【ライブレポート】<tkmk爆女祭>というイベントが生み出したもの
今年生まれた怒涛のイベント<tkmk爆女祭>。2015年5月にVol.0として渋谷CLUB CRAWLで全31組100名以上の出演者が共演、怒涛の7日間連続イベントが敢行された。ホストバンドはCaramel。7日間連続出演という苦難を越えて見事イベントを成功させ、そして11月には、同じく渋谷CLUB CRAWLにてCaramelとCREAがホストバンドとなり、Vol.1が開催された。出演者は全26組総勢100名以上。次世代のガールズバンドを中心に、一筋縄ではいかないアイドルや女性シンガーソングライター達が1週間を通し、のべ1,200人以上を動員して渋谷の夜を熱く盛り上げた。そして12月11日、その余韻が乾ききらぬうちに、あの興奮を再体験できる後夜祭編が新宿ReNYで開催された。
<tkmk爆女祭>の出演者の中には、目を見張る程の活躍をし、話題を集めるようになったガールズバンドが多数出てきている。昨今のガールズバンド・シーンを見据える上で欠かせないイベントにまで成長した<tkmk爆女祭>を、直近に行われたVol.1と後夜祭編で振り返ってみよう。
Vol.1の初日、トップバッターを務めた凸凹凸凹-ルリロリ-はパワフルなサウンドで会場に火を付けた。大阪から駆け付けたЯeaLはロック魂あふれるステージで観客を魅了した。赤いサイリウムで埋め尽くされた中、全て新曲のみというセットリストながらも狂おしくドラマティックなステージを展開した逢瀬アキラには、心を鷲掴みにされた。ホストバンドCREAはハードな演奏と重く激しい楽曲で世界を作る。もう一つのホストバンドCaramelは掟破りの新曲6回連続演奏でわっしょい伝説を作り、トリのBAND-MAID(R)はメイド姿にヘヴィなロックサウンドで全身を揺さぶった。
▲凸凹凸凹‐ルリロリ(<tkmk爆女祭>1日目 2015年11月23日)
▲ЯeaL(<tkmk爆女祭>1日目 2015年11月23日)
▲逢瀬アキラ(<tkmk爆女祭>1日目 2015年11月23日)
▲CREA(<tkmk爆女祭>1日目 2015年11月23日)
▲Caramel(<tkmk爆女祭>1日目 2015年11月23日)
2日目、Bratsはフェミニンな衣装に身を包み、ハードな演奏で個性的なステージング、ヒラガナ路線は軽快でスタイリッシュな演奏と楽曲で会場を盛り上げた。CREAは「正統派なりの格好良さを見せてやるぜ!」と熱く高ぶらせた疾走曲をお見舞い、Caramelは熱い演奏で何でもアリの狂乱状態へ、まなみのりさとのコラボも。トリのまなみのりさは「ポラリスナンバー」祭りで会場は熱狂状態に。
▲BAND-MAID(<tkmk爆女祭>1日目 2015年11月23日)
▲Brats(<tkmk爆女祭>2日目 2015年11月24日)
▲ヒラガナ路線(<tkmk爆女祭>2日目 2015年11月24日)
▲CREA(<tkmk爆女祭>2日目 2015年11月24日)
▲Caramel(<tkmk爆女祭>2日目 2015年11月24日)
▲まなみのりさ(<tkmk爆女祭>2日目 2015年11月24日)
3日目、トップのCREAはドライブ感の強い2曲の新曲を武器に、会場に熱狂の火を付ける。独自の世界観で活躍するHERe:NEはこの日も魅力全開。モッシュの嵐から場内はぐっちゃぐちゃに。衝撃が走った絶叫する60度、展開された絶叫と会場のバトルとステージからの殺気がすさまじかった。Caramelは冒頭のハイテンションナンバーから火がついたようにまたも狂乱の状態へ。ステージと会場との戦いにもなっていた。がんばれ!Victory・しのぶ、みなみとのコラボも。トリはがんばれ!Victory、心地よいロックチューンは、青春の夢とドキドキを感じさせてくれた。
▲CREA(<tkmk爆女祭>3日目 2015年11月25日)
▲HERe:NE(<tkmk爆女祭>3日目 2015年11月25日)
▲絶叫する60度(<tkmk爆女祭>3日目 2015年11月25日)
▲Caramel(<tkmk爆女祭>3日目 2015年11月25日)
▲がんばれ!Victory(<tkmk爆女祭>3日目 2015年11月25日)
4日目、マスクアイドルMalcolm Mask McLaren、パンキッシュに展開する彼女達のステージに観客はジャンプ、ダイブ、走り回って楽しんでいた。Caramelはこの日はゆったりとスタート、久しぶりのカバー曲を含め、皆笑顔でライブを楽しんでいた。CREAはいつにも増してハードな展開へ。ギターを叩き壊し、3人で演奏を続けるなど、観客達も力の限りステージに向かっていた。THE LEAPSは2ピースという違った景色でシンプルなカッコ良さを会場にしっかりと届けていた。トリはHEAD SPEAKER、ポップセンスが光る楽曲とボーカルで会場を魅了し、観客は心地よく浸っていた。
