【インタビュー】THE MACKSHOW、「線抜けたら差しゃあいいじゃん、みたいな。それがライヴだろう」

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── 今作はそうしたアメリカで得たものと共に、THE MODSの「PLEASE DON'T LET ME DOWN」をカバーしていたり、コージーさんのソロ活動から得たものも反映されていると思うのですが。

コージー:ソロ・アルバムはずっと作りたくて、曲の構想とかもあって何年も思い描いていたものを作ったんですけど。でもソロだからマックショウとかザ・コルツとは違うアプローチをしようというのはあんまりなくて、普通に、違うメンバーで出来るものというのを出したというか。それとおのずと、いつもマックショウで歌っていることよりも、個人的なことやもうちょっと突っ込んだこと、友達に対して言いたいことなんかがベーシックになっています。あえてそういう作り方をしたんですけどね。すごく出来も良くて、そういう曲があるからこそ、例えばこの曲はカントリーっぽい感じに味付けしてバンジョー入れよう、マンドリン入れよう、という感じで成立したんですよね。その後にマックショ ウのRECになったんですけど、やっぱりシンプルならシンプルなりの楽しさがあるなと。空間の隙間を聴かせるところもあるなというのが演奏的には1つあって。ソロのときにやってくれたピアノの伊東ミキオ、ドラムの大島賢治なんかはすごく上手いしね。すごいドラマーだなと思って、僕が曲作りからRECまで全部一緒にやりたいと言ってやったんだけど、そこで満足してそのあとマックショウでRECしたときに、(マックショウのドラムの)バイクボーイのことを「悪くないね、お前」と思って(笑)。やっぱりそれなりに違いというか、ドラマーとしての個性を持っているんだなと。これがマックショウだし、これはこれで悪くないなと。それを活かしたアルバム作りを目指したところがありました。

── アメリカから持ち帰ったおおらかさがメンバーの魅力の再確認につながったわけですね。

コージー:「まあ悪くないんじゃない?」っていうね。トミーにはソロのときはすごく注文をつけていて、なおかつベースを弾きながらテープレコーダーの操作もしているから大変だったと思うんだけど。僕の中でも『MIDNITE MELODIES』は大仕事でしたね。歌詞もけっこう作り変えて煮詰めて。

── 『MIDNITE MELODIES』の歌詞はマックショウでいつも歌っているようなものよりも現実的で、THE MODSの森山達也さんとデュエットした「ワンパイントの夢」は“遅すぎることなんてなにもない もう一度夢を見せてくれ”という言葉が出てきたりしますけど、そうしたメッセージ性は意識的なものだったのでしょうか。

コージー:僕は割とそういう曲が好きなので。それも若いときから目指してはいたんですけど、『MIDNITE MELODIES』のような歌詞というのは、この歳になってこそ説得力があるんじゃないかと思っていて。僕は若い頃は痩せてて小っちゃくて、ツッパってて全然説得力のない顔をしてたから(笑)。そこから大人になってある程度の年齢になって、こういうメッセージを発信したアルバムが出来たというのはすごく嬉しかったですね。マックショウの曲というのは、マックショウならではの“昭和90年”とか、昔なのか今なのかわからないような感覚をすごく大事にしていて、その中の新しい物語の1つを作ろうと思ってやってきたんだけど、今回に関してはソロを作った後だったのでマックショウでメッセージすることを言っても悪くないのかなって。それまでもメッセージがなかったわけじゃなくて、マックショウが頑張って続けていることがメッセージになればということを思っていたので、あえて曲や歌詞でそういうことを言う必要がないんじゃないかって考えてきたんです。でも曲を書いているのは同じ人間なんだし、言えることがあるならマックショウなりのアプローチでやれば良いんじゃないかなって。それがまた1つ楽になったことというか。「もういいんじゃない?」みたいな。だからソロを作ったことと、アメリカでおおらかさを得たことと、あとは年齢的なことが出たのかなと。

── “そう、人生はとても短いから もう、迷ってるそんなときじゃない”と歌う「高速ヘヴン」(「ワールドプロレスリング」のEDテーマ曲)のようなストレートなメッセージ色もありますね。

コージー:うん、まあでもこの曲くらいですけどね。

── アルバム自体もタイトル通り楽しい曲がある反面、メランコリックさやメッセージ性を感じるのがこれまでの作品とちょっと違うのかなと。

コージー:そうなんですよ。これはね、他の歌詞が思いつかなかったんだよねどうしても。
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