【ライヴレポート】THE MACKSHOW、“ロックンロールの求道者”としての余裕を感じる最高のステージング

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9月23日、毎年恒例となったロック・イベント<ロッケンロー★サミット2013~渋谷頂上決戦~>が渋谷AXにて行われた。トリを務めたギターウルフをはじめ、強烈な個性を持ったバンドが多数出演した中で、注目は8月28日に記念すべき通算10作目のアルバム『狂騒天国』をリリースしたTHE MACKSHOW(以下マックショウ)。最高の“ロッケンロー・バンド”である彼らのライヴ・ステージのレポートをどうぞ。

オープニングにシークレット・バンドとして怒髪天が登場する等、強烈な個性を持ったバンドが次々と登場したこの日の<ロッケンロー★サミット2013~渋谷頂上決戦~>。THE NEATBEATSが関西弁の爆笑MCと観客を巻き込んだステージングで大いに盛り上げた後、SEのOsibisa 「Happy Children」に乗ってマックショウが登場すると大歓声が沸き上がる。ステージのバックドロップには“ロッケンローサミット”と殴り書きされたような大きな文字が掲げられ、気分を盛り上げる。

赤い照明に照らされたコージーマック(Vo.G)が「マックショウ~!コージーマック、トミーマック、バイクボーイ!」とメンバーを紹介し、すぐさま「グリース・ミー!」と叫びギターのイントロを弾きだす。トミーマック(B)とバイクボーイ(Dr)がそれに続き、ロックンロール・ショーがスタート。早くもファンがステージ前に押し寄せる。2番の歌詞を“間に合わせてよ ヘイ!タクシードライバー 行先はSHIBUYA!”と歌詞を変えて歌うコージーに爆発的に盛り上がる観客たち。“OH CAROL、HEY HEY HEY!”で会場に早くも一体感が生まれている。

激しく点滅する照明に照らされるメンバーたちの姿は、もちろん革ジャン、サングラス、リーゼントだ。コージーは赤いリッケンバッカーにVOXのアンプ、トミーも赤いリッケンバッカーのベースにフェンダーのアンプを使用。バイクボーイのドラム・セット、バスドラに入っているのはアルバム・タイトルの“狂騒天国”のロゴだ。背後から強烈なライトが放射され、2曲目「恋のロックンロール・ライセンス」。ギター・ソロでは2人がステージ前方で煽り、エンディングではビートルズばりの見事なコーラスを聴かせる。続けざまに「Woooo!」とコージーがテンション高く叫んでから弾きだしたイントロは「赤い週末」。“HEY!HEY!”とバンドの演奏に合わせて腕を振り上げる観客たち。お客さんはリーゼントもいれば、金髪もいる、20代~30代男女半々程度の割合だが、他のバンド目当てで来た10代らしき女の子も踊っている様子。マックショウのストレートなロックン・ロールに新鮮さを感じているはずだ。

「渋谷ー!狂騒天国!」と叫んでから、新アルバムのオープニング・ナンバー「狂騒天国」へ。流れるようなポップなメロディに、トミーが大きく手を叩き、観客を煽る。バイクボーイがサングラスを外して楽しげにファルセットのコーラスを決めている。そして“仕事がハネたら迎えに行くよ”と歌い出したのは「恋のスピードウェイ」。キャロル直系の泣きのメロディを持つロックン・ロールだ。

「マックショウです!元気かー!?」とサングラスを外したコージーがMC。「行くぞー!ナナハンボーイ!」と「ナナハン小僧のテーマ」へ。ビーチ・ボーイズを思わせるギターのイントロと共に3コードのロックンロールが奏でられ、バイオリン・ベースにもちかえたトミーは内股でポーズをキメる!“サイコー!ロックンロール!”と叫ぶコージー。黒いリッケンバッカーに持ち替え、「前のやつも、後ろも、2階も、派手にやるぞ!」とマックショウのバンド名の由来となった言葉をタイトルに持つ曲「派手にやれ!(Mach Shau!)」を披露。途中、バイクボーイがボーカルをとり、2人がドラムセットの左右からバイクボーイを囲む。ステージでの1つひとつの立ち振る舞いが、心憎いまでのオールド・ロックンロール・スタイルだ。何度もブレイクしてから、“ヘイヘヘイヘイ!派手にやれ!何時間でも!”に熱狂的にフロアが揺れて踊り出す。