▲Malcolm Mask McLaren、Caramel(<tkmk爆女祭>4日目 2015年11月26日)
▲Caramel(<tkmk爆女祭>4日目 2015年11月26日)
▲CREA(<tkmk爆女祭>4日目 2015年11月26日)
▲THE LEAPS(<tkmk爆女祭>4日目 2015年11月26日)
▲HEAD SPEAKER(<tkmk爆女祭>4日目 2015年11月26日)
5日目、トップバッターはHysteric Lolita、ドラマチックでハード、麗々しさとロマネスクを携えた楽曲で感情を刺激するステージを披露した。続くSEKIRARAは絶叫でスタート、変拍子と独特な音使い、オリジナリティの高い楽曲で会場を魅了した。この日のCaramelはしっとりとスタート、と思わせて肩を組んで身体を揺らす観客のパワーは衰えていなかった。CREAは前日のアクシデントを乗り越え、パワフルな CREAとフロアには熱狂する観客。素敵なライブを作り上げた。トリはもちとちーず、柔らかなサウンドと絶妙なハーモニーで観客はじっくりと聴き入り、あたたかな空気でいっぱいとなった。
▲Hysteric Lolita(<tkmk爆女祭>5日目 2015年11月27日)
▲SEKIRARA(<tkmk爆女祭>5日目 2015年11月27日)
▲Caramel(<tkmk爆女祭>5日目 2015年11月27日)
▲CREA(<tkmk爆女祭>5日目 2015年11月27日)
▲もちとちーず(<tkmk爆女祭>5日目 2015年11月27日)
6日目、大歓声で迎えられたLa PomPonはアグレッシブなダンスを披露、破壊力の高い笑顔を会場に届けていた。SORAMIMIはロック志向の高いそのサウンドで会場の一体感を高め、Split BoBはタイトな演奏と澄んだボーカルで、次々と彼女達の世界を展開、熱狂の渦を作り出していた。この日は攻めたCaramel、限界まで攻める地獄セトリで観客に挑み、史上最大の無茶苦茶なステージとなった。CREAはステージから音圧と気を放ち、熱狂する観客とメンバーの笑顔が印象的だった。トリはたんこぶちん、ハードで楽しい彼女達のステージに手拍子と掛け声を合わせて笑顔で楽しむ観客。一つに溶け合ってゆく興奮の様を描いていた。
▲La PomPon(<tkmk爆女祭>6日目 2015年11月28日)
▲SORAMIMI(<tkmk爆女祭>6日目 2015年11月28日)
▲Split BoB(<tkmk爆女祭>6日目 2015年11月28日)
▲CREA(<tkmk爆女祭>6日目 2015年11月28日)
▲Caramel(<tkmk爆女祭>6日目 2015年11月28日)
▲たんこぶちん(<tkmk爆女祭>6日目 2015年11月28日)
そして最終日、メンバーは14歳~16歳GIRLFRIEND、初々しいその立ち姿と伸びやかで力強いボーカルが印象的だった。ガールズロックバンド革命は最高にパワフルなドラミングに乗せて、一気にたたみ掛け、アップテンポな楽曲に熱気は一気にヒートアップしていた。Le Lienはシンプルなコード進行に乗せたツインボーカルのメロディが心地いい。会場では一斉にタオルを回す圧巻の景色が。7日目となるCaramel、「死ぬ気でかかってこいよー!」の煽りから一瞬にして熱狂へ。無茶苦茶状態の熱狂の中、全力を出し切っていた。世界観をきっちりと表したザ・ヒーナキャット、サウンドはどこか懐かしいストレートなロックボーカル、「恋がしたい」では会場全体で大合唱も。最終日のCREA、この7日で何かを見つけた彼女達の笑顔は素晴らしく、そのパワーに会場は全ての力を振り絞ってステージに対峙していた。その光景は息が止まるほどの素晴らしさだった。
▲GIRLFRIEND(<tkmk爆女祭>7日目 2015年11月29日)
▲ガールズロックバンド革命(<tkmk爆女祭>7日目 2015年11月29日)
▲Le Lien(<tkmk爆女祭>7日目 2015年11月29日)
▲Caramel(<tkmk爆女祭>7日目 2015年11月29日)
▲CREA(<tkmk爆女祭>7日目 2015年11月29日)
▲ザ・ヒーナキャット(<tkmk爆女祭>7日目 2015年11月29日)
続いてつい先日行われた後夜祭編。トップバッターはHEAD SPEAKER。「後夜祭、準備はできてますかー!」大きな声で腕を振り上げて応える観客。アップテンポな曲に合わせ、観客は飛び跳ねながらライブを楽しみ、会場の熱気を十分に高めていた。
2番手の登場は凸凹凸凹-ルリロリ-。圧倒されるほどパワフルなステージは健在。「みんな、ヘドバンするよー!!」と会場を煽り、一気に会場はヒートアップ。ハードな楽曲に合わせて声を上げ、飛び跳ねる観客は存分に彼女達のライブを楽しんでいた。
