要素を抱える彼女たちが今後何を見せてくれるのか、引き続き見守っていきたい。

セットリスト<Hysteric Lolita 1stワンマンライブ『≠Not equal』>

SE.the Creation = 序
1.BLOOM
2.REAL
3.DISTRESS
4.ALIVE
5.Ready! It’s all right!
6.Reversi
7.絶望のスパイラル
8.It's a AOGAMI world(青髪シスターズ)
9.千本桜(青髪シスターズ)
10.YA-YA-YA(鮫島秀樹&SATSUKI&原田喧太)
11.Choo Choo TRAIN(鮫島秀樹&SATSUKI&はたけ)
12.Dual Anima
13.Voice For Voice
14.snowy road
15.月の夜~take me to your side~
16.誓EN1.革命
EN2.Hysteric

1st Album『≠ Not equal』

2016年2月3日発売
【収録曲】
■ CD
1. the Creation = 序
2. REAL
3. Voice For Voice
4. Hysteric(album ver.)
5. DISTRESS(album mix)
6. snowy road
7. 革命
8. ALIVE
9. 月の夜~take me to your side~
10. Dual Anima(album ver.)
11. Reversi(album ver.)
12. Ready! It’s all right!
13. 絶望のスパイラル(album ver.)
14. BLOOM
■ DVD
・Voice For Voice (Music Video)
・Voice For Voice (Making Movie)

◆Hysteric Lolitaオフィシャルサイト
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