まったくノン・ストップのロックンロール・ショー。「ツイストの準備はいいかー!?行くぞー!」とギターを激しく掻き鳴らし、曲は「ビッグママ・ヘイヘイ」。ダックウォークでコージーとトミーが交差、マイクスタンドの位置を交代してコーラス。ステージの左右を隅から隅まで煽る2人。エンディングではビシっと指差しポーズ!決まった! そして「まだ行くぞ!ロックンロールは足りてるかー!?」とロックンロール・リフを刻むと、曲はカバー曲「グッド・オールド・ロックンロール」へ。ステージ前の観客は両手を高く掲げハンドクラップ!“ロックンロール!”と何度も叫ぶコージー。

「ありがとう~!」と引き揚げるかと思いきや、ギターを刻みながらオーディエンスに手拍子を促す。ラストは「リップスティック・ロックンローラー」。「みんなのデカイ声聴かせてくれー!イエ~!」とコール&レスポンス。そしてステージ前に乗り出し、長いギターソロ。見れば、2階席の観客も立ちあがり、踊っている。ステージ中央に立ち、ギターを縦に構えソロを弾くコージーの前に膝まずき向かい合うトミー。とことん、オールド・ロックンロール・マナーに沿ったステージングだ。さらに観客とコール&レスポンスをしながら、リーゼントにクシを入れるコージー! ここまで徹底してロックンロールしているバンドはマックショウ以外見当たらない。

何度も「ロックンロール!」と叫んでステージを去って行ったコージーをはじめ、心底ロックンロールがそして音楽が大好きなメンバー3人によるノン・ストップのロックンロール・ショー。プレイヤーとしての確かな腕前と一つの道を極めたロックンロールの求道者としての余裕を感じさせる素晴らしいステージだった。

なお、この日のライヴの模様は後日、フジテレビNEXTにて放送されることが決定している。

取材・文●岡本貴之
写真●AYUMI"areUme?"FUJITA

THE MACKSHOW セットリスト
1.グリース・ミー
2.恋のロックンロール・ライセンス~赤い週末
3.狂騒天国
4.恋のスピードウェイ
5.ナナハン小僧のテーマ
6.派手にやれ!(Mach Shau!)
7.ビッグママ・ヘイヘイ
8.グッド・オールド・ロックンロール
9.リップスティック・ロックンローラー

「ロッケンロー★サミット2013~渋谷頂上決戦~」
フジテレビNEXT
11月18日(月)25:00~27:00

【ライブ情報】
『狂騒天国』発売記念 全日本狂騒コンサートツアー・ストレンジパラダイス88'「狂騒天国」
昭和八十八年九月二十八日(土)熊本ジャンゴ
昭和八十八年九月二十九日(日)福岡CB
昭和八十八年十月五日(土)横浜club Lizard
昭和八十八年十月六日(日)名古屋E.L.L
昭和八十八年十月十二日(土)京都・磔磔
昭和八十八年十月十三日(日)浜松CONNY CAT'S
昭和八十八年十月十四日(月・祝)甲府CONVICTION 
昭和八十八年十月十九(土)滋賀BLUE
昭和八十八年十月二十日(日)広島クラブクアトロ
昭和八十八年十月二十六日(土)富山SUMMER KNIGHT昭和八十八年十月二十七日(日)福井Casa昭和八十八年十一月二日(土)栃木・足利ライブハウス大使館昭和八十八年十一月三日(日)盛岡club Change
昭和八十八年十一月四日(月・祝)福島エリア559
昭和八十八年十一月九日(土)岐阜・柳ヶ瀬アンツ
昭和八十八年十一月十六日(土)東京・代官山UNIT※ その後も続々決定中!あなたの街に狂騒天国!

◆B.A.D RECOUDS UNITED オフィシャルサイト
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