3番手は逢瀬アキラ。隅々まで真っ赤に染まった会場、この日アキラは狂おしいほどに凄みを増し、喉元を掻きむしりながら歌うその姿も相まってアグレッシブ&ドラマティックの一言だった。激しいアクションに相反した伸びのあるその歌声は彼女の新たなる一面を感じさせるステージだった。逢瀬アキラは2016年2月11日、渋谷スターラウンジで2度めの主催ライブを行うことが決定しているが、いったい何を魅せてくれるのか、楽しみだ。
4番手はCaramel。この日は彼女達の今年100本目のライブ。冒頭の新曲から会場は一気に最高レベルまで高まる。中盤では、これまで応援してきてくれたお客さんをステージ上に招き入れ、表彰式をしてしまうというサプライズも。ラストはいつも以上に狂喜乱舞の様相となった。そんなCaramelは2016年2月26日、下北沢Gardenで3回めのワンマンライブを決行する。
5番手はがんばれ!Victory。声を上げて腕を振り上げる観客と、笑顔で演奏をする彼女達。この雰囲気が彼女達のライブの魅力。初々しさと安定感の両方を感じることのできる独特なパフォーマンスで彼女達らしさ全開。ニューシングルの曲も披露し、激しいながらもふんわりとした優しい空気が漂う、そんな気持ちを観客に抱かせていた。
6番手はまなみのりさ。元気いっぱいに登場した彼女達。キレのあるダンスは変わらない魅力。MCでは、Caramel愛溢れるメッセージも。観客が一斉にアクションをする形は変わらず、この一体感が彼女達のライブの魅力であろう。
出演バンドの最後は、Vol.1でも大トリを務めたCREA。一発目からハードな曲をお見舞いし、会場の熱気が一瞬でピークまで上がっていた。この日のCREAは、気合は入っているが気負ってはいない、自然なCREAをストレートに表現することに迷いがない、そんな気持ちと強さがステージ上から感じられた。
そしてスペシャルバンドの登場である。チームAはCREAの「REASON」、チームBはまなみのりさの「vポラリスAb」、チームCはCaramelの「恋愛少女」、チームDは逢瀬アキラの「Ms.Amyは夢遊病」を披露した。観客はメンバー登場時にまず「おおおー!」と期待を込めた歓声を。そしてお馴染みの楽曲を違うバンドのメンバーが演奏する姿を楽しそうに、そしていつものように激しく盛り上げていた。このスペシャルバンドも、<tkmk爆女祭>ならではの楽しさである。多くの出演者、観客が長い期間、同じ時間を共有する基盤ができていることに、独特な楽しみを見出すことができるのだ。
Vol.0、Vol.1、後夜祭編と開催された<tkmk爆女祭>。そこで何が起きていたのか。各アーティストの素晴らしいステージはもちろんのこと、このイベントならではのコラボ、サプライズ、ハプニング。バリエーションに富んだアーティストの素晴らしいパフォーマンスが生まれる。そして<tkmk爆女祭>の特筆すべき点は、7日間連続で開催されることが大きな特徴を作り出していることである。観客の中には、複数日参加した人、さらには7日間連続で参加した人も少なくない。それだけの時間を共に過ごすという一体感が「ライブ」の現場に象徴的に現れてくる。そして会場一丸となってライブを楽しむという素晴らしい空間を作り出すのである。そしてその一体感は観客のみに留まらない。共にステージに立ったアーティスト同士、さらにはスタッフにもその一体感は醸成される。アーティスト達の素晴らしいパフォーマンスに、この「人のつながり」が加わり、素晴らしい空間が作られていくのだ。
出演者、観客、スタッフが全員で作り上げたもの、そのことが参加した人全員の心の中に刻み込まれた<tkmk爆女祭>。これからどのような進化を遂げ、歴史の中に何を刻み込んでいくのか。ステージ上のCREAからVol.2の開催がひとつめのホストが彼女たち自身であることだけが告げられもうひとつのホストがいったい誰なのかの発表はないままだったが、期待したいし、その進化が楽しみでならない。
また、今回のイベントの模様はJ:COM放送中の音楽番組『MUSIC GOLD RUSH』2016年1月1日放送を皮切りに、GYAO!、J:COMオンデマンド、auビデオパスなどからも随時放送、配信される事が決まっているので、これも見逃せない。
<逢瀬アキラ 主催イベント>
2016年2月11日(木/祝)
@渋谷スターラウンジ
OPEN17:30/STAT18:00
前売り¥3,000/当日¥3,500+D
CAST:逢瀬アキラ/and more
<Caramel 3rd ワンマンライブ>
2016年2月26日(金)
@下北沢GARDEN
OPEN/START 18:30/19:00
前売り/当日 \3,000/\3,500+D
◆tkmk爆女祭オフィシャルサイト
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