【インタビュー】KNOCK OUT MONKEY、「VAMPSからのお誘いに震えます」
■その日のステージにさらけ出されるのは
■そこに至るまでにどれだけ練習を重ねてきたかということ
──dEnkAさんはギタリストとしてVAMPSサウンドに共感するところも多かったのでは?
dEnkA:ライヴを観たのは昨日が初めてだったんですけど、もう洋楽ですよね。ステージングも、サウンドも、日本人には見えなかった。ちょっとインダストリアルな感じもあれば、ゴシックも、ハードロックもあるし。
w-shun:だからオレらにとってドストライクなんやな。
dEnkA:K.A.Zさんのディレイの使い方とかホントに緻密ですよね。僕もギターで出来る限りの表現に挑戦したいので、機材を変えたりして、いろいろ楽しんでやってるんですけど。VAMPSはサウンドが精巧なうえに、パフォーマンスがすごくダイナミックでワイルド。そのサウンドとパフォーマンスのギャップというか、両立させているところが凄いですね。単純にライヴを観てイメージが変わりました。
亜太:僕は照明とかがホントに凄いなと思いましたね。VAMPSの世界観を作る上で必要不可欠なものなんだなと思いながらも、照明が凄いんではなくて、それを凄いと見せるVAMPSの存在感があってこそだなと。たとえば、あのレーザー光線の後ろで僕らがやったら、檻の中の猿にしか見えんでしょ(笑)。ただね、作り込んだショウをやってる方々は他にもいると思うんですけど、VAMPSのステージはやっぱりライヴだという印象が強い。僕も初めて観たので、汗とかかかずにクールなライヴをするのかなと思ってたら、“K.A.Zさん、こんなにジャズマスター回すんだ”とかビックリでした(笑)。
▲<SUMMER SONIC 2013> |
ナオミチ:自分たちらしいライヴですね。会場が大きいとか相手がデカいとかということに気負わず。昨日もそうでしたし。もちろん緊張はしますけど(笑)。
──という意味では、昨晩のセットリストもいつものKNOCK OUT MONKEYらしいものでしたし。
ナオミチ:今回のセットリストは、VAMPSのライヴをよく観に行っている僕が土台となるアイデアを出したんです。で、ぶっちゃけ、たとえばマイナー調の楽曲をたくさん入れるとかいろいろ考えたんですけど、合わせにいってもなぁと。だから、いつもの自分たちらしいセットリストを組んで、まずメンバーに投げてみたんです。
w-shun:相手に寄せようと思ったらいくらでも寄せることができるんですけど、それによって自分たちの一番得意な部分が10割から7割に削れてしまうのであれば、僕は確実に10割出したほうがいいと思っているんですよ。楽曲に関しては、自分たちの好きなものやバックボーンを見つめながら1つ1つ作っているから、僕たちのことを知らない人が聴いたとしても、曲の中に必ずフックとなる部分があると思う。そういうことを信じてやっているので。
──KNOCK OUT MONKEYにはラテン的リズムの楽曲もあれば、レゲエやジャズパートが挿入された楽曲もあるなど、とにかくいろんなナンバーがあるじゃないですか。だから、さっきナオミチさんが言ったように、マイナー調で固めることも出来たと思うし、逆に幅広さを見せることも出来るなかで、選んだナンバーは客席を燃え上がらせるような灼熱の剛速球だったという。
ナオミチ:あはは!
w-shun:結局は、その日のステージにさらけ出されるのは、そこに至るまでにどれだけ練習を重ねてきたかということだったりするでしょ。それが自分たちの一番のストロングポイントだと思っているんです。
▲ミニアルバム『RAISE A FIST』 |
w-shun:はい。音源制作はいつも、ツアーと並行しながら進めていたんですが、今回のミニアルバムに関してはツアー終了後、オケのアレンジや歌詞に取りかかったんですよ。それは初めてのことで。
──その制作進行による音楽的な変化も?
w-shun:ツアーが終了して自分の気持ちを一回精算したうえで、次の作品に取りかかることができたことは大きいですね。それに、いつリリースしようっていう締切も特に決めてなかったので、自分はこういうことが言いたいというものが明確に見えた。それをとことんまで突き詰めて制作ができたので、個人的には妥協のない作品になっていると感じています。
──流れや勢いを汲んだ作品とは、また違ったものになりましたか?
w-shun:今回は、“これが自分です”っていう作品なのかなって思うんですよね。今までは鳴っている自分たちの音を客観的に感じたりとか、ファン目線で聴くこともできたんですけど、今回に関しては出来上がった作品を聴いたときに、それが良いのか悪いのかもわからない。だけど、間違いなく俺だなっていう作品で。ここまで自分自身を注ぎ込んだのは初めてに近いですね、曲に関しても歌詞に関しても。
──内面をさらけ出すような?
w-shun:そう。2016年は申(サル)年なので、この作品を持ってすべてをさらけ出していけたらなと思いますね。
──なるほど。サウンドとしてはどのような方向性に? たとえばこれまでは1曲のなかにいろいろなジャンル感を詰め込んだ作品もありますし、あくまでもメロディを活かすアレンジに徹した作品もありますよね。
ナオミチ:僕的には、方向性とかは関係なしに作ったという感じがしてますね。1stフルアルバム『INPUT ∝ OUTPUT』とか2ndフルアルバム『Mr. Foundation』は、本当に時間のない中、ツアーと同時進行で作ったんですけど、今回はw-shunが言ったとおり、時間をいただいて制作することができた。細部に至るまでメンバーと話し合いができたことで、曲のAメロとかBメロとか各箇所の目的がはっきりと見えたんです。フレーズを詰め込んだとしても各メンバーとの掛け合いがしっかりできているし、今回は1曲1曲というよりも、1フレーズ1フレーズに自分らしさを出せたなというのがありますね。
dEnkA:今までの経験上、ミニアルバムって結構ギターを詰め込みがちになるというか、5~6曲でお腹いっぱいにしてやろうっていう気持ちがあったんです。だけど今回は、ギターが1本しか鳴っていない瞬間とか、フレーズで言えば1本のギターで頭から最後まで弾ききれる曲もある。楽曲アレンジをシンプルにするにせよ、以前よりも楽曲の表現の仕方やアプローチを研ぎ澄ますことができたというか、そういう作業自体楽しめましたね。
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